「MARCH以上の大卒じゃない男性はダメ」学歴にこだわる35歳女性。結婚相手に求めるものとは
OTONA SALONE / 2024年7月4日 17時0分
25~44歳女性の就業率は上昇し続け、約8割が働く女性という現代。それに合わせて、女性の生涯未婚率も増加の一途を辿っています。 結婚をしたいけれど出会いがない、成婚に至らないということはなぜ起きるのか、働く女性は婚活にどのような悩みを抱えているのでしょうか。
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんのもとには、さまざまな悩みを抱える婚活女性が訪れます。
今回の働く女性の「婚活ストーリー」は、学歴にこだわる2人の女性を紹介します。
※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しております。
働く女性の婚活百景 #18 前編
「大卒」の条件にこだわる女性が出会った「高卒」の彼
地方銀行に勤めるT花さんは、20代後半から結婚を意識して、友人知人に「いい人がいたら紹介して」と声をかけていました。彼女の結婚相手への条件の筆頭は、「地元の国立大学を出ている人」。30歳を過ぎた頃、まさにその大学出身の男性を紹介されておつきあいをしましたが、1年足らずで失恋してしまいます。
彼のことをなかなか忘れられずに過ごしていた33歳のとき、「気が紛れるかもしれないよ」と、高校時代の友人たちが企画してくれたバーベキューに参加したT花さんは、一人の男性と出会います。同い年の彼は、明るくてノリがよくて、初対面の人とも会話を楽しめるタイプ。背が高くて愛嬌があり、好みの見た目にもひかれて、T花さんは気づけば彼とツーショットに。次は二人で会う約束をしたのでした。
初めてのデートでも話は尽きず、楽しくてあっという間に時間が過ぎていきます。次の約束をする頃には、T花さんは彼を好きになっていました。ところが、ふとした会話から彼が高卒だということを知り、T花さんは愕然とします。
私に相談をもちかけたとき、T花さんは「彼のことは好きだけど、彼とはもう会わないほうがいいのかもしれない」と思いつめていました。
「100歩譲って地元の国立でなくてもかまいません。せめて大卒ならよかったのに」というT花さんに、私は「なぜ学歴にこだわるのですか」とたずねました。
T花さんの答えは、次のようなものでした。「銀行では、学歴が出世にかかわりますし、出世しないとお給料が上がりません」「高卒の人と結婚するなんて、両親や親戚をがっかりさせてしまうかもしれない」「友達のパートナーも、みんな大卒の人ばかりだし…」
ちなみに、T花さん自身は地元の短大を卒業しています。「自分が持っていないものに憧れる気持ちがあるのかもしれません」と自己分析をしていました。
「大卒」にこだわっていた本当の理由
つまり、T花さんが懸念しているのは、彼の「収入と社会的地位」、それに「世間体」です。
彼は、大手企業に勤務していて、収入は安定しています。T花さんは結婚をしても仕事を続けるつもりだから、収入面の心配はありません。彼は仕事に対する姿勢も前向きで、人当たりがよく、明るい人柄とのことですから、会社での評価も高いでしょう。何より、T花さん自身が「また会いたい」と思える相手です。
「親戚や友達にどう思われるかという世間体を気にして、交際をあきらめるのはもったいないのではないでしょうか」そう伝えると、T花さんの表情は明るくなり「たしかにそうですよね!」と納得し、彼との交際を続けることにしました。
おつきあいをして半年ほどたった頃、T花さんは彼を両親に紹介しました。両親も彼に好印象を抱き、「将来は結婚を考えている」と話すと、とても喜んだそうです。
その後、二人は結婚をして、T花さんの実家の近くに建てた家で暮らしています。
やがて子どもが産まれて、T花さんは1年間の育児休業を取得して職場に復帰しました。今は両親の手を借りながら、夫婦で協力して子育てをしています。
夫は家庭ではよき父親であり、会社では責任のある仕事を任されているそうです。「あのとき、高卒だからという理由で、彼をあきらめなくて本当によかったです」とT花さんは話してくれました。
「MARCH以上」の条件の奥にある思いを掘り下げる
もう一人、学歴にこだわる婚活女性を紹介します。
M里さんは、化学メーカーに勤務する35歳。ゆるく婚活を続けていますが、「なかなかうまくいかない」と、私のところへ相談に来ました。
M里さんの「理想の人リスト」にもまた、最初に「大卒」という文字があります。しかも「MARCH以上」という条件付きです。
「なぜ出身大学にこだわるのですか」と、私はT花さんにしたのと同じ質問をしました。すると、M里さんは、次のような理由を話してくれました。「私自身が、努力をして大学を卒業しています。自分と同じか、それ以上の努力をしてきた人なら信頼できるからです」「大学での4年間は充実していたし、いい友人にも出会えました。同じような経験を持っている人となら、価値観が合うと思います」
しかし、同じ大学を卒業したとしても、価値観はさまざまです。大学を卒業して10年以上たって、いまだに「受験勉強をがんばった」とか「大学時代が楽しかった」とか、過去の栄光をひきずっていては、前に進めないのではないでしょうか。
もちろん、努力したことを誇りに思うのはいいことです。しかし、それは自分自身を支えるものであって、他人に同じことを求めたり、強要したりするものではないはずです。
▶つづきの【後編】では、M里さんの婚活の行方についてお伝えします。MARCH以上の大学卒の同じ価値観の男性はあらわれるのでしょうか。__▶▶▶▶▶
『アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーが教える
結局、理想を下げない女が選ばれる』
(伊藤友美 著 / フォレスト出版)
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