「私がダメから。もっと頑張らなきゃ」優しいと思っていた夫は「ソフトモラハラ」だった。知らぬ間に、自己肯定感が奪われる【5つの洗脳術】
OTONA SALONE / 2024年10月9日 21時0分
夫婦問題・モラハラ専門カウンセラーの麻野祐香です。
モラハラと一口に言っても、「ハードモラハラ」と「ソフトモラハラ」があります。
ハードモラハラは、暴言や暴力などの直接的な攻撃で、相手を支配し、精神的・肉体的なダメージを与えます。どんな方でも自分がモラハラを受けているとわかります。
その一方、ソフトモラハラは、一見穏やかに見える言葉や態度で、相手を巧妙にコントロールし、徐々に自尊心を奪っていくので、自分がモラハラ被害者だと気づかずに長年悩む方が多くいます。
今回は結婚しても夫がモラハラということに気づかずに、いつの間にか自己肯定感も低くなり、いつも自分が悪いと思い込んでしまったAさんのお話です。
夫の提案やアドバイスは「ソフトモラハラ」だった
『私が夫と出会ったのは、職場の飲み会でした。彼はとても優しく、物腰の柔らかい人で、みんなから頼りにされていました。彼と交際が始まり、彼の細やかな気遣いに感動し、結婚を決めた時も「この人なら、きっと幸せな家庭が築ける」と信じていたのです。』
でも、結婚してしばらくすると、彼の態度が少しずつ変わり始めたそうです。最初は本当に些細なことからでした。
Aさんが夕食の準備に手間取ると、「時間にもう少し気をつけた方がいいんじゃない?」と柔らかい口調で指摘するんだとか。
怒鳴ったり威圧的な態度ではなく、あくまで「提案」や「アドバイス」という形で伝えられたので、Aさんは自分の要領の悪さを反省するだけでした。
でも月日を重ねるにつれ「こうした方がいい」「もっとこうしてくれたら助かる」と言われるようになりました。
Aさんは「夫のために」と思い、頑張っていたのですがいつの間にか「提案」ではなく、「当然」のように感じるようになったのだそうです。
『家が少しでも散らかっていると、「こんな状態じゃリラックスできないよ」「家事ができない妻ってどうなんだろう」と、私を責める言葉が増えていきました。夫の顔色を伺ってばかりでいつもビクビクしている状態でした。』
Aさんの夫は、モラハラでもソフトモラハラのタイプです。ソフトモラハラの特徴である「見えにくい支配」と「相手を正しいと思い込ませる」このテクニックが、Aさんを自己否定のループに追い込んでいったのです。
ソフトモラハラを受けているうちに、自然と自己肯定感がなくなり自分を責めてしまう理由は以下になります。
1. 相手の要求が「当然」と感じるようになる
最初は「提案」だった夫の言葉が、次第に「当然」と感じられるようになり、妻は「できない自分が悪い」と思い込むようになります。
2. 柔らかな言葉での支配
夫はソフトな口調で「こうした方がいい」とアドバイスする形で支配をします。表面上は攻撃的でないため、妻は「自分が至らない」と感じ必死で努力をし自分を責めてしまいます。
3. 自己肯定感の低下
繰り返される小さな否定が妻の自己肯定感を蝕み、「もっと頑張らなければ」と自己否定をし続けることで、自己肯定感が低くなってしまいます。
4. ソフトモラハラの心理的支配
ソフトモラハラは長期間にわたって少しずつ相手をコントロールするため、妻は自分が悪いと完全に思い込むようになり、自己否定のループに陥ってしまうのです。
夫がモラハラだと気づかずに、いつの間にかコントロールされていた
『夫は暴力を振るったり、怒鳴ったりするわけではなかったので、夫が文句を言うのは私の家事能力がないせいだと信じていました。でも夫に毎日至らない点を指摘されるので、夫が帰宅した時のドアの音を聞くだけで動悸が激しくなっていきました。
「私が悪いんだ」「もっと頑張らなきゃ」と、いつの間にか自分を責めるようになっていたのです。
私は自分に自信が持てなくなり、どんな小さなことでも夫に確認するようになっていました。料理を作る前に、「これでいい?」と聞いたり、友達と出かける時も「大丈夫かな?」と夫の顔色をうかがうようになっていました。
夫はその度に「君がちゃんとしていれば、何も問題ないよ」「ただ、もっとしっかりしてくれたら助かるんだ」と、優しげな言葉でいうのです。その言葉が私をコントロールしていたのです。』
ソフトモラハラだと安心していても徐々に洗脳されてしまいます。意識をしていなくても、いつの間にか相手にコントロールされていくのが洗脳です。
1. 穏やかな言葉の裏にある批判
ソフトモラハラは、優しさやアドバイスの形を取るため、被害者は「自分のため」と思い込みます。これが繰り返されると、被害者は「もっと自分が改善すべき」と信じ、相手の支配を無意識に受け入れてしまいます。
2. 自己否定感の植え付け
加害者の指摘は一見些細ですが、繰り返されるうちに被害者は「自分が悪い」と感じるようになり、自己肯定感が低下します。これが洗脳の第一歩となります。
3. 少しずつ進行する変化
ソフトモラハラは、小さな要求や批判が徐々に積み重なるため、被害者は自分が支配されていることに気づきにくくなります。気づいた時には、相手の言動が「当然」と感じるようになっています。
4. 依存関係の構築
加害者は、優しさと批判を織り交ぜて、被害者に「もっと頑張れば認めてもらえる」と思わせます。被害者は加害者の評価や愛情に依存し、相手に従うことが当たり前になっていきます。
5. 外部の視点を得にくい
ソフトモラハラは外から見ると問題なく見えるため、被害者が相談をしても理解されにくいことが多く、孤立しやすくなります。その結果、自分の判断を信じられなくなり、相手の言動に完全に支配されてしまいます。
ソフトモラハラは穏やかな形で相手を洗脳し、自己肯定感を奪っていくのです。
本記事では、一見モラハラとはとらえずらお「ソフトモラハラ」にについてご説明しました。
つづきの【後編】では、ソフトモラハラは優しいふりをして、妻に罰を与えるのは当たり前? いつの間にか自己肯定案が下がり洗脳されていく仕組みとは?・・・ についてお届けします。__▶▶▶▶▶
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