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女性が「自分の体を愛する」ために必要なことって?自分軸で生きる、働くためのキーワード5つ【日産×オトナサローネ】#4

OTONA SALONE / 2024年8月30日 7時31分

「全国の女性がより快適に過ごせる世の中を創り出す」ことを理念とするイベント『Femtech japan / Femcare japan 2024』が、6月6日にアニヴェルセル 表参道で開催されました。

オトナサローネ 編集長である井一 が、日産自動車株式会社の野中 由美さんと対談したステージのお題は「自分軸で生きる、働く」。勤続42年、「働く女性の先輩」である野中さんは、これまでどのような工夫をなさってきたのでしょうか?

本記事では対談の内容をを丸ごとお届けします!

 

大病も決して不幸ではない 次ページ

大病も決して不幸ではない

井一:乳がんは、何期だったのでしょうか

 

野中:一期です。マンモではなく、エコーの方で見つけていただきました。その後、触診されたときにも分からないぐらいの大きさだったのです。だから本当にエコーで見つかったのは、すごいなと思います。

生検に行ったときも、1番最初に先生が「じゃあちょっと触診してみよう」ってなったときに「ないね?」って雰囲気だったのです。で、エコーのCD-ROMを出して、「あぁ、ここね」って言って触診したときの先生の顔を見て……それは、そのころ工場で、すでに1万人ぐらいの人とコミュニケーションとっていたせいだと思うのですが、先生の表情を見ただけで(これは悪性なのだな)と分かりました。

 

生険の結果には2週間ぐらいかかるのですが、その間が1番つらかったです。

「悪性でした」と宣告されてからの方が、何をやればいいかっていうことが明確で楽でした。

手術は鎌倉の病院で行いました。さばさばした、ピンクリボンも一生懸命やっている女性の先生が「よかったね。見つかったらどんどん切ればいいんだよ」って言ってくれました。「検査をしっかり受けたことが良かったね」とも言われました。

そこで「どうして私はがんになったのでしょう?親族にがんの人はいないのですが」と聞いてみたら、先生が紙をみせてくださったのです。がんになりやすい人のチェックリストでした。「親族にがん患者がいる」っていう部分だけ当てはまらなくて、他は全部当てはまる。「睡眠時間が足りていない」とか、「食事が不規則である」とか生活要因も含め、全ての項目が当てはまっていました。

 

先ほどの「職業性ストレスモデル」の話じゃないですけど、「なるほど、私はそういう風な生活をしていたから、癌になったのだね」って思ったのです。職業性ストレスモデルを知っていてよかったなと思いました。

生検の結果がでるまでの2週間は辛かったし、死にたくないって思ったので、「じゃあ私が(この状況を)変えなきゃいけないじゃん」 って思いました。そうやって気づくことができたのも、自分が今までやってきたことの延長なのかなと感じました。

色々頑張ってきた自分に対して神様が教えてくれたのだなっていう風にも思いました。私は全然信心深くないのですよ。でも、いざっていう時に神様がでてくる(笑)

 

井一:でもある意味メーカーさんらしいですね。「何か事象が起きた場合は原因があり、原因があって結果がある、そして原因がある事は解決ができる」っていう考え方を、生産の現場に長くいらっしゃったから、なさるのですね。

 

野中:がんになった時(なんで?)って最初は思ったのですけど、忙しい日々のなかで、それを考えている時間がなかったのもありますし、何年か前に子宮がんを治療されていた先輩が「野中さん。もしかして(なんで…)とか考えてない?本を読んでも一緒だよ。色んな人が色んな経験しているのだから。自分に起きている経験を楽しみなよ!」って言ってくれて。夫も「あんたが死んだら世の中の人全員死ぬわ」って言ってくれて。神様だけじゃなく、そういうふうに言ってくれる、いい人たちも周りにいてくれたのです。

 

井一:ありがとうございました。「自分を愛するっていうのは、まず自分軸でいるということなのだ」というお話をそろそろまとめていきますね。

 

自分を好きになって、大切にしていくということ 次ページ

本日のまとめ1:自分を好きになって、大切にしてください

野中:「自分を好きになって、大切にする」これに尽きると思っています。私は自分のことを「完璧で精練潔白」だとは全く思ってないですが、 いいところも、ダメなところも、60年近く生きているとたくさん分かっているのです。それらを含めて、自分は唯一無二なのですよ。皆さんお一人お一人違っていて当然なのです。

私はチワワを4匹飼っているのですけど、同じ種類の犬だからみんな同じような性質かと思ったら、全く性格が違うのですよ。わんこですらそれだから、人間はもっと違って当然です。良いのか悪いのかっていうことで判断するんじゃなくて、「そういうもの(性格・特性)を持っている自分っていいよね」と思ってもらいたいです。

 

井一:小さな目標に取り込んでいき、「てへぺろ」も大事だよと。

 

野中:誰も見ていないのだから、自分が頑張ったときには自分を褒めたらいい。できなかったら「てへぺろ」して、またチャレンジしようって思えます。

 

井一:完成度を100%にしなくて良いっていう記載もありますね。これは見切りが大事っていうことですか?

野中:6~8割できていたら、まず完璧。数学でいくと公式を当てはめればいいし、あと2割のところも、そこで全てが終わるのではなくて、自分で他のことを回しながら、そこも回していけば、いずれは100%になるのです。

ドラマ「ドクターX」の大門未知子さんが「私、失敗しないので」って言うのも、そういうことだと思うのですよ。

 

井一:なるほど、常に前に向かって走っているからですか。

 

野中:はい。80%だったものが、後になって100%になることもあると思います。ですから、そこに留まっているより、次のことに集中していったらいいのかなと思います。

 

思い出したい「あの有名人」の言葉 次ページ

井一:なるほど。(スライドを見て)そして、やっぱり心身の健康が大事であると。

 

野中:アントニオ猪木さんの言葉はいずれ教科書に載るのじゃないかと思います。「元気があればなんでもできる」って、本当にその通り。いま夫が65歳で「この65歳と60歳の夫婦が平和に暮らすには、健康以外ない」って言っています。これまでの夫婦関係で、一番意見が一致しているかも。

 

井一:自分軸で生きていくためにも、一番大切なのは健康なのですね。

 

野中:心が健康であれば幸せですし、体が健康であれば心も整ってくる。多くの方と出会うなかで、そう思っています。

 

井一:ありがとうございます。では最後のスライドになります。皆様へのメッセージですね。「人は役割を持って生きることができれば幸せだな」と、上から5行目に書いてありますね。

 

野中:おかげさまで、18歳になったぐらいから働いています。会社って素晴らしいですよ。だって会社に行けば「 野中さんの仕事はこれですよ」って言ってもらえる。幸せですよね。今60歳で嘱託になりまして、あと5年で65歳。私の役割が1個なくなっちゃうのですよねっていうところに今、来ています。

でも人生ってそこで終わりじゃないから、 次の何か、自分が役割を担うことを探していかなければならないのですが、それに関しても人それぞれですよね。「なんか違うよな」って思うのだとしたら、それは、それまでの生き方の結果ですから。

 

井一:「自分軸で生きていく」っていうことって、どこか「自分勝手」とか「わがまま」とか「自分らしさ」みたいなところが全面に出がちですが、そうではなくて、周囲に対する調和と感謝みたいなものがベースにあるのですね。

 

野中:そうですね。8週間の産休のあと、子どもの命を守り育てていくのに、ひとりでなんてとてもできませんでした。ですから皆さんに助けていただきました。仕事をやり遂げるときでも、ひとりでやれること何にもないのです。ですから、周囲が助けてくれたら「ありがとう!」と言います。なぜかというと、またやってもらいたいから(笑)。 だから、感謝しかしてないです。

 

井一:「感謝の気持ちで前に進んでいくっていうことは、自分軸で生きていくっていうことだった」 そんな感じですかね。

 

野中:そうですね。

 

井一:ありがとうございます。本日は色々とお聞かせいただいてありがとうございました。また別の話も色々お伺いしたいので、ぜひご登壇よろしくお願いいたします。

野中:長い話ですみません。ありがとうございました。

 

 

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≪OTONA SALONE編集部 星雅代さんの他の記事をチェック!≫

 

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