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「あの子、“ザキヤマ似”だぜ。不倫なんて無理だよ」と笑った夫。本当に不倫していない?晴れないモヤモヤとの戦い【体験談】

OTONA SALONE / 2024年9月25日 20時0分

2024年に発表されたジェクスによる調査では「現在、パートナー(恋人や結婚相手)以外の人とセックスをしていますか。」という問い(※)に対して、「特定の人物1人としている」「特定の人物2人以上としている」の合計値は、40代男性が27.7%、50代男性が29.5%。40代女性が24.5%、50代女性が17.1%でした。

これだけ多くの人々がパートナー以外に関係を求めているということは、それだけ夫婦間が円満でないひとつのあらわれなのかもしれません。バレるバレないはさておき、前述のパーセントの分だけ、浮気されたパートナーが存在していることでもあります。
本記事では、浮気や不倫をされた側の立場にたった感情の揺れや思いを聞かせていただきました。

 

今回お話をお伺いしたのは、葵さん(仮名)です。

「ふざけんなよ!!」
深夜の寝室で葵さんは、夫の貴文さん(仮名)に食ってかかりました。それもそのはず、貴文さんの携帯に着信があったのでふと目をやると、送られてきた写真には、貴文さんと若い女性が恋人のように寄り添って写っていたのです。その女性は見覚えのある人でした。

 

【サレ妻の手帳#2】前編

 

※出典:ジェクス「JEX JAPAN SEX SURVEY 2024」

子煩悩で優しい人、この人だったら一緒に子育てできる

shutterstock.com

細面で美人の葵さんは、20代後半の時に高校時代からの友人、貴文さん(仮名)と結婚しました。しかし、30代後半で約10年の結婚生活に終止符を打ちました。

貴文さんとは、20代前半の時から付き合ってきて、結婚後は二人の子宝にも恵まれ、何一つ問題なく楽しく暮らしていたのですが、貴文さんの不倫が原因で別れることになったのです。

 

「私たちはおしどり夫婦として知られていて、彼も子どものことは可愛がってくれました。
家族だけではなく、誰にでも優しくて子どもにもお年寄りにも好かれる人でした。それは今も変わっていないと思います。

でも、それは弱さの裏返しだったのかもしれません。貴文さんは、両親が離婚したため早くにお母さんと離れ離れになりました。その影響もあって、誰かに嫌われるとか、自分に価値がないと思われるのがすごく怖くて、誰にでも優しいのだと思います。」

 

貴文さんは独身の時から人付き合いも良く、社交的。いろんな集まりに行くことが好きでした。

「昔から女友達が多いなとは思っていました。でも、純粋に友達として付き合っていて、誰かを口説くわけでもなく無害な感じの人でした。男友達もたくさんいたので、女たらしというより、人当たりのいい人だと思っていました。」

 

 

結婚を決める決定打になったのは、貴文さんの優しい性格に加えて、家族が仲良しだったことでした。貴文さんは両親の離婚後、父親と継母に育てられましたが、そんなことを感じさせない和気藹々とした家族でした。

「私の妹の子どももすごく懐いていて、この人とだったら楽しく子育てできると思いました。実際、子煩悩で、よく世話をしてくれました。」

 

結婚してまもなく一人目の子どもを出産後、夫妻は、東京の家を引き払って地元に帰りました。

「東京は私たちにとって子育てがしづらいのと、親にもっと孫の顔を見せてあげたいと思ったからです。
貴文さんは引っ越しを機に、地元で携帯電話の会社に就職したのですが、東京で勤めていた頃より収入が下がって自信が揺らいだようでした。

そのことが関係あるのかないのかは分かりませんが、やがて会社の部下と不倫関係になりました。
ちょうど私が二人目の子どもを出産した時、上の子が2歳になる頃だったと思います。でも、そんなことはつゆ知らず、私は、幸せな家族だと何年も思い込んでいたのです。」

 

結婚9年目、上の子が小学校に入学してすぐくらいの時のことでした。貴文さんの携帯が鳴ったので、ふと画面を見たら、どこかで見覚えのある女性と貴文さんが写真に写っていたのです。背景から考えると、明らかに女性の部屋で撮影したもののようでした。

「まるで付き合い始めたばかりの初々しいカップルのようでした。頭にきて、寝ていたのを起こして詰め寄りました。」

 

ところが、貴文さんは、「何もしていない」の一点張り。
恋愛相談に乗っていた、恋愛感情はない、後輩としてしか見ていない、と言いました。

 

「私は、そういうことが一度でもあったら離婚すると決めていたので何の迷いもなく、その場で、『今まで有難うございました』と言いました。しかし、彼はしれっととんでもない言い訳をしたのです。

『だって、俺が初めてあの子を見た時、芸人の“ザキヤマ”に似てるって思ったんだよ。恋愛なんて無理だよ』と。

苦笑しながらそう言うんです。
たしかに、世間一般で言うかわいいタイプではなかったけれど、女性に対してそんなことを言うなんて失礼ですよね。
彼の発言に半信半疑でしたが、納得できる部分もありました。」

貴文さんに離婚すると啖呵を切ったものの、浮気の決定的な証拠もなく、結局、その夜はそのままやり過ごしました。

 

 

うつ病を発症

shutterstock.com

しかし、モヤモヤを引きずったまま夫と暮らしていても心が晴れることはなく、フラッシュバックに苦しんで、葵さんはとうとううつ病になり、病院に通院するようになりました。

 

「今思えば、ずっと夫のことを疑っていたこの時期が一番辛かったです。かといって信じることもできず、実際どうなのか分からない、泳がせている時が一番不安で、辛い時期でした。決定的証拠もなく、信じたくても信じられない、やっぱり怪しい、と右往左往していました。

その一方で、夫や子どもの世話や仕事もして、日常生活を送らなければいけません。夫婦関係の再構築について書いてある本やメルマガも読み漁りました。でも、なんの解決にもなりませんでした。」

 

 

その頃、葵さんは商業施設の中の雑貨屋で働いていたのですが、たまたま出勤途中に“相手の女性”に会いました。
貴文さんと女性が勤める店も同じ商業施設の中にあったので、何度か彼女の顔を見たことがあったのです。

「黙っていることもできましたが、我慢ならずに、彼女に『本当に不倫してない?』、と聞いてみました。
でも、彼女はキッパリと、『違います』と言いました。」

 

しかし、その女性の部屋にいたことは間違いありません。
葵さんは女性に、「既婚男性を家に入れちゃダメだよ。不貞行為がなくても、こうやって疑われるんだよ。あなたまだ若いし、こんなことしちゃダメ」と諭しました。

 

「結局、本人たちは不倫はないと言うし、真相は分からないまま。何事もなかったように暮らしていくしかありませんでした。
貴文さんも家事や育児はよくしてくれたので、家族を大切にしてくれているのだと思いました。

でも、この時、既に二人はできていたんです。私は、まるでピエロのようでした。」

 

決定的証拠こそなかったものの、後から思えばおかしなことがたくさんありました。
子どもを連れて公園に行く時は携帯を肌身離さず持ち歩き、残業や早出が増え、整髪料に凝り出し、ファッション小物が増えていきました。

「夜の夫婦生活も、それまでと違ってやたら尽くしてくれました。精力剤も飲み始めました。」

 

病院のろうかで、修羅場に

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写真を見た日から10ヶ月ほど経った頃、貴文さんが病気で倒れて入院しました。麻痺の後遺症が残るかもしれず、仕事に復帰できるかどうかも分かりませんでした。

 

「もう働けないかもしれないという状況だったので、私が大黒柱になって頑張って家庭を支えていこうと腹をくくりました。

ところが、ある日。私が面会に行くと、あの女性と病室で鉢合わせたのです。
『やっぱりそうだったんだ! 話の辻褄が合っていなかったよね』と内心思いました。

貴文さんは、その場の気まずい空気を取り繕うように、『ただ心配してきてくれたんだよね。仕事の話もあるし』と弁解しましたが、女は下唇を噛んだまま黙っていました。その表情だけで何が起こったのか全てを悟りました。」

 

 

葵さんは、女性を病室の外に呼んで、「録画するね」と言いながら問い詰めました。
「やっぱりそういうことなんだよね」と言うと、彼女は涙を流しながら「はい」と告白し、謝罪しました。

 

「証拠は握りましたが、別れてくれとは言いませんでした。
『この先、後遺症が残るかもしれないけど、彼のことはお願いね』と言うと、彼女は、『そんな、無理です〜』と言いました。
愛していなかったのか、病気で倒れたら冷めたのか。ただ、その時は本気で謝っていたと思います。」

 

葵さんは、その日は病室に戻らずそのまま帰って、貴文さんのLINEをブロックしました。すぐに弁護士も探して離婚に向けて動き出したそうです。

「もともと疑っていたし、どれだけ時間が経っても100%信用することはなくなっていました。ただ淡々とやることをやるという感じでした。もう気持ちが揺らぐことはありませんでした。」

 

 

心の繋がりもあるじゃん!

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その後、貴文さんは外泊許可をもらって10日間くらい家に帰ってきました。
葵さんは証拠を押さえるために、録画しながら、いろいろ尋ねました。

 

「(相手の女性の) 家に行ったけど、性交渉しない日もあったの?」と尋ねると、「うん」と言う貴文さん。
「心の繋がりもあるじゃん!」、とキレずにはいられなかった葵さん。

もはや体の関係があろうとなかろうと、何を聞いても怒りしか湧いてきませんでしたが、性行為をした回数を聞いた時よりも、心の繋がりは怒りを増幅させました。

 

「最初、二人の写真を見た時は、『やっていない』と言われたので、そうなのかなと思ってしまいました。でも、今度はそういうわけにはいきません。彼は泣きながら謝って弁解していました。

私は頑張って信じようとしたのに、彼らは水面下で繋がっていた。腹立たしさと悔しさで、心が音を立てて壊れていきました。」

 

葵さんは、その日のうちに二人が仲睦まじく写っている写真を義弟に送信し、義両親にも電話して、「こういうことがあったので無理です。離婚させてください」と言いました。

 

 

つづきの【後編】記事『夫の問題点は、不倫や借金だけではなかった。「これからは一生一人で生きていきたい」と妻が決別を選んだ理由』では、葵さんが離婚を決意した理由や離婚後の生き方についてお話しします。__▶▶▶▶▶

 

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