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「嘘つき!! 払うと言ったくせに、養育費を振り込まないなんて!」自分勝手な理由をつけて、支払いを辞めるチャンスを探す元夫

OTONA SALONE / 2024年9月6日 21時0分

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。「自分を大切にしてくれ、本当に優しい人だから結婚すれば幸せになれる」と信じていたのに、結婚した途端にモラハラが始まり、我慢できずに離婚を選ばれる方は少なくありません。

経済的な理由や子どもの養育の問題もありますが、モラハラ夫と共に暮らし続ける辛さに耐えられず、離婚を決断される方も多くいらっしゃいます。離婚の際には、モラハラ夫がそれまで子どもの世話をしていなかったにもかかわらず親権を主張したり、養育費の支払いを拒否するために「お金がない」と言い訳をするケースもよく見受けられます。

今回は、離婚調停や公正証書の作成を行わず、「すぐに離婚を受け入れる」と言った夫に対し、早く離婚を成立させたいと考えてその条件を受け入れたNさんのお話です。

Nさんの場合、公正証書は作成していませんが、二人の取り決めはお互いのLINEに残っているという状況です。

 

結婚当時のこと

Nさんは、かつて夫と出会ったとき、彼の優しさに心惹かれました。彼はいつも穏やかで、Nさんを大切にしてくれる、本当に優しい人だったそうです。そんな彼と結婚すれば、幸せになれると信じ、赤ちゃんができたことをきっかけに彼の結婚の申し出をすぐに受け入れたそうです。

 

『夫とは私の妊娠が分かった時に、プロポーズされ結婚をしました。つわりもありましたし、特に結婚式もしたくなかったので、親族だけでの食事会が結婚式の代わりでした。

その時も夫はとても私の体調を気遣い、優しい人と結婚をできてよかったと幸せを噛み締めていました。』

 

でもその日、帰宅した途端にガラッと夫は変わったのだそうです。

「めんどくせえ」そればかり言って、1人さっさと眠ってしまいました。その時は何が起きたのかわからなかったNさんでしたが、それがモラハラのスタートでした。

『子供が生まれてからも、子供がいい子の状態の時は自分が抱っこをしたり面倒を見ますが、泣き出した途端に私へ子供を渡し「うるさいから出かけてくる」と言って外出するのが当たり前になっていました』

 

Nさんが最初に感じた夫の優しさと、その後の突然の変化は、モラハラの初期段階でよく見られる「理想化と脱価値化」のサイクルです。モラハラ加害者は、最初に相手にとって自分を理想化し、全力で魅力的に振る舞います。しかし、結婚などで逃げられない状態をつくり2人の関係を安定させると、急に相手を見下し、冷たく扱うようになります。この急激な態度の変化は、被害者を戸惑わせ、相手に対して不安や混乱を感じさせます。そうすることで心理的に相手をコントロールしようと、無意識にモラハラ加害者が行うことなのです。

Nさんのように、パートナーの突然の変化に戸惑う場合、自分の感情に蓋をせずに、その時に夫に不満を告げ夫の態度や暴言がひどくとも負けない態度を取ることができれば、モラハラ夫は「この妻は自分の思い通りにならない」と諦める場合もあります。それが出来合い場合は、信頼できる第三者に早めに相談することが、早期に問題を解決する方法の一つとなります。

 

 

モラハラ夫は自分の趣味を子供に強制する

『夫は小学校の頃から野球部に入り大学までずっと野球部でした。そのせいか、どうしても自分の子供にも野球をやらせたいと思っていたようなんです。息子が小さな頃から、公園でキャッチボールをするのが日課になっていました。

小学校になってからは地元の少年野球チームの監督をボランティアで引き受けていました。息子も野球が大好きだったので、野球に関することを父親と一緒にするのは抵抗はなかったようです。夫の夢は息子を中学受験をさせ、自分の母校の野球部に入部させたいということでした。息子も好きな野球をできる、その中学に入れれば高校受験も大学受験もしないでいいという言葉に乗せられ、受験勉強も頑張り合格できたのです。』

 

Nさんの夫は少年野球チームの監督を引き受け、他の保護者の方たちに「監督」と呼ばれることに酔いしれていたそうです。自分は他の保護者より特別だと思うその気持ちは、誰でも嬉しいものですが、モラハラの加害者が、監督やリーダーの立場に特に惹かれるのは、自分が注目されて特別だと感じたい気持ちが強いからです。このような役職に就くことで、他の人から尊敬されたり、自分が力を持っていると感じられるので、ますます自分に酔いしれてしまうのです。心理学的には、この行動は「自己愛型人格」の特徴として説明できます。また、その立場を使って他の人をコントロールしやすくなることもあり、人を支配したり特別な目で見られたりしたいモラハラの人にはたまらないことなのです。

 

 

外と家でのギャップがすごい。無責任さが増す夫

『息子が夫の母校に入学すると、夫は入学式の日にクラスの役員決めで自ら立候補し、役員の一人になりました。その後、昔から知る野球部の顧問の先生に息子を連れて挨拶に行きました。周りから見れば、育児に熱心で頼りがいのある父親に映るでしょう。しかし、家に帰ると夫はまるで別人のように変わり、私に対してはいつも厳しい言葉を浴びせるのです。些細なことでも怒り、彼の冷たい言葉は、まるで刃物で心を切り裂くように私を傷つけました。息子に対しても厳しい言葉ばかりを投げつけ、息子は「お父さんが大嫌いだ」と口にするようになりました。

息子は野球部で一生懸命頑張っていましたが、一年生のレギュラーにはなれませんでした。それに対し、夫は「練習をサボるからだ」と息子を怒鳴りつけ、近所の公園のグラウンドを30周走るように命じて追い出しました。

自分が傷つくことには耐えられても、息子にまでそんな仕打ちをする夫を、私はもう許すことができませんでした。そして、ついに離婚を切り出したのです。』

 

モラハラ夫が妻に対しての暴言や、息子が自分の思い通りにならないからイライラする理由は以下になります。

1. 自分が特別だと思いたい
モラハラ夫は、自分が特別で重要な存在だと感じたいという強い欲求があります。外では良い人を演じて周りからの評価を得ようとしますが、家の中ではその反動で自分以外の家族を支配し、自分が上に立っていると感じたいのです。

2. 他人をコントロールしたい
モラハラ夫は、他人をコントロールすることで安心感を得ます。自分の不安や劣等感を隠すために、妻や子供に厳しく接し、支配しようとします。夫の期待に反して、息子さんがレギュラーになれなかった出来事によって、さらに家族をコントロールしようとする気持ちが強まっていくのです。

3. 感情をうまく扱えない
モラハラ夫は、自分の怒りや不満をうまくコントロールできません。息子がレギュラーになれなかったことに対するイライラを、自分自身では処理できず、そのフラストレーションを家族にぶつけてしまいます。

4. 過去の影響
モラハラ夫は、幼少期や過去の経験で学んだ行動パターンを繰り返していることがあります。もし彼が同じような環境で育っていた場合、自分の価値を他人に認めさせるために厳しく接することを正しいと思い込んでいる可能性があります。

 

 

本記事では、Nさんとその息子さんが受けたモラハラ事例をもとに、なぜモラハラ夫は自分の思い通りにならないとイライラを爆発させるのか?という加害者側の心理についてご説明しました。

つづきの【後編】では、Nさんと夫の離婚の取り決めとその後についてお届けします。__▶▶▶▶▶

 

 

 

≪モラハラカウンセラー 麻野祐香さんの他の記事をチェック!≫

 

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