投資初心者がやってしまいがちな、下落時の「慌て売り」。実は資産を増やすチャンス⁉
OTONA SALONE / 2024年8月24日 16時30分
2年間の苦労の末に「浪花おふくろファンド」を立ち上げた中井朱美さんと石津史子さん。
さあ、これから顧客を増やして頑張ろうと思った矢先に、なんと、あの未曾有の金融危機「リーマン・ショック」が発生します。どんどん下落する株価を前に、「浪花おふくろファンド」はどう立ち向かったのか。
予想もできなかった金融危機を乗り越えた彼女たちならではの奇策を、中井さんのインタビューでご紹介します。
【理想の投資信託を自分たちで作り上げた女性たちの物語②】前編
投信の基準価格が6000円台に!
リーマン・ショックが起きてから10数年が過ぎましたが、あの時の株価の下落というのは、今ふりかえっても強烈でした。
2008年9月15日にアメリカ大手証券会社リーマン・ブラザースが経営破綻したのをきっかけに、世界中の株価が暴落。日本でも、当初1万2千円台だった株価がどんどん下がり、2008年10月には7000円を割り込んだ日もあったのです。
「浪花おふくろファンド」は2008年4月の設定ですから、スタートしてたった5カ月で、未曾有の大暴落相場に遭遇しました。
投資信託には基準価格というのがあって、これが毎日変動します。最初は1万円からスタートし、日々、上がったり下がったりしながら、時間をかけて成長することを目指しています。暴落前、「浪花おふくろファンド」は10398円をつけた日もありました。ちょっぴり価格が上がっていたのですね。
しかし、リーマン・ショックにはあらがえません。9000円、8000円と日に日に基準価格が落ちて、2009年3月には6158円という最安値をつけたのです。 もし私が基準価格1万円のときに「浪花おふくろファンド」を10万円分買っていたら、評価額が6万1580円になり、約4万円の損。これは大ショックです。
この危機にどうやって立ち向かえばいいのか。中井さんたちには伝家の宝刀があったのです。
実はバーゲンセール中だった!?
「金融機関の営業担当に勧められたとか、ブームだからと、内容をよくわからないままに買っている人は、値段が下がったときはすごく怖い。慌てて売って、損をしてしまう人が多いんです」(中井さん)
ひと言で投資信託といっても、インデックスファンドやアクティブファンドなど、いろいろな種類があります。
「浪花おふくろファンド」はファンド・オブ・ファンズという形を取っています。複数の投資信託を組み入れる投資信託なので、分散効果が効いて運用が安定します。当時、中井さんたちと一緒に働いていたファンドマネジャーは4本のファンドを選んで購入していました。それぞれのファンドは得意分野が異なるものの、中長期でじっくりと資産を拡大する方針を掲げています。そういったファンドを安い時に静かに買い増し、値上がりしたら売るという方法で資産価値を高めていこうという作戦なのです。
当時、「浪花おふくろファンド」は、毎週のようにセミナーを行っていました。たとえ参加者が数人であっても、中井さんたちの熱意は変わりません。顧客に対して、ファンドの内容、長期投資の考え方をこんこんと伝えたのです。
とくに強調したのは、価格が下がったときに慌てて売るのではなく、普段どおりに積み立て投資を続ける。もし余裕があれば、逆に買い増しをするということです。
「自分で納得して、応援したいと思って買ったファンドなら、値段が下がっても簡単には売らないし、今は大変な時期だから応援買いをしようという気持ちになってくるんです」(中井さん)
本来なら1万円の投信が、今だけ7000円で買える。大変お得なバーゲンセール中なのだ、と考えることもできます。徹底したセミナーの積み重ねで、「浪花おふくろファンド」の顧客は納得し、この下落相場で追加資金を入れてくれたのです。
その結果、びっくりするようなことがおきました。
この時期、世界中のあらゆる投資信託が売られて純資産総額を減らしていたのに、「浪花おふくろファンド」では純資産総額が減らなかったのです。7000円台という安値で投信を買った顧客は、その後、基準価格の上昇とともに、しっかりとリターンを得ています。
▶続きの【後編】を読む▶ 投資初心者に大切なのは、納得して少しずつやってみるということ。 __▶▶▶▶▶
画像:Fotolia
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
株価が「上昇」でも「下落」でも得する驚きの投資術 プロに負けない投資は「3つの鉄則」を守るだけ
東洋経済オンライン / 2025年1月8日 8時30分
-
「元本割れリスクがない」は誤解! 債券型ファンドは本当に安全なのか?
MONEYPLUS / 2025年1月8日 7時30分
-
金融危機には必ず前触れがある?…リーマンショックから学ぶ「暴落の予兆」と「対処するための猶予期間」【資産10億円達成の個人投資家が助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月27日 11時15分
-
「リーマンショック」時の予兆と酷似? 米国REITが発する“小さな危機”のシグナルとは
Finasee / 2024年12月26日 13時0分
-
「S&P500」に代わって浮上しそうなアクティブファンドとは? インデックスに高まる警戒感
Finasee / 2024年12月19日 7時30分
ランキング
-
1「室内寒暖差がつらい…」その要因と対策が明らかに! - 三菱電機が紹介
マイナビニュース / 2025年1月14日 16時10分
-
2賞味期限「2年前」のゼリーを販売か…… 人気スーパーが謝罪「深くお詫び」 回収に協力呼びかけ
ねとらぼ / 2025年1月15日 7時30分
-
3【ニチガク倒産は序章に過ぎない】SNSの更新が止まったら要注意? “ヤバい予備校”の見分け方
オールアバウト / 2025年1月14日 21時5分
-
4バイトをしているコンビニでは廃棄商品の持ち帰りは禁止されています。もう捨てる商品なのになぜダメなのでしょうか? 捨てるほうがもったいない気がします。
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月14日 5時0分
-
529歳男性が“人生初の彼女”と入ったお風呂で大失態…「謝罪LINEもブロックされました」
日刊SPA! / 2025年1月14日 15時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください