一人暮らしの義母宅の冷蔵庫から漂う異臭。中を改めて絶句した夫と私に義母が放った「衝撃の言葉」は
OTONA SALONE / 2024年8月31日 11時15分
はじめまして。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在は横浜や湘南の地域Webメディアを中心にインタビュー記事などを執筆しています。
ここ数年のマイテーマは「介護」。40代も後半に差し掛かり、親の介護や親との別れを多少は意識していたものの、「まだ大丈夫(なハズ)」と思っていた私。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほどパニック状態になったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#1
自分の更年期もそこそこに…義母と父の「W介護」、心が折れまくる日々の始まり
体のだるさが続き「更年期かな?」と思い始めた数年前、遠方に住んでいる義母に、ちょっとした違和感を覚えるようになりました。そこから“リモート介護”を経て、我が家の近くに引っ越して来てもらい、身の回りのサポートをすることに。日々のアレコレに戸惑いながらも、ほんの少し明るい兆しが見えてきた矢先、今度は実父が膵臓癌を患い、緊急入院することになります。
医師から告げられた余命は、わずか「3ヶ月」。何度も家族で話し合い、最終的には父が望む在宅介護(看護)を選びました。穏やかな日常は一変し、見ていた景色が大きく変わってゆくのを感じます。不安、焦り、悲しみなど、いろいろな感情で押しつぶされそうになることも。
でも冷静に周りを見渡すと、親の介護をしている人や家族が癌を患ったという人はいて、何かしらの悩みや問題を抱えながらも、皆しっかり前を向いて歩いている。それを知ったとき、「とりあえず、今できることを精一杯やろう!」と決意しました。
といっても、私がひとりでやったことなど本当に数えるほど。正直、義母と父の「W介護」が始まったときは心が折れそうになりましたが、母や夫はもちろん、夫の弟家族、叔母や従兄弟、ケアマネージャーや介護士さん、友人など、多くの人の協力や支えによって乗り越えることができました。
(と、前置きが長くなりましたが)ここでは、私が義母と父の介護で経験したこと、感じたこと、悩んだことなどをお話ししていきます。介護には“コレ”という正解はなく、100人いたら100通りだと思うのですが、少しでも参考にしていただければうれしいです。
病院嫌いの老人、どう説得してもかたくなに受診してくれない。いちばん「効いた」のはやっぱり…
お義母(かあ)さんは、昭和9年生まれの90歳。これまで大きな病気をしたことはなく、病院へはほぼ行ったことがない健康体。多少の怪我や風邪などは、気力で乗り越えてきたような方。親戚で集まったとき、「私、病院って行ったことないのよね。あっ、出産のときに行ってたわ(笑)」と話していたことが、今でも記憶に残っています。夫曰く、「母は相当な病院嫌い」だそう。
しかし、そんなお義母さんも90歳を目前に病院通いが始まりました。
通院先は「脳神経外科」、診断は「認知症」(軽度~中等度)。一通りの検査を終え、医師からは
「認知症は進行性の病気なので、基本的に完治は難しい」
「今後は薬で進行を緩やかにする」
「毎日を穏やかに過ごせるよう、家族や周囲の協力が必要」
といった説明がありました。
「これからは、月に1回顔を見せに来てくださいね」と優しく話す医師に向かって、「はいっ、分かりました!」と元気に答えるお義母さん。その姿を後ろで見ながら、「無事に終わってよかったよ……」と安堵の表情を浮かべる夫。確かに病院へ行く習慣がない中で、「どうやって連れ出すか」は大きな壁でした。
当時は認知症を疑う出来事が続いていたため、私たちは早く病院へ連れていかなきゃ!と焦り、それを察したお義母さんは、ますます病院への抵抗感を示していきました。でも、ここで負けるわけにはいきません。
まずはダメもとで「認知症の検査に行こう」と直接的なアプローチをしたところ、「何? そんなの必要ないから」とあっけなく断られます(想定内)。次に「健康診断を受けよう」(実際に血液検査やレントゲンなど身体検査も行うため)と声をかけてみましたが、何だが疑心暗鬼な様子。
でもあるとき、地元の友人に「私たちはもう高齢者だから、毎年の健康診断は大事よね。ちゃんと受けてるでしょ? まさか、受けてないの?」と言われたらしく、数日後「病院へ行ってもいいよ」と承諾してくれたのです。(グッジョブ! お友だち)
つづき>>>わかりにくい「認知症」の初期。覚えておいて、「この状態」が出たら疑ったほうがいいです!
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