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東大生の親の年収は平均より高いらしい。だからといって、学費値上げはアリなのか?

OTONA SALONE / 2024年6月14日 11時1分

元国税職員さんきゅう倉田です。無人島に一つ持っていくとしたら「電卓」です。

35歳から芸人としての仕事の傍ら東大に入るべく受験勉強を始め、3回目の受験で合格し、現在2年生です。

 

2024年5月某日、テレビ東京の夜の報道番組「WBS」を見ていたら、東京大学が学費を20%程度上げることを検討していると伝えられました。

本記事では、当事者である東大生の視点からみる学費値上げと学食のコスパについてお伝えする【後編】です。

 

この記事の【前編】を読む約20%の学費値上げ。これに反対する学生たちにより、Xのアカウントが立ち上がった。意思表明と情報発信が行われ、「学費値上げに反対する全学緊急集会」が!

 

 

「おばちゃんがとってきてあげる」

冒頭で、自分の年齢の話をしました。

大学生がぼくの年齢を判断できないのは分かります。

目視した人間の数が少ないし、自分が頻繁に目にする周囲の人を基準にするので自分より歳上の人間が実際に何歳であるかを判断する材料が少ない。

しかし、職員や先生方はどうでしょう。

ぼくと同じくらい、あるいは年上の人ばかりです。彼らと短い会話をしたとき、彼らの言葉の運びからぼくが一般の学生と同じように見られていると感じます。

 

東大には生協が運営する学生食堂があります。

先日遊びに来てくれたフランス人によると、「フランスでは700円程度でこんなに美味しいものが食べられることはない!食堂はだいたい不味い!」そうです。

そんな食堂をぼくは週2回程度利用します。

入り口には当日のメニューのディプレイがあって、それを見てからお盆を取って、定食のコーナーに並び、おかずとご飯を注文して、レジに向かいます。

レジはマニュアルが洗練されていて、とてもスムーズに流れていきます。

ぼくはいつもグリルチキンと黒米ミニを注文していて、その日もそうでした。

 

トレーニングルームで筋トレをして、友人と食堂に向かいます。入り口が混雑していたので、お盆を取らずに、おかずとご飯を受け取り、レジに向かいました。

ぼくの前の学生が会計をしていると、学食のおねえさんがぼくに声をかけてくれます。

「あら、お盆忘れちゃったの?おばちゃんが取ってきてあげる!」

お姉さんは、目にも止まらぬ早さで、ぼくがやってきた順路を逆走し、入り口のお盆を取ってぼくのところまで戻ってきてくれました。

なんて優しいお姉さんなんだ。

彼女の「おばちゃんが取ってきてあげる!」から、謙虚さとぼくの年齢をどのように判断したかを推認することができます。

お姉さんのことをぼくは「おばちゃん」だとは微塵も思いませんでした。きっと39歳から「おばちゃん」と言われたら不快に思うでしょう。

彼女は「20歳くらいの学生と比べたら、自分なんておばちゃんなのよ」と思って、「おばちゃん」という1人称を使ったと考えられます。

つまり、ぼくを20歳くらいだと判断した。これはぼくの見た目が若いということではありません。思い込みや刷り込みの影響でしょう。

学生のほとんどは20代で、ごく稀に30代もいるけれど、40歳近い学生がいるとは多くの場合考えません。

 

他者の思い込みが人を大きく若返らせる。東大に入ってそう感じます。

 

 

≪芸人・元国税局職員 さんきゅう倉田さんの他の記事をチェック!≫

 

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