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夏土用の頃は「暑くて暑くて寝苦しい」、その不眠を食べて解消する「意外すぎる食材」とは?【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】

OTONA SALONE / 2024年7月21日 10時30分

こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。

私は研究開発部に属し、さまざまな商品に携わってきました。中医学を学び、国際薬膳調理師の資格も獲得、新たな活動を続ける中、この秋には「田野岡メソッド」と題した薬膳茶の診断もお披露目予定です。

1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。TOP画像は、再春館製薬所ヒルトップから私たちが毎日眺めている、美しい夏の青い空です。

 

【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】7月編

夏のピーク!大暑目前、「ちょっとその前の時期」に不眠が多発する理由は

7月19日から夏土用に入ります。土用の丑の日は大暑の期間で“脾の機能”の話になるので、今回は引き続き小暑の“心の機能”のお話を。

 

暑い夏の季節は“心(しん)の機能”が活躍したくなる季節です。暑さで汗をかくことが多くなり、身体から透明の液体(=汗)が多く出て行ってしまうと、血液のポンプ機能に負担がかかって心がお疲れ気味になってしまいます。心は、脳をあらわす神(しん)とつながっていると中医学ではイメージします。心に負担がかかってしまうと、神にも影響が及んで安心して眠れなくなる…これも暑い時期に不眠が多くなる要因のひとつです。

 

暑い夏だけではありませんが、睡眠は身体の中の“心”と“腎”のやりとりが上手に行えるとぐっすり眠れる…とイメージしています。心は身体の中で“陽”の代名詞で太陽のようなイメージ、腎は“陰”の代名詞で湖のようなイメージをします。日中は太陽(心)が輝いているので覚醒していて、睡眠時には太陽(心)が湖(腎)に包まれるので眠れる…と。このイメージにおいて「眠りが浅くなってしまう」のは、太陽が盛大になって湖が包みきれなくなるか、太陽は普通ですが湖が干上がってしまって太陽を十分に包むことが出来なくなっているか…です。暑い夏は心(太陽)が活発に働きたくなる季節なので、このバランスを意識してみるのも、眠りが浅くなるなどの“不眠”へのアプローチになるでしょう。

 

この時期「食べるべきもの」は? 土用といえばウナギですが…

暑い夏は“心”の働きが活発になることで、脳をあらわす“神”も穏やかな状態でいられなくなります。眠る時に脳が活性化していると眠れなくなる…のは想像しやすいかと思います。中医学では神を安心させることを“安神(あんじん)”と呼んでいて、安神作用のある食材もあります。代表的なものに卵(鶏卵)があります。卵を食べると不思議と安心できる…こんなことを感じられた経験はありますでしょうか。

 

他に安神作用が期待できる食材には、最近日本でも目にすることが増えてきた龍眼(りゅうがん)という果物もあります。ライチのような見た目・食感ですが、ライチよりも栄養分が豊富とされていて、中国・台湾では「産後の栄養食材」として有名です。身近な食材では…いわし、牡蠣、なつめ、ジャスミン、ラベンダーなども良いです。夏の暑さのもとでお疲れぎみの心を養うには、紅茶もおススメです。

 

身体の中で“心と腎のやりとり”が上手に行える、つまり太陽と湖の関係が良好なバランスを保つことが出来るようにするためには、身体の中の気(き)と血(けつ)が十分にあることが大切になります。夏は汗をかきますが、汗とともに気も体外に出て行ってしまうので、補ってあげたいですね。気を補う食材として、いわし、なつめ、山芋、エリンギがおススメです(この時期のオススメ食材には、いわしとなつめがよく出てきますね)。

 

血を補う食材としては…いわし、なつめ、鶏卵、牡蠣、あしたばなどが挙がります。連れだってオイスターバー行くのは、夏の身体にとっても嬉しいことですね。いわしの甘露煮…何度か紹介させていただいてますが、心と腎のバランスのために食べてみてください。

 

紅茶、ジャスミン茶、ラベンダーティなどもいいです。ただ、“氷入り”のアイスティは…おススメしません。やはり身体(おなか)の中が冷えてしまいます。冷たい物を飲み過ぎると消化機能を担ってくれている“脾(ひ)”が弱ってしまいますので、お気を付けくださいね。

 

いわしが何度もおススメ食材として挙がりましたので、オイルサーディンは使えそうですね。山芋と鶏卵を乗せて食べると、夏の暑さの影響を受け始めている身体にとっては嬉しい組合せかもしれません。山芋と鶏卵を混ぜ合わせてふわふわ焼きにする…のも美味しそうです。

 

冷房とはどう付き合えばいいですか?

中医学はなんでも陽と陰に分けるので、暑さも“陽暑”と“陰暑”に分けたりします。陽暑は文字通り「熱の暑さ」。陰暑は夏の暑さの中の寒さのことで、「夏ならではの冷えで身体の具合が悪い」「冷たさを求めて身体の具合が悪くなる」のようなことを指します。中医学の歴史は長いのですが、昔の状況でも「暑さを我慢できずに家の外で上半身裸で寝ていたら身体が冷えてしまった」ということも症例に挙がっているそうです。

 

現代の日本だと、冷房やかき氷で身体を冷やす…ということが挙がるでしょうか。最近の日本の夏は熱帯かと思うような気温になりますので、冷房は適度に使用することをおすすめします。ただ、寝ている間にずっと風に当たっている状態だと、起きた時に“しびれ”になることもありますので、タイマー機能を活用するなどの調整をしていただけると身体も喜ぶと思います。

 

身体の熱を“冷ます”ではなく“鎮める”という中医学独特の考え方があります。貝殻の成分を摂りこむことがこの作用を身体に入れることとなりますので、あさり、しじみなどの貝のお味噌汁は最適です。子どもの疳の虫もお味噌汁で落ち着くくらい、鎮める働きが期待できます。

 

夏の疲れは秋に残さないように、心の負担を軽減して不眠を回避しましょう。体にエネルギーを蓄え、眠ることができるように工夫してください。

 

次回は大暑です。

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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