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白い歯はキモい⁉ 平安の人々が「お歯黒」にしたのは、美容のため以外に「ある目的」があった!

OTONA SALONE / 2024年6月11日 11時46分

*TOP画像/周明松下洸) 大河ドラマ「光る君へ」23回(6月9日放送)より(C)NHK

 

『光る君へ』ファンのみなさんが本作をより深く理解し、楽しめるように、40代50代働く女性の目線で毎話、作品の背景を深掘り解説していきます。今回は平安時代の「デンタルケア」について見ていきましょう。

 

この記事の【前編】を読む『平安時代、怖~っ。独身で病気になると、路上生活の「転落人生」あるのみだった⁉【NHK大河『光る君へ』#23】』

 

平安時代の人たちも虫歯や口臭に悩まされていた

平安時代の人たちも虫歯口臭歯の黄ばみ歯茎の出血などに悩まされていました。現代社会に属する私たちの多くが歯にまつわる悩みを抱えていますが、平安時代の人たちも同じだったんですね。

 

当時において虫歯は「齲歯(むしかめば)」と呼ばれていました。また、虫歯による痛みは「齲歯痛(うしつう)」と表現されていたようです。

 

虫歯の痛みに悩み、苦しむのは時代を問わずだれもが同じです。また、人びとが痛い思いをしないためにも、虫歯予防を心掛けているのもいつの時代も変わりません。平安時代に編集された医学書『医心方』(いしんぽう)では「朝夕歯をみがけば虫歯にならない」「食べたら必ずうがいをする」と書かれています。

 

 

平安時代の人たちは「歯みがき」をどのようにしていたの?

現代における日常的なデンタルケアは歯ブラシを使って歯をみがき、デンタルフロスなどで歯間の汚れを除去するのが一般的です。

 

平安時代には今でいう歯ブラシのようなものはありませんでした。当時は楊枝を使って汚れを拭う口をすすぐくらいしか方法がなかったよう。簡易なケア法しかなかったこともあり、虫歯に悩む人は多く、歯が黒く溶けた子どももいました。

 

 

「お歯黒」の意外な効果とは?

平安貴族の女性の外見的特徴といえば、黒い歯ですよね。白く塗った顔を引き立てるために、お歯黒を好んで行っていました。また、お歯黒は男性の間でも平安時代後期になると広まったといわれています。

 

お歯黒には虫歯予防の効果虫歯の進行を抑制する効果があるようです。お歯黒をしている人は虫歯になりにくかったと言われています。

 

ちなみに、お歯黒の液は腐った食べ物や酒でつくった酢の中に鉄片を入れて酸化させ、ヌルデの葉茎にできる虫こぶの粉末を混ぜて作ります。現代人の中にはこうした液体を歯に塗ることに抵抗がある人もいるでしょう。しかし、平安時代は白い歯こそ気持ち悪いと考えられていました。

 

 

参考文献

八條忠基『詳解『源氏物語』文物図典: 有職故実で見る王朝の世界』 平凡社 2024年

河合敦 『外国人がみた日本史』 ベストセラーズ 2015年

 

≪アメリカ文学研究/ライター 西田梨紗さんの他の記事をチェック!≫

 

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