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【インタビュー】「人生のおり方」を考えたら、お金のかからない「リスキリング」だった。FP・サバンナ八木さん(後編)

OTONA SALONE / 2024年8月28日 12時12分

お笑いコンビ サバンナの八木真澄さんが、2023年に「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」と「アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)」の資格を取得、24年には「1級FP(ファイナンシャルプランナー)技能検定学科試験」に合格されました。最近では、書籍『年収300万円で心の大富豪』(KADOKAWA刊)を出版するなど、お金のプロフェッショナルとして話題です。八木さんは、FPになってあらためて「自分の人生のおり方」を考えるようになったそうです。自分らしく人生をおりていくための考え方について語っていただきました。

 

<<【前編】ほとんどのことは「見栄」、「何を大事にするか」で幸せに。

 

 

「毎日が休日」を経験したとき、定年後の自分を考えた

 

――8月4日に50歳のお誕生日を迎えられました。50代のライフプランはどのように考えていますか?

 

人生、もう折り返しなので、50代はストレスを溜めず、やりたいことは我慢しないでやります。

 

会社員だと、早ければ55歳で退職して、退職金もらって、以前の収入の7割程度で再雇用されて60歳まで勤めて、という感じになりますよね。その後は年金生活になって。仕事をしなくなって、最初は旅行に行ったりして楽しいかもしれないけど、そのまま死ぬまで休日になります。

 

僕ね、この「毎日が休日」をすでに経験しているんです。仕事が月に2回しかない時期があったから。これが何年も続くかもしれないと思ったとき、どんな生活をするのか想像しました。まず、仕事をほぼしていないから、仕事関係の人はいない。つまり、仮に仕事の現場でえらい人だったとしても、離れてしまえば肩書のない、普通の人になるんです。それなのに、いつまでもえらそうにしていたら、人はますます離れていきます。

 

だから、毎日が休日になる前に「人生のおり方」を考えて、それまでの自分から離れ、次の人生にスライドしないといけません。毎朝ランニングするとか、近所のレンタル畑を借りて野菜を作るとかの生活でもいいと思います。

 

男性の体力のピークは、たぶん30歳くらいやと思うんです。金銭的なピークは40歳~45歳くらい。 45歳超えても収入が上がり続ける人はそう多くない。ピークを見極めて、その後も維持し続ける計画、生き方が大切やと思うんです。

 

 

40代・50代の男性をもっといたわってほしい

 

――自分の金銭的なピークが何歳かなんて、じっくり考えたことがないです。

 

普通はあまり考えないですよね。一般的には、20代でがむしゃらに働いて、30代で働いたぶんの対価が入るようになります。ちょっといいお店に行ったり、上質な日用品を買ったりできるようになって。

 

40代になると、仕事や収入、体力などが上がりきって、そして止まります。だから、しんどくなる。高いポジションにいるのに、得るものは 一定になる。というか、減ります。仮に30歳で子どもができたら、40代後半で子どもが高校生になって、学費がまともにかかってきます。扶養控除も、16~18歳は38万円なのに、19歳になると扶養控除が63万円に上がるということはそういうことではないでしょうか(扶養控除が増える方が税金は少なくなるため)。ということは、30歳で子どもができた人は、49歳が1番お金のかかる歳。そして、仕事のポジションもしんどい。そのストレスはむちゃくちゃかかると思います。

 

――芸人の世界も似ていますか?

 

似ていますね。いまテレビにたくさん出ている中心メンバーは、30代後半ぐらいです。彼らは生き生きしていて、すごく楽しく見える。僕ら40代後半の世代はもう、彼らより上の世代になってしまっていて、芸人としてのポジションが難しいです。でも、家庭のためにもっともお金がいる時期。だからね、世間はもっと40代・50代の男性をいたわってほしいです。で、30代は、いまのうちに輝きまくっとけと。

 

 

受験勉強してジム行って、また勉強して。整う感じと解放感がたまらない!

『年収300万円で心の大富豪』(KADOKAWA刊)より

 

――ファイナンシャルプランナーになられたのも、50代以降の生き方を考えた結果ですか?

 

そうですね。もともと、お金の仕組みや資産形成を考えることが好きだったんで、なにかセカンドキャリアがほしいと思ったときに浮かんだのが、FP(ファイナンシャルプランナー)でした。

 

――仕事をしながらの受験勉強、大変そうです。現在も、9月に実施されるFP1級の実技試験に向けて、勉強していらっしゃいますよね?

 

資格を取るのは大変ですが、学ぶことで、生活が整う充実感があるんです。仕事がない日は、朝起きたら最初に勉強をしています。その後、ジムへ行って、帰ったらまた勉強。この生活をすると、1日がすごく整うんです。 勉強とトレーニングをしっかりすると、ごはんがおいしいし、よく眠れます。これって、中学・高校時代の生活と似てませんか? テスト終わった時の解放感みたいな。テストが終わったら好きなテレビが見られるとか、部活で頑張った帰りにカップラーメン買って食べたりとかって楽しいじゃないですか。あれに似ているんです。

だから、あえて自分自身にトレーニングや勉強の圧をかけて、解放させるのにハマっています。サウナの後に水風呂で整って、ビールを飲む至福の時間みたいな感覚です。もちろん、学ぶこと自体も好きですけど、いちばんは勉強から解放されたときの幸せを感じる瞬間が好きです。

 

 

 

>>40代・50代女性にいちばん伝えたいこと。

――最後に、40代・50代女性にもっとも読んでほしい項目を教えてください。

『年収300万円で心の大富豪』(KADOKAWA刊)より

「びっくりするぐらい自分で自分をほめる」ですね。女性は、家事や育児をほぼ一人でやっている人が現代でも多い。なのに、仕事としての対価を得にくいですよね。料理して掃除して洗濯して、子どもが危険な目に合わんか四六時中、目を配らせているのに。だから、「自分、めちゃくちゃ頑張ったやん」とほめてください

 

まじめな人ほど、なぜかダメなとこに目がいくでしょ。肌が荒れたとか、少し太ったとか、ママ友は動画で稼いでいるのに自分は稼ぎがないとか。人と比べて自分を卑下しないで、「私はすごい」と胸を張ってほしい。たまに昔の写真を見て、自分が主役のヒストリーを振り返って「ようここまできた」とたたえてほしい。ぴったりのBGM付きでね。

 

 

 

 

 

 

なにが幸せか、自分で選択できるか。40代・50代は精神的な「人生のおり方」の練習、将来のための準備をする期間。サバンナ八木真澄が「お金と幸せ」の真理を説く、読みやすいビジネス書。

■『年収300万円で心の大富豪』(KADOKAWA刊)

■サバンナ 八木真澄(やぎ ますみ)

1974年生まれ。京都府出身。立命館大学産業社会学部卒業。94年に学生時代の後輩・高橋茂雄とお笑いコンビ・サバンナを結成。「ブラジルの人聞こえますか~!」など1000個以上のギャグを持ち、柔道2段、極真カラテ初段の筋肉芸人としても活動するなど、テレビや営業で活躍中。2012年に結婚し、2児の父となる。長年日記やイラストなどを書き留めており、著書に『まだ見ぬ君へ』(幻冬舎よしもと文庫)、『未確認生物図鑑』(ヨシモトブックス)などがある。23年には、2級ファイナンシャル・プランニング技能士とアフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)の資格も取得している。

 

≪ライター・薬機法管理者 力武亜矢さんの他の記事をチェック!≫

 

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