「うんちは何日前に食べたものでできてる?」更年期世代が知っておくべき腸活の基本。「食物繊維をとればいいだけじゃない」いいうんちを出すために今すぐやるべきこと
OTONA SALONE / 2024年10月21日 11時46分
美容や健康に腸活がおすすめなのは、広く知られるようになりました。腸内環境が整えば、心と体の健康維持に貢献します。
オトナサローネでも、「イライラする」「風邪をひきやすくなった」「肌がくすみ過ぎ」といった読者のお悩みを解決するために、「腸活」を優先ワードとして、取材を続けています。一般社団法人日本美腸協会の主催したトークイベント『腸の力がアップする美腸食革命』でも、腸内環境を整えることの重要性を再認識しました。
そこで、お話を伺ったのが、一般社団法人日本美腸協会常務理事の山村康子さん。「うんちの状態で腸内環境が分かります。自分のうんちを観察してみませんか」という山村さんに、詳しく解説していただきました。
うんちは80%が水分、20%が食べカスなどでできている
口から入った食べ物は、食道、胃、小腸、大腸を通って肛門へと流れます。小腸で栄養が消化・吸収され、体に不必要なものは大腸へ。大腸でも吸収されなかったものが残りカスとして直腸にたまります。これが、「うんち」です。
うんちの内容は80%が水分で、残りの20%が固形物です。20%の内訳は、「食べカス」「腸内細菌」「はがれた腸粘膜」で、3分の1ずつを占めています。
うんちは臓器や腸内細菌の影響を受け、さまざまな条件により状態を変化させて体外へ出てきます。つまり、単なる排泄物ではなく、健康状態を教えてくれる貴重な情報源。毎日排便がある人なら、毎日健康チェックのチャンスが巡ってくるということです。トイレではすぐに流さず、いったん観察する習慣をつけてみませんか。
「じ~っ」と観察してみて。「理想のうんち」5つのポイント
うんちを確認するポイントは、形、色、におい、量の4つです。おおよその目安を説明します。
形……「バナナ型」
ひび割れがなく、バナナの形で切れ目なく出るのが理想。直径2~3㎝の太さがベストです。細いうんちは、食べ物が十分に摂取されていない可能性が。
色……「薄い茶色」
腸を通過する時間が長いほど濃い茶色に、短いほど薄い黄色に近づきます。水っぽいうんちも黄色になります。
におい……「きつくない」
腸内細菌のバランスに影響されます。善玉菌が多いとにおいが少なく、うんちが浮きます。悪玉菌が増えて腸内環境が悪化すると、においがきつくなりがちに。ただし赤ちゃんはビフィズス菌が多いので、甘酸っぱいにおいがします
量……1回150~200g(バナナ1本分)
量が少なく、残便感やおなかに張りがあると便秘の可能性も。頻度は1日1~3回が理想です。腸が健康なら、1日3回出ることも珍しくありません。
硬さ……適度にやわらかい(水分80%)
トイレに座って1分以内にすんなり出ていれば合格!
うんちの状態だけでなく、出す感覚にも気を配ってください。大切なのは、スッキリ感。きちんと「うんちがしたい」という便意があって、トイレに座ってから1分以内に、いきまずすんなり出ることが理想です。
また、うんちを出すタイミングは逃さないことも大事です。便意を逃がすことが重なると鈍って、便秘がちになるので注意してくださいね。
今日のうんちは、2日前に食べたもの
うんちは、2日前に食べたものが出てくるサイクルです。うんちを観察して、「2日前に何を食べたかな」と考え、今日食べるものを決めるのも良いでしょう。
下痢っぽくなったりゆるくなったりするのは、おなかが冷えている可能性があります。温かいものを食べるほか、水分も常温だと吸収が良いですよ。
お子さんがいる方は、お子さんのうんちも観察しましょう。便器についてベタつきがちであれば、腸内環境を整えることを考えて。食物繊維が不足していないか検討することをおすすめします。
「良いうんちを出したい!」どうすればいい?
状態の良いうんちを出すには、「とにかく食物繊維を食べれば良いのは?」と思われがちです。正確には、次の5つのステップを踏むことをおすすめします。
1.添加物の多い食品や過剰な薬など、腸内環境が悪くなるものを入れない
2.水分をたっぷりとる
3.ヨーグルトなど、乳酸菌などの善玉菌が入った発酵食品をとる
4.野菜や発酵食品、食物繊維をたっぷりとり、善玉菌を育てる
5.腸の周りの筋肉を鍛えて腸の動きを良くする
腸内環境を整える食べ方はこちらもチェック!
▶▶「オートミールの仕掛け人」が提言!腸に効く「最新の痩せる食べ方」を教えます。「野菜不足の日に間食で食べるべきものは」【大妻女子大学教授に聞いた】
腸内環境を整えるといいこと尽くし!「6つのいいこと」おさらい
良いうんちが出ることは、腸内環境が整っているサインです。更年期世代の皆さんは、「疲れやすくなった」「肌の老化が激しい」「イライラする」といった、不調を感じることが多いかもしれません。あきらめる前に腸を変えれば、次の6つのいいことが待っていますよ!
・代謝がアップして、無理なくやせる
・皮膚に栄養が運ばれ、ツヤツヤ美肌に
・免疫細胞の働きがアップして免疫力が高まる
・幸せホルモン「セロトニン」は腸で作られるので、ストレスが軽減する
・腸と自律神経はつながっているので、自律神経が整い体が元気に
・腸の蠕動運動が正しくなり、便秘や下痢が解消される
今日から始めよう!うんち観察
「うんちを観察することから始める腸活」、いかがでしたか?
うんちは、自分の食べたものが映し出される鏡です。観察することで腸内環境がある程度把握でき、体調不良の原因が分かることもあります。早いうちに腸内環境を整える対策を立てれば、改善につながるでしょう。うんちを嫌わないで、ぜひ美腸+美便を目指してくださいね。
【取材協力】一般社団法人 日本美腸協会常務理事 山村康子さん
「一家に一人腸の専門家を育てる」ために、「食事・運動・腸もみ」を軸にした、誰にでも再現性があり、変化を実感できる腸活方法を伝えている。これまで手がけた腸活セミナーには、のべ8,000人以上が受講。メディア出演や、健康経営を行う企業から市民講座まで幅広く講演を行う。「美腸食リスト」を使ったシニア向けセカンドライフ講座や、家庭から腸を変えるためのきっかけづくりを全国各地で普及中。
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