安物買いの銭失いって本当?ブランドバッグの費用対効果を考える
OTONA SALONE / 2017年11月8日 16時0分
世の中に「安物買いの銭失い」という言葉があります。この言葉は、安いものを買っても、質がそれほどよくないためにすぐ買い換えなければならないことから、結局のトータルコストはかかってしまうため却って損になってしまう、という意味です。果たしてこのことわざは私たちの生活の上ではどうなのでしょうか?
安物買いの銭失いを検証すると…
ラグジュアリーなブランドバッグで「一生モノ」の呼び声が高い、HERMESのバーキンやケリーバッグが思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。これらのバッグについて検証してみます。
これらのバッグは、大きさや材質によって異なりますがほとんどが軽く100万円を超えるお値段になっています。ノンブランドバッグや一般的なバッグならば、バッグの種類にもよりますが、高くても1万円、2万円程度で手に入れることが可能ですよね。単純計算をすると、バーキン1個買うのを控えれば50回から100回一般的なバッグを買い換えることが可能だということです。
また他のラグジュアリーブランドのバッグでも、HERMESの他のバッグならば20万円から40万円程度ですから、5回から2回ほど買い換えが可能ですし、5種類から2種類買えることになります。
果たしてバーキンやケリーに「一生モノ」の価値があるのでしょうか?
まず、バーキンやケリーは、皮革でできているため、圧倒的に持ちがいいのが特徴です。ナイロン素材だと経年劣化してしまいますし、綿など布の場合も変色や経年劣化しやすくなります。これに対して、「革素材は使うほど馴染む」とされているように、革素材は長期使用に耐えることができ、味も出てくるのです。
また、HERMESのバッグは職人により手で作られているため、作りがしっかりしている、信頼感が高いと評価が高いのです。手作りゆえ流通量が少なく、買いたくても手に入らないと世界中でいわれています。少々重いものを入れても、多少乱暴に扱っても、壊れにくいのも信頼感のあるブランドの特徴です。たとえ糸のほつれが出てきた場合でも、メンテナンス制度がしっかりしており、きちんと修理してもらうことができます。
このようなことから、40歳で購入したとしても、定年まで、それ以降もしっかり使用することが可能です。
そして、バーキンやケリーは、ずっと同じ形で長年続けて生産されています。そしてこれからも生産されていくことでしょう。デザインが変わらず、しかも飽きのこないものといわれており、そもそも流行廃れがないのも大きな特徴です。使っていても、時代遅れと思われないシンプルなデザインも「一生モノ」とされる所以でしょうか。手に入れるときは驚くほど高額でも、一生使い続けていくことが可能ですので、結果的には1つ持っていれば他のバッグを買わなくて済むことになります。そうなると、HERMESのバーキンやケリーには、「一生モノ」の価値は存在するといえるでしょう。
他方、ノンブランドのバッグの場合、数か月使用していると壊れてしまったり、修理しようにも難しかったりするなどという場合も多いのがガッカリポイントです。壊れるというのは、通勤中などに起こると移動に困ってしまい、タクシーを使わざるを得なくなってしまったなど大変な思いをすることもあります。バッグの価格にプラスして損失も発生してしまう、まさに安物買いの銭失いでしょう。
ブランドのトレンドがある中で…
ちょっと考えてみてください。日本では、ブランドバッグを持っているだけで、何となくおしゃれに見える、流行にのっていると思いがちですよね。しかも、トレンドにより、ここ20年間でも「PRADA(プラダ)」、「LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)」、「エルメス(HERMES)」、「シャネル(CHANEL)」、「コーチ(COACH)」、「フルラ(FURLA)」など、数多くのブランドが数年ごとにブームになっていますよね。これらのトレンドに目移りしませんか?
そして、HERMESのバーキンやケリーではなくても、流行で購入したLOUIS VUITTONやCHANELのバッグもブランドでメンテナンスや修理を受け付けており、長く使用することが可能です。ブランドとしての特徴である、持ちがいいというのも当てはまります。筆者は、LOUIS VUITTONのキーケースはかれこれ10年ほど使用していますが、全く問題ありません。特に壊れる様子もなく、劣化も感じず、同じものが店頭で販売されているため、古臭さも感じません。一生モノ、とはならないかもしれませんが、安心感や信頼感があります。以前職場の先輩から、LOUIS VUITTONのカバンを15年使用していても、まだ壊れない、と言われたのを思い出します。
LOUIS VUITTONやFURLAなどのバッグは、HERMESのバーキンなどと比べて安価に購入することが可能です。バッグも10万円代から30万円程度です。HERMESのバーキン1つ購入する値段で数個購入できます。LOUIS VUITTONに限らず、他のブランドのものでも「一生モノ」とはいえないまでも、メンテナンスサービスを実施しているブランドがほとんどですから、かなり長期間使用することが可能なのです。
また、ライフスタイルによって、そのときに必要となるバッグの形が変わってしまう、ということもあります。近年ノートパソコンを持ち歩くことも普通になってきたオフィスワーカーにとっては、大きなバッグも必要になってきて、今までのバッグが使い勝手が悪くなってしまっているかもしれません。また、休日のお出かけには、それほど大きなバッグは必要ないかもしれません。
このように、1個のバッグですべて用が足りるということが難しいのも、時計や小物などと違う点でしょう。そうなりますと、ライフスタイルが変化すれば、たとえ一生使い続けることができるバッグだとしても買い換えなくてはならない状況が生まれるということです。
「高物」買いの銭失いもあるため、コスト計算を
「安物買いの銭失い」は確かに存在するようですが、この反対もあるということに注意が必要かもしれません。「一生モノ」として頑張って貯金や節約して購入したのに、結局は一生使用することができなかった、という場合があるからです。
また、ご自身は流行に左右される方ですか?持ち物に飽きるタイプですか?流行に乗りたい方は、どうしてもトレンドのアイテムが欲しくなるでしょう。流行に左右されなくても、気分転換に持ち物を変えたいと思う性格ならば、やはり一生使い続けることは難しいことになります。そのため、バッグは使用できるけれど、ご自身が不要になってしまった、結局そこまで無理して購入する必要もなかったのでは、という事態も起こり得ます。
ポイントは、最低でも何年使用する予定なのかを考えて購入するようにすると、損失は少なくなります。20万円のバッグを購入する場合、10年使用するならば、コストは1年間に2万円ですが、5年ならば4万円です。2年ならば10万円です。10万円ならば、レンタル制度を利用してもう少しコストを下げることも可能でしょう。
もちろん「一生モノ」のバッグをずっと使い続けるのならば、それもアリですよね。お気に入りの1つとともに日々過ごせるのはとてもステキなことですから。しかしそうでない場合は、ご自身のライフスタイルや今後のライフステージによって、コストを考えてみると大きな損失を防止することが可能になります。実際のお値段よりも、トータルコストを考えてみるのがおすすめですよ。
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