なりたい自分と本当の自分。「みんなに好かれたいのに」「私ならもっとできるのに」理想とのギャップに苦しむ人が辞めるべき、考え方のクセ
OTONA SALONE / 2024年9月8日 16時31分
「自己愛」という誰でも持っている、ある種のナルシシズムを適正に保てるようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
過去にこだわり続ける人は、自分自身が過去に受けたひどい仕打ちや、辛かったことを忘れられず、「あのことで、私がこうなってしまったんじゃないの⁉ あの人(もしくは、あの人たち)が悪い!」という、他に責任転嫁するという外罰的な思考になってしまいます。外罰的思考自体が悪いわけではなく、それが「いつも」になってしまうと危険です。若干厳しめに言えば、責任転嫁がさらに進んで責任放棄になってしまうのです。
心理カウンセラーの岡部愛さんに「自己愛」との上手な付き合い方について語っていただく【後編】です。
◀この記事の【前編】を読む◀なりたい自分と今の自分。現実との折り合いの付け方は? __◀◀◀◀◀
等身大の自分自身と向き合おう!
裸の自分自身になるためには、防壁を低くする必要があります。さらに自分自身の過剰な自己愛を低くする必要があります。それは、つまり「ありのままの自分を見る」ということです。自己愛の強過ぎるナルシストとは、とても高い理想の自分のイメージを持って、それを自分自身に投影していることが多いのです。「私は、誰からも愛されて、大切にされる存在!」または「人気者でみんなの中心になるべき存在!」。そして「私は、社会に貢献できる存在!」、「そして、みんなは、そういう私を認めるべき!」という過剰な自負心を持ってしまうのです。
誰でも「ああいう人になりたいな」というイメージを持っています。しかし自己愛の強いナルシストは、何の根拠もなく「私はすでにもう、そういう人間なの!」と思い込んでいるのです。それが他人から見て明らかに違っていても、自分自身の感覚で自覚することができないのです。そしてトラブルに陥った時、自分を真っ向から言葉で否定されてしまうと、今度は真逆で「私はダメダメな人間。何もできない人間!」と自己評価が一気に下がってしまうのです。
自己愛が抑制されている一般的な人は、「私はダメなところもあるけれど、いいところもある。そこそこの人間」と無意識で思っていますが、自己愛が強いナルシストは、そのような考え方ができず、心の振り子が両極端に振れてしまいます。「黒か白」「善と悪」「有か無」のような二元的な考え方になってしまうのです。
自己愛を乗り超えるには?
「私はそこそこの人間」という、現実を受け入れることが大切なのです。二元論的な考え方をせずに、「グレー」の部分もあるということを自覚する必要があるのです。「私は特別に優れた人間でもなくて、ダメダメな人間でもない。良いところもあるが、悪いところもある」、「私は失敗もするし成功もする」という自己イメージを受け入れれば、自己愛の強い人の生き方も楽になるのです。本人にとっては、少し時間はかかるでしょう。ですが自己愛を適度に保つには、等身大でありのままの自分を受け入れながら「私は変わっていこう!」という考えを忘れずに生きていかなくてはならないのです。そうすれば、おのずと人生が好転し、精神的にも成長していくのです。
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