「プロデュース」ではなく「起業」を選択。「過去の自分に助けられています」。パラレルキャリアを築く鈴木蘭々さん【インタビュー】#3
OTONA SALONE / 2024年10月1日 19時0分
芸能活動35年目の鈴木蘭々さん。現在49歳、オトナサローネ読者には、大人気子ども番組『ポンキッキーズ』(フジテレビ)で安室奈美恵さんと組んだユニット「シスターラビッツ」、ファッション誌のモデル、CMとファンだった方も多いでしょう。
前回のお話に続き、38歳でコスメ会社を起業し、パラレルキャリアを築く今を伺いました。
【画像】鈴木蘭々さんの貴重な「プライベート写真」、デビュー当時〜現在の写真をすべて見る
2年学んだ解剖生理学を活かし、化粧品を作ろうと起業
―― 13年、38歳のときにWOORELL を設立し、翌年に基礎化粧品ブランド「NARIA COSMETICS」を立ち上げました。起業という選択は、事務所を辞めたからっていうのが最初の理由ですか。
そうですね、なにをするにしても会社という形があったほうがいいと思ったので作りました。そのときすでに、なにか美容に携わる商品を作りたいなとも思っていたので……。
――当時、タレントさんだとアパレルのプロデュースが多いなか、自身で起業した理由は?
そうそう、10年前の当時は、アパレルのプロデュースをやっているタレントさんやモデルさんは多かったですね。みずから起業して、しかも化粧品商材を扱う人はいなかったんじゃないかと思います。もちろん私自身、いきなり自分でビジネスをやっていくというのはなかなかハードルが高かったしプロデュースみたいなところから始められたらいいなとは思っていて、そのためにいろいろ動いてはみたけど当時はそういう縁がつきませんでした(笑)。こういうのってすべてそのときの運と縁ですよね。
自分がメーカーとしてやるとなると、ロット数の問題も大きいし、在庫を大きく抱えるのもリスクだし、やっぱりちょっと無理なのかなぁ……と思っていた矢先に、紹介で小ロットでも作ってくれるOEMさんと出会って、しかもそこで作っていた製品がとてもよかったのでご相談させていただいたんです。そもそもがだいぶマニアックでニッチな商品で、基本的には販路もネットを中心に店舗展開はするつもりもなかったので、承諾が得られるかわからなかったんですが、まずは一緒にやっていきましょうと言っていただきスタートした感じです。
―― 化粧品を手掛けたいという思いはいつから?
割となにを使っても美肌を維持してきた10代20代前半だったんですけど、25歳くらいのときに突然ひどい大人ニキビに悩まされたことがあって……あのときはとてもつらかったです。
特にクレンジング。そのころ舞台もやったりしていて濃いめのメイクをしっかり落としたいのに合うものが見つからない……。本当にいろいろ試したんですけど、染みたり、腫れたり、カサカサになってしまったり……。肌が荒れることによってイライラしたり。合うものを見つけるのが大変でした。
そんなとき、子どものころからアトピーに悩む友人からオーガニックのクレンジングオイルを紹介してもらって、そのクレンジングがとてもよかった! しっかりメイクも落ちるのにまったく染みないし、乾燥もしなかったんです。
そのころから同じオイルクレンジングでもなぜこんなにも違うのだろうと基礎化粧品そのものに興味を持ちました。
その後、30代に入って舞台の仕事もひと段落したところで、美容サロンを営む友人がもう一度解剖生理学を学び直すと言うので、じゃあ私も一緒に学んでみようかなと。2年間学校に通って、人間の体の基礎的なことを勉強しました。
周囲からもらった宝物、「過去の自分に助けられています」
―― 起業する上で苦労された点、逆に得た点ってありますか。
うちみたいな小さな会社でも、起業っていうのはやっぱり責任が伴うし、最終的に全責任を自分が負わなければならないプレッシャーは常にあります。コロナもあったりして方向転換をせざるを得ない事態もたくさんありましたし、今も苦労は尽きない!(笑)。
得た点と言えば……その分、苦労への耐性がついてだいぶ忍耐強くなった点かもしれません。周囲に感謝する気持ちも、若いころに比べてだいぶ育ちました。
――今後のキャリア展開、芸能人としても、社長としても描いてるものは?
来年50歳になるんですけどとりあえずは「維持」ですかね。「今まで自分が積み上げてきたものをいかに維持するか」。維持しながら少しづつ新しいことにもチャレンジしていこうと考えています。
2018年ひょんな出会いから歌うことを再開して、今の年齢で感じることを詩にした音楽を作ったり、ライブをやったり、昨年はベストアルバムを発売するまでに至りました。
これらは独立してからすべて自身の会社で進めていることなんですが、でもそれができるのもすべて過去のお陰なんですよね。
考えてみれば、かつてCMの女王になれたり、一応世間に名前が知れ渡るくらいにまでなれたのは、もちろん私も頑張りましたけど、私の力以上にまわりの人たちが尽力してくれたからにほかなりません。みんなが一生懸命作ってくれたその宝物というか財産に、自分自身が気がついていない時期もありました。音楽制作の過程はもちろん、最近メディアに呼んでいただく機会も増え、その都度その有り難みが身に沁みます。私は過去の自分に随分助けられています。
と思うと同時に、実は今の自分の「テレビでのキャラ」をどうしたらいいのか若干悩んでもいます……。まぁ、自分以上でも以下でもないので悩んでもしょうがないことではあるんですが……。
あと一応社長って肩書きはついてますけど、ぜんぜん大したことありません。最近本当に社長としての自分の器の小ささを反省する毎日です。でもそこは、それぐらいがちょうどいいです(笑)。
▶▶次のお話▶▶【10/2 19:00更新】むかえた更年期。50歳の身体つくりはヒップホップ。描く老後は?
【鈴木蘭々さんインタビュー】
♪すべての人を元気づける明るくPOPな応援歌
■鈴木蘭々
1975年8月4日生まれ、東京都出身。「泣かないぞェ」「キミとボク」などヒット曲多数。2018年から歌手活動を再開。芸能生活35年を迎えた23年、初のベストアルバムを発売。基礎化粧品ブランド「NARIA COSMETICS」を立ち上げ、化粧品の開発や販売もする会社の社長という一面も。インスタグラム▶
●初のベストアルバム『鈴木蘭々All Time Best~Yesterday & Today~』
≪オトナサローネ編集部 木村美穂さんの他の記事をチェック!≫
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
年収600万、持ち家アリでも普通レベル…脳梗塞をきっかけに婚活を始めた35歳の“婚活市場”の厳しさ「相手から求められるハードルがどんどん上がっている」
集英社オンライン / 2024年11月3日 16時0分
-
日本企業では「ちょっと英語ができる」だけでも戦力になるワケ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月2日 14時15分
-
「シングルマザーはヤクザと同じだから」社会復帰を目指し、起業した女性に待ち受けていた試練…子どもと生きていくと決めた母親の覚悟と幸せのモチベーションとは?
集英社オンライン / 2024年11月2日 13時0分
-
田中律子さん「3拠点生活」のすすめ。都会、海、山が必要な理由とは【インタビュー】(後編)
OTONA SALONE / 2024年10月31日 18時31分
-
【画像ギャラリー】田中律子さんのプライベート写真をすべて見る
OTONA SALONE / 2024年10月30日 18時2分
ランキング
-
1ワークマンさん最高…!「1280円ルームシューズ」で足首までぽっかぽか&気持ち良い〜
女子SPA! / 2024年11月23日 15時45分
-
2「首都高の“ETC”」利用率が98%!? それでも「料金所」に”係員“なぜ存在? 料金所スタッフの勤務実態とは
くるまのニュース / 2024年11月23日 9時10分
-
3とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
4小泉孝太郎がやっている「納豆の最高においしい食べ方」 タレ半分、“あるもの”をたっぷり
Sirabee / 2024年11月22日 16時15分
-
5カップヌードル、約1割が“アレ”を入れて食べがちと判明 ギャル曽根も「すごい好き」
Sirabee / 2024年11月19日 4時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください