「こんなにも必要とされていないのか…」再就職しようとして30社の面接落ち! 撃沈の専業主婦から、年商5億の起業家になれた理由
OTONA SALONE / 2024年8月28日 21時0分
現在、九州を拠点に、フラワーショップやフラワーアレンジメントの教室のフランチャイズ化、さらには動画制作事業やSNSマーケ、飲食店の経営など、驚くほど多角的に事業展開されている敏腕女性社長の原奈緒美さん。
「ドバイみたいな、キラキラの世界観が大好きなんです!」とおっしゃる通り、インタビューに現れた瞬間「まぶしい〜っ!!」と感じてしまったくらいのキラッキラのファッションに身を包んでいました。
内面からもハッピーオーラがにじみ出ていて、きっとこれまでの人生も順風満帆だったに違いない…と思わせる明るさをまとっています。
しかし実際は、本人の言葉を借りれば「何の取り柄もない普通の主婦」からのスタート。起業してからも、九死に一生を得たような全治7ヶ月の大事故や倒産の危機も体験しています。
苦しい中でも諦めず、現在の成功を手に入れた秘訣は、常にプラス思考で自分と向き合ってきたこと。
原さんのこれまでのドラマのような半生を伺ってきました。
普通のOLからの結婚、妊娠、そして退職。とにかく「中の中の中の人生」でした
現在、多くの事業の経営者として多忙な日々をおくっている原さん。若いころから起業精神あふれる女性だったのかと思ったら…。
「私なんて、いい学校を出ているわけでもないし、お嬢様のような暮らしをしたこともない。そもそも起業して自分が社長になるなんて、これっぽっちも想像していませんでした。私はいつだって中の中の中。ごく普通の存在だったんです」
独身時代は美容機器メーカーでOLを経験し、20代半ば前半ぐらいで結婚退職をされた原さん。
「結婚したら、仕事を辞めて専業主婦になるのが当たり前の時代。疑問もなく主婦になって、妊娠、出産。ですが、家で主人と子どもだけの生活が続くと、それだけの生活に物足りなさを感じはじめました」
「このままでいいのかな。子どもは可愛いし、幸せなんだけど、自分の人生がこれで決まってしまったような寂しさや、世間から放り出されて、家族以外の誰からも必要とされていないような疎外感を抱き始めました。自分の生きている意味ってなんだろう…とか」
原さんは、ずっと家にいるから余計なことを考えてモヤモヤしてしまうのだと感じ、仕事をしたいとご主人に相談をすることに。
「夫は九州男児なので、『え、何を言ってるの。子どもが小学校に入るまで、そんなこと考えちゃダメだよ』と言われちゃって。でも、ずっと子どもと一緒にいることが、愛情の証とも思えなかったのです。それで、少しずつ、夫を説得し、『じゃあ、家庭に支障のない範囲だったらいいよ』ってことで仕事をはじめることになりました」
それは現在30歳になる長男が3歳くらいのこと。
独身時代に勤めていた職場から「短時間でいいので手伝って」という引き合いもあり、以前の職場に復帰することになりました。
「でも、以前と同じ職場に戻ると、同僚から『早く帰っていいよ』と言われても自分だけ先に帰りづらいんですよ。それで、結局、周りと同じように働くことになってしまいました。いつも夫と子どもにごめんねって言いながら…。家庭を犠牲にするつもりはなかったので、その頃は本当に苦しかったです。そしてすごく疑問を感じたんです。どうして女性だけがこんな風に罪悪感を抱きながら働かないといけないんだろう…って」
原さんは、当時、勤めていた美容機器のメーカーでインストラクターをしていました。営業担当が契約したサロンや美容室に伺い、機器の扱い方や施術の指導をするのが主な仕事。お客様の都合に合わせることが多いので、夜が遅くなりがちで、土日も出勤が当たり前の世界。
「それで、あぁこの業界で働くのが無理なんじゃないかって思い始めたんです。だから平日の9時〜17時勤務の事務職なら無理なく仕事ができるのではないかと、新たに仕事を探し始めました」
しかし、ここで予想外の出来事が…。
「ところがですね。事務となると私、何もできないんですよ!!
当時はまだワープロの時代ですが、それすら私、使えなかったのです。
実は、30社の面接を受けて、なんと全社不採用。
当時、まだ私は若くて20代なんですよ。こんなに自分は必要とされていないのか…と驚きました」
普通なら、そこで落ち込んで諦めるかもしれません。でも原さんが違っていたのは、とてつもないポジティブ思考の持ち主だったこと。
「だったら、自分で自分の仕事場所を作るしかないなって発想を変えたんです。受け身じゃなくってね」
事務の面接で30社から不採用!こうなったら自分で働く場所を作るしかない
自分が働く場所づくりのために、現在も事業の中心となっているフラワーアレンジメント教室のフランチャイズ化事業に乗り出していった原さんですが、その事業を始めたきっかけというのが…。
「先ほど話したように、独身時代と復帰後しばらくの間は美容機器メーカーでインストラクターとして働いていました。様々なサロンに足を運び、サロン経営を拝見しながらいつも思っていたのです。
サロンはお客様とマンツーマンの世界だなぁと。
ネイルにしてもエステにしても1対1ですよね。1人の人間が1時間で稼げる売り上げっていうのが、美容サロンでは頭打ちだなって勝手に思っていたんですよ」
そこで原さんの商才が頭をもたげます。
「それに対して、教室ビジネスは、先生1人に対して生徒さんがたくさんいますよね。1対10とか1対20を相手にできるから、多くの売り上げを作ることができるなって。それで何か教室を始めよう!と」
かれこれ25年ほど前のことです。当時はまだサロネーゼという言葉が流行る少し前で、習い事の種類が少なくて。カルチャーセンターなどで人気だったのが、OLさんや富裕層の主婦の間でフラワーアレンジメントでした。選択肢も少なかったので、まずは自分が通ってフラワーアレンジメントの資格を取り、そしてスクールを開講することになりました。
環境は変わらなくても、自分の考え方で世の中の景色がこんなにキラキラとして見える!
その後、スクールの先生としてだけではなく、スクール経営のハウツーを教えることをフランチャイズ化、教室で使う花材も必要になるのでフラワーショップの経営にも乗り出すことになりました。
「当時は今のようにSNSがない時代。だから、共感できるような仲間を作るのがとても難しかったですね。でも、私が出会ってないだけで、きっと私のような主婦はたくさんいるはず。これから結婚する人たちのためにも、私がロールモデルになろう。子育てと仕事をうまく両立させ、しっかり稼ぎ、一人の人間として自立できる道を作っていこう。そして、それと次の世代に繋ぎで行こう!そんな構想を描き始めたら。自分が置かれる環境は何にも変わってないのに、毎日がキラキラと輝きだしました」
今やフラワー業界とは異なる、多分野の事業も展開し、年商はなんと5億円を超えるほどに会社は成長!
しかし、起業後、順調に事業が成長したわけではありません。その後にも人生の大きな変換期がありました。
今から15年前、起業後10年が経ち、経営も安定してきた時に原さんは雨の高速道路で大事故を起こし、それが起因となって倒産の危機を迎えることになったのです。
▶つづきの【後編】『全治7ヶ月の大事故、社員の横領。倒産寸前に!「生き地獄」から得た、「しあわせに生きる」ための思考法』では、順風満帆かと思えたフラワーアレンジメント教室の起業に訪れる、いくつもの危機をお伝えします。__▶▶▶▶▶
≪編集者・ライター/出版戦略コンサルタント 松井元香さんの他の記事をチェック!≫
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