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「元カノとの不倫。罪悪感はあるけれど」セックスレスに悩み続け、欲望と家族への後ろめたさのハザマで決断したこと

OTONA SALONE / 2024年7月11日 21時0分

昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。

 

つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。

 

これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。

【無子社会を考える#14】前編

セックスレスに悩み続ける日常

「実はきっかけがないままセックスレスになったことが当時の悩みでした」

 

今回、このように語ってくれたのは佐々木さん(37歳/エンジニア)です。

佐々木さんが結婚したのは今から8年前のこと。家族は同い年の妻(公務員)と娘(6歳)の3人家族。今も家族の仲は良いといいますが、結婚5年目から奥様とのセックスレスに悩むようになったそうです。

 

「セックスをしていないと気づいたときには数ヶ月が経過していました」

これというキッカケがあったわけではなく、自覚した時にはセックスレスになっていたいう佐々木さん。なぜ奥様アプローチをしなかったのか、その理由をお伺いしました。

 

「妻が仕事で疲れているときにセックスのアプローチをするのは、逆に負担になるのではないかと思ったんです。そうしてる間に月日だけが流れてしまって、どうやって妻と夜の営みをしていたのか分からなくなったんです」

佐々木さんは仕事も家庭も順調で、妻とも仲が良好なままセックスレスに突入してしまったそうです。ある夜、夫婦で映画を自宅で見ているとき、映画のロマンチックなシーンを見ながら、佐々木さんは自分たちの関係をふと思い返していたそうです。

「こんなふうに触れ合うことが、もう何年もないことをようやく自覚して、とても動揺しました」

 

しかし、この時も佐々木さんは奥さまに触れたいという気持ちを口に出すことは出来なかったそうです。

「言い訳ですが、元々、口下手な方で感情表現が下手なタイプなんです。あと妻に拒絶されることが怖くて、結局、何も言えないまま孤独感とフラストレーションが日々増していきました」

 

佐々木さんは心苦しそうに胸の内を明かしてくれました。このようにセックスレスの原因は一つではありません。仕事のストレス、育児の疲れ、コミュニケーション不足などが重なり、セックスレスになるケースが多いのです。

 

また佐々木さんは妻との関係が冷え込んでいくのを感じながら、具体的な解決策を見つけられずにいました。次第に佐々木さんの心には、日々の小さなや孤独感が積み重なっていったのです。セックスレスは珍しい問題ではありませんが、それが原因で家庭内の不和や不倫へつながることが多いのです。話を聞いていくと、佐々木さんも例外ではありませんでした。

「実はこれまで誰にも話していなかったんですが、一時期、不倫をしていました。正直、今も罪悪感はありますが、それによって状況が変わるきっかけにもなったのも事実なんです」

 

 

再会した元カノとの関係

セックスレスで悩んでいたある日、久しぶりに参加した同窓会で佐々木さんは高校時代の元カノAさんと再会したそうです。彼女は昔と変わらない明るさで、すぐに二人は楽しい思い出が蘇り、佐々木さんの心に新たな感情が芽生えたといいます。

「Aさんと一緒にいると、昔の情熱が戻ってくるような気がしたんです。ちょうどセックスレスに悩んでいたこともあり、理性では止められませんでした」

 

その後、二人は連絡を取り合い、不倫関係になったそうです。Aさんとの再会がもたらした燃えるような感情は、佐々木さんにとって新鮮で刺激的でした。一緒に過ごす時間が増えるにつれて、自分の中に眠っていた情熱や喜びを再発見するようになったといいます。

「再会してすぐに昔のように打ち解けて、自然とお互いの近況を報告しました。Aさんは独身なこともあり、脈アリだと感じた部分も正直あります。あと、やっぱり見た目も性格も好きだなと改めて思いました。その後は流れのまま不倫関係になっていきました」

 

 

不倫関係の先に見えたものとは

Aさんとの不倫が続く中で次第に二人の関係は深まり、佐々木さんはAさんと一緒に過ごす時間が増えていったといいます。

「欲望のまま肉体関係を持ってしまいました。お互いが求め合うように情熱的で興奮する一方、日を追うごとに後ろめたい気持ちが大きくなっていきました。このままでいいのか?という問いが、心に常につきまとったんです」

 

そんなある日、佐々木さんは夜遅く自宅に帰ると、奥さまと娘さんが寝ている姿をじっと見つめながら、このままの現状ではいけないと感じたといいます。

「Aさんとの関係が深まるにつれ、僕自身の中で二つの感情が対立していることに気づきました。彼女との時間が新たな希望と喜びをくれる一方、家庭を裏切っているという罪悪感が心を重くしていました。自業自得なことはわかっているのですが、本当に大切なものを失うかもしれないと考えるようになったんです」

 

こうして佐々木さんが思い悩む日々の中で、Aさんから意外な言葉があったといいます。

「Aさんは僕のことが好きであるとはっきり伝えてくれました。その一方、Aさんは不倫関係を続けることで、本当に僕が幸せになれるのか心配してくれました。まずは奥さんとしっかり話をして、それでも奥さんと別れるなら私はちゃんと付き合いたい。だから、僕には態度をはっきりして欲しいと言ってくれました」

 

それを聞いて、佐々木さんはこう答えたと言います。

「ごめん、そしてありがとう。こうAさんに言いました。やっぱり家族が大事で、君を一番に考えることが出来ないと伝えたんです。それでもAさんは明るい表情で受け止めてくれて、最後の別れまで心遣いのできる方で本当に感謝しています。あと、このとき僕は本当に最低だと思いましたが、それでも前を向いて家族と向き合って行く気持ちにさせてくれた出来事でもあったのです」

 

 

セックスレスから仲がよかった夫婦関係もギクシャクしはじめ、不倫に走った佐々木さん。不倫相手が自分か家族かどちらかをとる選択を迫ったことで、どちらが大切なのかに気づくことができたそうです。

▶続きの【後編】では、不倫関係を解消した佐々木さんは、夫婦関係とセックスレス問題も改善することができるのでしょうか? 不倫を振り返って気づいたこととは?についてお送りします。__▶▶▶▶▶

 

 

≪家庭関係研究所 山下あつおみさんの他の記事をチェック!≫

 

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