立秋のころに「食べておくとあとがラクなもの」とは?まさか、それだったの?!【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】
OTONA SALONE / 2024年8月13日 16時40分
こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。お盆の入りに阿蘇へ行きました。すると、TOP画像のお盆飾りを見つけて、ついパチリ。はじめて目にするオクラの精霊牛馬です。
私は研究開発部に属し、さまざまな商品に携わってきました。その過程で、たとえば漢方原料が土地土地で少しずつ性質を変えること、四季のうちでも変わることを知り、やがて人間の心身そのものが気候風土に大きく影響を受けていることに深い興味を持つようになりました。中医学を学び、国際薬膳調理師の資格も獲得、いまもまた新たな活動を続けています。
1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。
【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】8月編下
暦の上では秋に入りましたが、まだまだ暑い日々
24年は8月7日から21日が立秋の期間です。すでに暦の上では秋に入りました。この頃から暑さは「残暑」と表現されるようになります。
お盆を過ぎれば暑さの中にも涼しさを感じられるようになると言いますが、いま現在そんな気配はないですね(笑)。
暑さと湿度が同居している状態が続いています。やがて暑さから湿度が抜けていくと思いますが、湿度が抜けるまでは“脾の機能”を気にかけてあげてくださいね。
五臓六腑が働くエネルギーを作る“脾の機能(消化機能)”は、残暑のこの時期も頑張り続けています。汗をかく暑い夏は血液のバランスが偏りやすく、ポンプ機能の“心”に負担がかかりやすいですが、心の機能が続けられるようにエネルギーを作り続けます。
“脾”そのものは湿がとても苦手なのですが、汗で失われた“気”と“津液(陰液)”を補うために、ひたすら働き続けます。事実上の夏の終わりまではあと一息です!“脾”の機能が働き続けられるように、夏の食材を意識的に摂っていたわってあげてください。
ねばねば食材でパワーチャージ。消化機能をいたわってあげてください
先日、再春館製薬所ヒルトップへの通勤路で、こんな一面のひまわり畑を見つけました。普段と違う道を通ってみると季節の発見があります。漢方には“季節の色”の考え方があります。“脾の機能”を大切にしたい時期の色は「黄色」。ひまわりの「黄色」からも“脾”のメッセージを感じたりします(笑)。
「夏バテには“ねばねば”食材を!」というフレーズはよく耳にします。残暑の今、まさに“脾”の機能を助ける働きがねばねば食材にはあるので、「山芋・モロヘイヤ・おくらの和え物」をおすすめします。山芋は短冊切りにして、モロヘイヤは茹でてから刻み、おくらは茹でてから輪切りにします。かつおぶしを加えてよく混ぜて、薄口しょうゆ、昆布だし、白すりごまで味を整えたら完成です。
夏が旬のモロヘイヤは、身体に気を補って、脾の機能を健やかにする働きがあります。茹でてあくを除いてから食べてくださいね。おくらには補虚損(ほきょそん)という効能が含まれています。身体にエネルギーが足りていない状態を改善してくれる働きが期待できるという意味合いです。暑さと湿度が共演する夏の最終局面を迎えた脾にとってはとても頼れるいい奴です。
TOP画像のお盆の精霊牛馬はおくらでした。補虚損ですから、早く走ってほしいときは馬になり、ゆっくり歩んで帰ってほしいならば牛にもなり、その時に応じていかようにも助けますよというおくらの性質を表現した意味合いなのかもしれません。そんなおくらも収穫から時間がたつと硬くなるのが難点です。この時期、水分の満ちている野菜は新鮮なものを鮮度がいい間に食べたいものですね。
もうひとつ、山芋とナスの煮びたしもおすすめしたいです。
ナスには「健脾(けんぴ)」「和胃(わい)」と脾の機能を助ける働きがあるのと、「清熱(せいねつ)」という身体の熱を冷ます働きもあります。暑さと湿度の共演ですので、今こそおすすめです。ナスは縦半分に切ったら4cmほどに切ります。ここで皮側に軽く切れ目を入れておくと味がしみやすいです。ナスをごま油でさっと炒めたら、皮をむいて輪切りにした山芋を入れて、砂糖、しょう油を加えます。お湯を少し加えて、お味噌で味を調えてぐつぐつ煮たら完成です。
暦の上では“秋”に入りましたが、お盆明けまではまだまだ“暑い夏”が続きますね。実質的な夏の終わりまであと一息です。身体を支える“脾”の機能をより一層気遣ってあげて欲しい時です。
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