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東大生は「 賢いと思われなくていい」。上位5%の天才を目の当たりにして、秀才たちが気づくこと

OTONA SALONE / 2024年8月16日 11時0分

35歳から受験勉強を始め、38歳で東京大学に入学しました。

取材でよく聞かれるのは、勉強を続けるのは大変ではなかったか、仕事と両立するのは難しくなかったか、そしてなぜ東大を受験したのか。

大変だったし、難しかった。きっと聞く前から予想していたと思います。

しかし、なぜ受験したのかはその個人の背景や思考に依拠するので予想が難しい。だからこそ興味深い。ぼくだって、ぼく以外のおじさんをキャンパス内で見かけたら「どうして受験したのかな」と気になります。

 

学歴コンプレックスと東大再受験

おじさんたちは元々賢い人が多く、医者だったり、慶應卒だったり、東大卒だったりします。そして、お姉さんはまだ見たことがないし、聞いたこともない。

男性の方が再受験をする傾向にあります。

SNSなどで再受験の理由を探ると、現役時代に東京大学に落ちて慶應大学に行き、東大合格を諦めきれず受験を決めた人がいました。

そういう人のSNSには、同じような考えを持つ人が集まっていて、一定数そういう人がいることが伺えます。いわゆる“学歴コンプレックス“を拭うために東大を目指したのです。

「慶應なら十分じゃないか」と思いましたが、本人にとってはそうではなかったらしい。そういうコンプレックスを持つ人は大勢いるのかもしれません。

しかし、実際に受験勉強をする人は多くない。

再受験で男女比があるのはそういうコンプレックスの程度に差があるからかもしれません(なお、英語以外の言語で東大を受験すると小さい部屋に25人程度が集められる。この部屋には毎年おじさんが5人くらいいたが、おねえさんは見たことがない)。

 

ぼくが受験を決めた理由は、友達が欲しいとか勉強したいとか自分の実力が知りたいとか賢い人が好きだとか、まあいろいろあって、そういう理由の統合が自分の原動力となりました。

しんどいことを続けるときに、理由が少ないと継続しづらい。その理由が途中で霧散したら、やめようかなと安易に考えてしまいます。だから、理由はたくさんあった方がいい。

 

 

賢いと思われたい人は東大にはいない

東大生がどれくらい賢いか聞かれると、具体的な数値で答えることはできないけれど、「みんな賢い。ハズレの人がいない。上位5%くらい特別に賢い人がいて、あとはみんな団子状態。議論したいテーマがあるとき、誰に意見を聞いてもそれなりの回答が得られる。それが素敵」と答えています。

みんな前提知識が大人を凌駕するくらい十分にあって、判断が早くて、論理的に思考できるから、議論に向いています。

泳げない水泳選手がいないように、バットが振れない野球選手がいないように、そういうことができない東大生はいません。HBの鉛筆をベキッとへし折って当然のように、できて当たり前のことなのです。

 

みんな賢いけれど、東大に入るとそれぞれの賢さがあることに気づきます。

数学がとてつもなくできるとか、3ヶ国語がネイティブレベルで話せるとか、国際問題や政治について造詣が深いとか、賢さをひとつの物差しでが測れません。

さらに、上位5%くらいの天才的な賢さを発揮する学生の存在によって、自分が“普通”であることに気づきます。賢さなんてものは相対的な概念なので、所属する集団の中で自分の位置が中間であれば自分を「賢い」と思いません。

賢く思われようと無理をする人もいません。そんなことをしなくとも、目の前の人を尊重し、東大生としてその賢さを認めているし、相手もきっとそうであると考えています。それにどんなに努力しても、上位5%くらいの天才に並ぶことができません。

一方で、東大の外に目を向けると、どんな手段を使ってでも賢いと思われたい人がいます。

 

 

この記事の【後編】を読む▶ どんな手段を使っても「賢い」と思われたい人は存在する。なぜそういう心理になるのか? __▶▶▶▶▶

 

 

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