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いよいよ「夏の土用」です。この時期に食べると「いいこと」があるものって何?【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】

OTONA SALONE / 2024年7月29日 15時30分

こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。

私は研究開発部に属し、さまざまな商品に携わってきました。その過程で、たとえば漢方原料が土地土地で少しずつ性質を変えること、四季のうちでも変わることを知り、やがて人間の心身そのものが気候風土に大きく影響を受けていることに深い興味を持つようになりました。中医学を学び、国際薬膳調理師の資格も獲得、いまもまた新たな活動を続けています。

1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。

 

【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】8月編上

いよいよ、夏の土用に入ります。そして大暑(たいしょ)は夏の真っ盛り!

7月19日から夏土用に入りました。土用とは「次の季節への準備」の期間で、春夏秋冬に季節が移る直前の約18日間がその期間にあたります。

 

夏の土用とは、「夏が終わって秋に入るので、その準備をしましょうね」という意味合いの期間です。“大暑”は暑さのピーク、夏の最終ラウンド。太陽の強い陽射しが照り付けて、陽炎がゆらゆらするような時期です。

 

人間は自然界の一部なので、人間を取り巻いている“自然”も本来は心地よいものです。身体に心地よさをもたらしてくれる風(かぜ)、身体をほどよく温めてくれる熱(ねつ)、乾燥が気になるぐらい乾いている時に身体を潤してくれる湿(しつ)など…です。

 

ただ、外気も程度が過ぎてしまうと身体にとって負担となる良くないものになってしまいます。外気が強すぎて身体に少し悪い影響を及ぼしてしまう…それを中医学では“外邪(がいじゃ)”と呼んでいます。

 

大暑は暑さのピークで、外気の「熱」も勢いがピークになる頃です。暑い季節の熱風という外邪を逆手にとり、それを心地よいものに活用したのが納涼文化のひとつである“風鈴”ですね。昔からこの時期は熱いので、自然界にある力を身体の納涼に活用できるように…風鈴で耳から涼感を得たり、水辺の風にあたって涼をとったり。自然とともに生きている自分たちをより心地よくする工夫の結実、これは立派な養生ですね。

 

夏土用のころに、身体にはどんなことが起きている?

さて、7月19日からの夏土用は夏が終わり、秋への変化の時期。夏の身体のままだと、秋になったときに不調が起きます。いまここでシフトチェンジしましょうという頃合いです。

 

暑い夏は“炎熱”の性質の“心(しん)”の機能が活発に働きたくなる季節でした。心は、中医学で脳をあらわす“神(しん)”とも関りが強いので、心が疲れてしまうと神にも影響が生じます。神への影響は…眠れないという形で身体がご本人様(=自分)にメッセージを送ってきます。また、土用は“変化”の季節とお伝えしております。“変化”を好む性質は“脾(ひ)”の機能。食べた物を消化する働きを担っています。「次の季節のために頑張って消化して栄養を摂り込むよ!」と意気込んでいるのですが、脾の機能はベタッとした湿度を嫌います。暑くて水分ばかり摂っていると、脾の湿度は…かなり高いのではないでしょうか。それと、脾の機能を含めて五臓は熱エネルギーで動いています。かき氷・冷水・キンキンに冷えたビール…脾がなかなか働きにくい条件がそろいがちですね。

 

「季節の変化に合わせて身体を整える約18日間」と定義されている土用期間、この「脾の機能」をいたわることに気遣ってみませんか。

夏土用、いま食べるべき「旬のもの」って?

夏から秋への変化の期間、夏土用。夏の影響を受けているだろう“心・神”と“脾”の機能への意識を高めてみましょう。

 

まずは「何かと忙しかった“心”の機能」。神を安心させる効果を安神(あんじん)と言いますが、神(=脳)を落ち着かせて、体力回復の眠りをしっかりとれるようにしましょう。

 

食材でオススメなのは、玄米、ナツメ、いわし、牡蠣、ホタテ、卵、ジャスミンを挙げたいと思います。

 

次に、「変化の季節に働きたくなる性質の“脾”の機能」。暑い外気温や冷たい飲み物の影響で、脾・胃の消化機能が活動しにくくなっていると思われるので、消化機能を健全にして食欲不振を解消しましょう。

 

食材でおススメなのは、じゃがいも、豆腐、とうもろこし、ナツメ、バジル、ゆず、貝柱、ホタテ、ジャスミン、ねぎ、豆板醤を挙げます。

 

今週おすすめしたいのは、とうもろこしとネギの豆板醤炒めです。とうもろこしの甘みと、ねぎの甘み、そしてちょっとの豆板醤が甘みを引き立て、コクと滋味の深い豚肉でパワーを得ます。ご飯が進みます。

 

とうもろこしとねぎは上記の通り、脾と胃の働きを健全にするとっても相性のよい組み合わせ。夏バテでおなかがもたれて食欲があまり出ない時など、豆板醤のちょっとした辛味ととうもろこしとねぎの甘みは嬉しく感じます。もたれていたはずのおなかなのに…食が進む。不思議ですよね。

 

とうもろこしは缶詰でも良いですが、今の時期はもぎたて皮つきが旬の食材としてお買い得商品になっていると思います。皮付きのまま蒸すorレンチンをした後、5cm幅でカットして、それぞれを2つ割りor 4つ割りしてください。芯をつけたまま炒めると、芯からの出汁も活かすことができるので美味しさが増します。食べる時は芯を残して前歯で削ぎながら食べてくださいね。

 

豚肉のかわりに牡蠣、卵、ホタテを入れても良いです。ねぎには種類がいくつかあるようですが…お近くのスーパーで手に入りやすいもので大丈夫です。ねぎには身体表面での発散作用もあります。残暑のベタッとした空気が肌にまとわりつくのが気になる時にはおススメの食材です。

 

さて、土用というと、土用の丑の日の「うなぎ」が頭に浮かびますが、うなぎは身体に摂り込むとパワーの源になりますが、身体に摂り込むにも少しパワーが必要な食材です。脾の機能が少しバテ気味だと上手く消化できないことも懸念されますので、脾の働きを整えてから「うなぎ」にチャレンジいただけると良いかと思います。

 

季節が少しずつ移っています

そういえば、ご覧ください、前回ご紹介した青いナツメに、こんなにきれいに色がつきました。(前回はこちら)

再春館ヒルトップへの通勤途中の畑に、サトイモの葉を見かけるようになりました。

 

サトイモは身体の中で「消化機能を助ける」「固まったモノを解きほぐす」という働きの性質があります。夏の暑さの影響を受けてしまった消化機能に働きかけて、身体のどこかで詰まってしまった固まりを解きほぐす。そんなサトイモが、葉っぱを大きく広げて秋の収穫の準備をせっせと行っている…毎年畑で見かける度に「そろそろ秋が近づいているのだな…」と感じたりします。

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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