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「暴言や人格否定よりもつらかったのは…」モラハラで、うつ病を悪化させたのは夫からの【性的DV】

OTONA SALONE / 2024年7月16日 18時31分

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。自分を大切にしてくれ、本当に優しい人だから結婚をしても幸せになれると信じていたのに、結婚した途端に優しい姿が全て嘘だったとわかり苦しんでいる女性がたくさんいます。

モラハラだとわかっていても、経済的理由や子どもの養育の問題、夫のモラハラが治り優しくなってくれるかもしれないという期待から離婚を決断できない方が多くいます。離婚を決意しても、実際に離婚の手続きを進めようとすると夫から拒否をされ調停や裁判にまで発展し、次第に心を病んでいってしまいます。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。

夫のモラハラでついには心を病み、重度のうつ病で入院したMさんのお話の【後編】です。

 

◀この記事の【前編】を読む◀ 『「結婚する前と後では、まるで別人!」優しかった彼→モラハラ夫に変貌する「6つの心理」とは』 __◀◀◀◀◀

 

主治医に対し、自分の言うことを聞かないから「治療」してほしいといいだす

「夫と一緒に心療内科の主治医のところに行きました。私の状態を見て主治医は、「こんな状態になるなんて一体何があったのですか」と夫に質問をしました。しかし夫は主治医に向かってこう言いました。

『Mはおかしいんですよ。俺はMが幸せになれるようにアドバイスをしているだけなんですよ。それなのに何にも言うことを聞かずにすぐに具合が悪いと言い訳しかしないんです。この怠け癖と俺に逆らう癖をなんとか治せませんか?』

その瞬間、私は言葉を失いました。夫は結婚前、うつ病の私を理解して主治医の前で守ると言ってくれたのに……。私は身体中の力が全部抜けてしまいました。しかし、主治医は私の味方をしてくれました。

『ご主人、そんなことはできません。奥さんは苦しんでいるのです。』

夫は『このヤブ医者はどうしようもない』と怒りだし、私を引き摺り出すように連れて帰りました。」

 

モラハラの人は自分の言ったこと、思ったことが正しいと信じ、自分が悪いと思わずに相手が悪いと思い込みます。

その理由は、物事を客観的に見ることができず、自分に都合の良いように考える、考え方が歪んでいるためです。その結果、相手が悪いと信じることで、自分の行動を正当化しようとします。

相手が悪いと信じることで、自分の行動に対する罪悪感を軽減し、自分は正しいという思い込みを保つことができます。自分の行動や態度が問題であると認めず、相手が悪いと信じることで自己防衛をしているのです。これにより、自分を守り、攻撃的な態度を正当化します。

また、相手が問題だということで、自分の内面や自分の問題点を自己認識する必要がなくなります。つまり、自分に責任を感じたくないのです。

 

 

夫婦間でも無理に性交渉を要求するのは「性的DV」という犯罪

「本当に辛かったのは、なんの気力もなく寝込んでいる状態の私に、夫は夜の生活を強要してくる事です。

『家のこともできない、主婦として何もできないのに養ってやっているんだからそれくらい俺にしても当然だ』

彼の言葉は冷たく、無慈悲で、私の苦しみをまるで理解していません。私の心は叫びたくても、声にならない叫びが胸の中にこだましているだけです。精一杯の力で拒否をしても体力のない私の抵抗なんて簡単に振り解くことができてしまいます。私はただ時間が過ぎていくことだけを願い、天井を見つめて歯を食いしばっているだけです。抵抗する力もなく、ただ涙だけがこぼれ落ちる、彼の冷酷な要求に応じるたびに、生きていくのが辛すぎる、消えてしまいたいと思い、うつ病がさらに悪化していきました』

夫婦間であっても、了解なしに行われる性行為は「性的DV」と言われます。これは、相手の同意や気持ちを無視して無理やり行うことであり、心身に大きなダメージを与えます。夫婦といえども、自分の気持ちや体調を無視されたり、強制されたりすることは決して許されるべきではありません。

夫婦間の性交であっても、刑法第177条の強制性交等罪に当たる場合があります。夫婦だからといって、暴行・脅迫を用いた性交は許されないのです。配偶者や交際相手からの性行為の求めに応じることを「妻や女性としての義務」のように感じている女性が少なくありません。以下に該当するものは性的DVです。

  • 性交渉を拒否している配偶者に対して、無理やり強要する
  • 性交渉の時、配偶者が頼んでいるのに避妊をしない
  • 性交渉の時、配偶者に対して自分の性的嗜好を無理やり押し付ける
  • ポルノ映像などを観るように強要する

 

Mさんの症状が悪化し、焦点も合わなくなってきたことに恐怖を感じた夫はMさんとの別居を提案しました。

Mさんは夫の提案を受け入れ、現在は別居して生活をしています。驚くことに、別居期間中の婚姻費用は、期日通り夫から振込をされています。Mさんの夫は自分が原因でMさんが自殺をされたら自分の責任になることが唯一怖いようです。

お金は振り込むから絶対に自傷行為はしないという約束になっているそうです。Mさんはまだうつ病から完全に寛解はしていませんが、別居ができたことで少しづつ笑顔が戻り、離婚できる日までに自分の生活基盤を築こうと資格取得に励んでいます。

Mさんのようにギリギリまで我慢せずに、自分の精神状態がおかしいと感じた時に周りに助けを求める勇気を持ってください。

助けを求めることであなたも自分の人生を取り戻し、再び笑顔になれる日が来ることを信じてください。

 

 

≪モラハラカウンセラー 麻野祐香さんの他の記事をチェック!≫

 

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