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「これだけじゃ、生きていけない!」わずかな生活費を投げつけるように渡すだけで、給与明細を見せることを拒む夫【経済的DV】

OTONA SALONE / 2024年6月20日 20時0分

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。自分を大切にしてくれ、本当に優しい人だから結婚をしても幸せになれると信じていたのに、結婚した途端に優しい姿が全て嘘だったとわかり苦しんでいる女性がたくさんいます。

モラハラだとわかっていても、経済的理由や子どもの養育の問題、夫がモラハラが治り優しくなってくれるかもしれないという期待から離婚を決断できない方がいます。モラハラ夫が「お前なんか離婚だ」と言うので離婚を決意しても、実際に離婚の手続きを進めようとすると拒否をされ調停や裁判にまで発展をする。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。

今回は経済的DVをする理不尽すぎるモラ夫の言い分に疲れ果てているHさんのお話です。

 

俺の働いた金は俺のものと給与明細を一切見せない夫

「俺が働いた金は俺のものだ」それがHさんの夫の口癖だそうです。

給料日の翌日にいつも夫から生活費を現金で渡されるのですが、その時も「本当は俺の金だから渡したくない」と必ず言い、テーブルの上に生活費を投げるように置くんだそうです。

 

『夫からお金を恵んでもらうような惨めな気持ちにいつもなるのですが「生活費を渡されるだけいい」そう思うようにしています。

でもその生活費も家族4人の食費と日常消耗品費、水道・ガス・電気代を出すとギリギリなので、自分のパート代から、夫からもらう生活費で足りない分、子供達の塾代と私のお小遣いをまかなっています。

夫からの生活費の金額は給与の何割なのか知りたいのですが、実は夫の給与明細を見たことがありません。夫に給与明細を見せてと頼むたびに、「俺の金が目当てか」「俺がどんな思いで働いて給与をもらっていると思っているんだ」「給与は俺の努力の証だ」と怒鳴り出すので、もう今は一度も給与明細のことは言っていません。普通の夫婦って夫の給与明細を見ないのでしょうか。』とHさん。

 

一般的な夫婦が夫の給与明細を見ているかどうかは、家庭によって異なります。ただ一般的には3つに分類されます。

 

1. 収入を2人で管理する家庭
家計の収支を一緒に管理している夫婦は、お互いの収入や支出を共有しているこ場合が多くあります。夫の給与明細は一緒に管理するためには見せることが前提になります。

2. 収入をどちらかが分担管理する家庭
夫婦のどちらかが家計収支管理をしている場合、夫は妻の、妻は夫の給与明細を確認します。

3. お互いが個別に管理する家庭
それぞれが自分の仕事を持ち自分の給与を管理し、必要に応じて支出を分担するスタイルの夫婦もいます。この場合、給与明細を見せ合わないこともあります。

 

どのスタイルが普通かは夫婦によって異なりますが、どんなことも話し合える信頼関係があることが基礎になります。給与明細を隠さずに、見せることで家庭の経済状況を透明にし、お互いの不満はなくなり信頼関係も深まると思われます。

 

 

夫が生活費を半分にすると言い出した結果

ある日、Hさんの夫が突然「これからは生活費を半分にする」と言ってきたそうです。もともと夫から渡される生活費では足りず、Hさんのパート代で賄っていました。それでもギリギリでしたから、さらに生活費を半分にされたら生活はできません。

「あなた、今でさえ足りないのに、それでは私たちは生活できないわ。」とHさんは反論したそうです。
すると、夫からは「そんなこと言われても俺だって困る。お前がパート時間を増やせばいいじゃないか。」と返答が……。
「私がパートを増やしたら、扶養者控除から外れて住民税や所得税も高くなるのよ。健康保険も年金も自分で入らないといけない。そういうことがわかっているの? あなたの給与明細を見せてください。私が家計管理をするから協力してほしい。」とHさんは懇願しました。

そういった途端、夫は「うるさい! お前たちを養う義務なんて俺にはない! なんで俺の働いた金で、お前たちを生活させないといけないんだ」と言いすごい勢いでドアを閉めて出ていってしまったそうです。

 

夫が生活費を入れてくれないというご相談が多くあります。
民法第760条(夫婦の協力及び扶助の義務) には
「夫婦は、その財産及び収入に応じて、互いに協力し、扶助しなければならない。」
と記載されております。
夫婦は互いに生活費を分担する義務があり、どちらか一方が家計を全く支えないということは認められていません。つまり、夫婦の収入や財産に応じて、夫も妻も生活費を分担しなければならないという義務が生じます。

具体的な金額や割合については、夫婦間の話し合いや各家庭の状況によって異なりますが、法的には互いに協力し合う義務があるのです。

 

Hさんの場合、子供が小学校に上がるまでは専業主婦、現在はパートで働いています。しかし、扶養範囲以内に収まるようにパートのシフトを入れてもらっているそうです。夫の渡す生活費では足りない分は自分のパート代で賄う、そんな妻の努力を夫はなんとも思わずに、給与明細も見せず自分は自由に使いたいものを買っているそうです。

夫婦は互いに協力し合い、生活を共にする義務があります。夫が生活費を渡したくないと言った場合は、まず話し合いを行い、それでも解決しない場合は第三者に相談したり、法的手段を検討することが必要です。

 

『夫は私の反論に負けたのか、生活費は今までと同じ金額をテーブルの上に投げつけるように置いていきました。私は無駄使いなんて一切していません。それなのに夫は私が使う生活費を浪費と呼ぶのです。私の化粧品は100均で揃えていますし、洋服だって年に数回セールの時にしか買いません。
それなのに夫のシャンプーは4千円、トリートメントに2万円。そして毎月の美容院代が13000円なんです。「俺が稼いだ金をどう使おうと俺の勝手だ」というのが夫の理論です。』
Hさんが「あなたのシャンプーなどの金額を減らして生活費に回してほしい」と意を決して夫にラインした時、「お前のことを殴りそうだ」という返信がありました。
「では帰ってこないでください」
「俺の家だ」
「では私が出ていきます」
「出ていくと金がかかるから出ていくな」
そんな意味のわからないラインのやり取りが夫と続いたと、ため息まじりにHさんは語ります。

 

夫からの「殴りそうだ」と言うラインを見て、Hさんはとても恐怖を感じたそうです。机を叩く、ドアをバタンと閉める、睨む、否定する、罵声を浴びせるなどのモラハラは日常に当たり前のようにありますが、まだ暴力だけはないので一緒に暮らしていくことができているそうです。
これだけでも十分ひどい精神的DVモラハラなのですが、実際の暴力はないので、夫を相手にしないことで心のダメージを受けないように自分が傷つかない方法をHさんなりに取得していました。

「殴りそうだ」とラインで言った後、妻が出ていくことを引き留めたのは、本当に出ていくことには恐怖感があるのでしょう。夫は日常的な生活では文句は言うけれど、妻がいないと生活ができないと依存していると思われます。

 

経済的DVを行う人は

1,自身の欲望を優先するタイプ

2,経済的な支配で相手を思い通りにするタイプ

の2パターンがあります。

自身の欲望を優先するタイプの場合、生活費にお金を入れると自分の好きなものが買えない、浪費やギャンブルのお金が必要なので渡したくない、とにかく自分の欲望を優先します。

支配関係を作ることが目的になっている場合は、妻を嫌いとか、妻が憎いわけではないので離婚が目的ではありません。妻に夫がいなければ生きていけないと思わせるために、経済的に支配するのです。

 

 

本記事はHさんが受けている経済的DVの実情についてお伝えしました。

▶つづきの【後編】では、なぜ夫の言いがかりや納得のいかない要望はエスカレートしてしまうのか?…について解説します__▶▶▶▶▶

 

 

 

 

≪モラハラカウンセラー 麻野祐香さんの他の記事をチェック!≫

 

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