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「この少子化、意外なことから対策できるのかもしれない」小学校時代に大事なのは中受より習い事より

OTONA SALONE / 2024年7月10日 17時1分

(一社)日本性機能学会が25年ぶりに日本男性の性機能実態に関する調査を実施、その結果が学術誌The World Journal of MEN’s Healthに掲載されます。20歳から79歳の日本人男性6,228人に対して行われたオンライン調査では、勃起障害(ED)の有病者数は約1,400万人にのぼることが明らかになりました。98年の前回調査(1,130万人)から約270万人の増加です。

男性医学・健康分野に造詣の深い男性編集者、Aさん(49歳)、Bさん(52歳)が、調査数値を参照しながら「本音の感想」を語りました。

前編『日本はもう、どんどん貧乏になるしかないのか?「20代男性の4人に1人がED」の衝撃、その背景にある「ごもっともな原因」』に続く後編です。

【家族のかたちを考える#2】後編

 

ここから10年で少子化がもう一段加速するとしたら、親世代は何をすべきなのか?

――これ、どうしたらいいんですかね。20代はこれから10年が出産適齢期です。若い男性が生殖したくないということは、もう少子化は加速度的に進む、現在の最悪の予測よりもさらに進むということではないかと思うのですが。

A:もう、少子化が止められないどころか、より速度が上がることも止められないよね。

 

B:いくつかの調査を平均すると、女性は30歳までに結婚したい人がだいたい8割、まあ体感でもそんな感じだよね。一方の男性側は、リクルートブライダル総研2020年調査だと20代の46%がこれまで誰ともつきあったことがなく、43.8%は今後誰とも付き合う気がないんですよ。女性80人で残りの男性60人を取り合う、なんと約1.3倍。

 

A:え、若い人たちの間では、男性が選ぶ側になってるってこと?

 

B:そうそう。さらに言うと、かっこいいハイスペ男が総取りしているわけです。究極を言うと、このままだと遠い未来には一夫多妻を認めるかくらいの議論になりかねないとすら思う数字。ちょっと親世代は危機感を持ったほうがいい。

 

――私には小学生の娘がいるのですが、もし娘世代に何か対策を伝えるなら、勉強頑張るのもいいけどそれよりコミュ力上げたほうがいいよと?

B:ぼくは医学健康と並行して恋愛系の書籍も手掛けるので、30代の婚活女性から、「結婚する気のない男たちはどうしたら結婚してくれるんですか?」と質問を受けるんです。ぼくの答えはたったひとつ、「圧倒的な体力を持つこと」です。「あなたが一人で生きていけなくなっても私が私が支えますよ、70歳80歳でも私はこんなに元気です」という体力(笑)。

 

A:うそ~、どうなのそれ。でも、ちょっと頼もしくていいかも。

 

B:親の遺産がありますよ、でもいいけど、そんな人ほぼいないでしょ(笑)。いまどきは男も最初から女性に収入面で対等であることを求めます。でも、自立しているもの同士ならなにも結婚しなくても、付き合ってるだけでいい。結婚する理由がない時代なんです。

 

A:確かに。しかもいまは教育費がさんざんかかるとか、育児が大変とか、事前情報は悲観的な脅しばかりだから、とてもじゃないが家庭を持って子を育てることが幸福なようには思えない。

 

B:でしょ。そう考えるともう、健康は当たり前、さらに体力があるってことだと思うんですよね。共働きで仕事が終わって帰ってきても家事ができる、休みの日も家でごろごろしないで家族で遊びに行ける。そういう元気さがあれば、たとえばメンヘラにはならないじゃない(笑)。いまの若い子、メンヘラをひどく嫌うから。

 

ストレスのない社会を作り出し、親世代が健康に過ごすことが少子化対策にいちばん大事ではないか

A:つまり、ストレスがある社会はダメってことですね。メンタルを崩してしまうような社会の状態はダメと。

 

B:もう一つ、学校教育は体育を減らしてる場合じゃないんだよね。小中学校で必要なのは体力をつけること、運動嫌いな子どもを作り出さないようにカリキュラムを変えることだとぼくは思います。運動大好きならメンヘラにならない(笑)。そもそも人間は動物なんだから、体を動かすのが嫌いなんて子どもは生まれ得ない。障害はまた別として、運動嫌いは親と教師が作り出してるんだって。

 

A:ああ、それは増加するいっぽうの不登校問題へのアプローチにもなるよね。いろいろな理由があるとはいえ、根本的には学校がつまらない、つらいから登校しなくなるわけだけれど、少なくとも運動を嫌いになっていなければ、何かしら遊びのために学校へくる可能性が残される。

 

B:あと給食がおいしいことも大事だよね。友達と遊べて給食が楽しみなら足が向くかもしれない。もちろん不登校の理由は人それぞれだからこんなことで解決するとは思ってないけど、でも体を動かすのが嫌いで、学校には楽しい遊びもなく、さらに給食もまずかったら、学校なんて行く理由がない。子どものときに仲間ができて楽しいというリアルの経験がない人が、その後コミュ力にあふれて異性への関心もたくさん持つ大人にはきっとならない。だから、これらは連続した少子化対策なんだとぼくは真剣に思っています。

 

――考えてもみなかった方向に話が広がりましたが、個人的には納得のいく話でした。これから私たち親の世代は何をすればいいと思いますか?

A:ひとまず、私たちの世代が不幸そうなのはよくないですよね。楽しそうであることは大事。

 

B:うん、ぼくたち親世代が元気でいることは子どもたちにとってハッピーなことだから、「長生きも悪くないな」って思ってもらえるように健康を維持しないとならない。親が元気なことは当然ながら重要だから、40代50代60代の男性女性、どっちも元気でいたい。そのためにはお互いの助け合いも必要だと思います。

 

――最後になりましたが、本調査の2つ目の主眼「早漏」を最後に。「早漏で悩んでいますか」という質問に対して「はい」が23.4%。年代別では20~39歳が30%前後と高く、それ以降は減っていきます。国際性機能学会( ISSM )のガイドラインでの早漏の定義は「挿入前、挿入後1分以内に射精してしまう」とされており、早漏は「射精障害」に分類される疾患の1つとなっています。

A:前述の取材記事では、先生が「ネットで動画を見ているからではないかと思うのです。男優さんは30分くらい続けますよね、あれが普通だと思っている人が圧倒的に多い」と指摘なさっていましたね。

 

B:先生のご意見に賛成です。加えて、みんな最初は似たようなもので、ある程度経験すると自分でコントロールできるようになって悩むほどじゃないってことがわかるから、徐々に減っていくんじゃないかなと。20代はそういうことで悩めてたなと懐かしく思い出しました。ぼくたちもできる範囲で健康を維持しましょう。

つづき>>>日本はもう、どんどん貧乏になるしかないのか?「20代男性の4人に1人がED」の衝撃、その背景にある「ごもっともな原因」

 

【編集部より】40代50代に見られる「ストレス因ではない」EDは、単なる老化や性機能の低下ではなく「血管の疾患」であり、動脈硬化の初期症状(器質性ED)であると考えられています。治療により進行を止め、また回復できるケースがあります。「年だから」と軽視せず、必ず医療機関を受診し、治療につながってください。また、女性の皆様、ご家族の不調に気づいた場合、どうか心に寄り添いながら受診を促してください。

 

掲載ジャーナル:The World Journal of Men’s Health(https://wjmh.org/)

タイトル:Erectile function and sexual activity are declining in the younger generation: Results from a national survey in Japan

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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