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「今や2人に1人!女性の死活問題です」更年期にフェムゾーンをケアしないと起きてしまう「深刻な事態」とは【医師監修】

OTONA SALONE / 2024年9月27日 12時0分

陰部がかゆい、痛い。カサカサしている気がする。おしっこが我慢しづらい、尿漏れすることがある。何度も膀胱炎になる。性交痛がある、出血することがある。
更年期世代の皆さん、どれかひとつ当てはまるトラブルがありますか? 年齢のせいだから仕方ない、何をどうしたら良くなるのかわからない。そういって放置してしまっていませんか?

それは、GSM(Genitourinary Syndrome of Menopause)予備軍かもしれません。日本語では、「閉経関連尿路性器症候群」といわれる疾病。ケアすれば予防も治療もできるのに、知識や情報が定着していないために、更年期以降のQOL(生活の質)が大幅に低下してしまう女性がかなり多いそうです。

そこで、女性医療クリニックLUNAグループ理事長の関口由紀先生にGMSとはどういうものなのか。その解決法も教えていただきました。すぐに始められることが多いので、ぜひ参考にしてみてください。

GSMは何が原因で起こる?

ーーー更年期世代になると、さまざまなトラブルが勃発するGSM。いったい何が原因ですか?

「GSMとは、女性ホルモンが減ることによって起こる外陰部の萎縮によっておこる形態変化と、乾燥・かゆみなどのさまざまな症状のことで、慢性かつ進行性の疾患(症状症候群)を指します。閉経すると女性ホルモンが1/10くらいまで下がるんですね。それによって骨粗しょう症や動脈硬化、認知症などが起こりますが、女性ホルモンの低下によっておこる疾患のひとつがGSM。
以前は老人性腟炎や萎縮性腟炎とか言われてましたが、2014年にアメリカの「国際女性性機能学会」「北米更年期学会」で共同提唱され、治療対象となりました。なかなか覚えにくいので、ガールズ(G)、シモ(S)、問題(M)と覚えてください(笑)」

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どんな症状が出てくるのか?

ーーークリニックには、どういった問題でくる人が多いでしょうか?

「50代以降閉経後の2人に1人はGSM問題を抱えていると言われています。GSMの症状としては大きく分けて3つで、腟と外陰部の不快感、尿トラブル、性交時のトラブル。
具体的には陰部のかゆみ、乾燥感、尿漏れ、頻尿、再発性膀胱炎、性交痛、性欲低下などがあります。
夫婦の営みがある人の多くは性交痛で来院します。とはいえ、日本人の60歳あたりで性交渉している人は約2割ほど。そうでない人は気づきづらいため、再発性膀胱炎や尿漏れがひどくなってから診察に来られます。
かゆみや乾燥で来院される方は少ないですね。
セルフケアの習慣をつけないと予防もできず進行してしまうのに、ケアせず我慢している方が多いのではないでしょうか」

 

 

自分の症状がGSMだと知らず、ケア出来てない人が多い?

GSMという新しい概念が提唱されたのは最近のこと。それまでは年齢のせいで仕方ないと片づけられがちで、今でもそう思って来院しない人が多いのかもしれません。

「実は私もGSMを経験しました。発端は、出産後41歳で乳がんになったこと。女性ホルモン抑制の治療を受けたことで、強制的に閉経を迎えることになったんです。更年期症状はもちろん、特にひどかったのが腟や外陰のかゆみ。何にも集中できず、生きる意欲を失うほどでした。
そこで、女性として生まれた以上は、女性らしく生きるのが当然の権利だと一念発起して、女性ホルモン補充治療以外でGSMを解消する方法を探し、試して、解決してきました。
放っておくと、明らかに女性のQOLが下がります。正しい情報と知識を持ってすれば、GSMは予防できますし、治療もできます」

 

 

閉経前でもGSMかもしれない

ーーーGSMは閉経後3年くらいから出てくるそうですが、閉経前にも出ますか?

「かゆみや痛みなどは、性行為による感染症の疑いもあるかもしれません。ただ、遺伝的問題や環境、生活習慣、疾病などによって女性ホルモンが減れば、GSMのような症状が閉経前に出ることがあります。
また、性交渉を早く卒業するとGSMが進行するともいわれます。ただ、更年期症状がひどいからGSMがひどいかといえば、それらの因果関係は認められていません」

 

 

フェムゾーンは顔と同じ。お手入れしないと劣化する!

ーーーGSMを解決するには、どんな方法がありますか?

「今ではたくさんの解決方法があります。予防とケアを徹底すればGSMにならず、進行させません。特にセルフケアは、日ごろから習慣にすることが大切です。皆さん、顔の乾燥やシワは気になるのに、フェムゾーンの乾燥は気にしていないのでは? 顔と同じで、ケアしないとどんどん劣化していろいろな症状が出てきますから。

ちなみに、最近はデリケートゾーンという言葉が使われがちですが、個人的にはフェムゾーンのほうがいいと思っています。デリケートゾーンだと繊細なところというイメージがあり、触ってはいけないようなイメージを持ってしまいがちになるのでは? フェムゾーンと言い換えることでポジティブな印象になり、積極的にケアしようという気持ちになれる気がしています」

 

 

毎日のセルフケアでは何をしたらいいのでしょうか?

「詳しくは後半でお話しますが、まずは、やさしくキチンと汚れを落として、しっかり保湿すること。また、フェムゾーンを軽くマッサージして血行を促しましょう。
女性ホルモンが低下すると、全身の乾燥が起こりやすくなります。ドライアイ、ドライマウス、そしてドライヴァジャイナ(腟の乾燥)の原因にもなります。

患者さんでパンツがくっつくと訴える方がいますが、それは乾燥しているから。おりものがあって濡れている状態が本来の姿。しっとりしている状態を保つことが、フェムゾーンの健康のカギなんです。おりものシートや尿漏れシートを毎日つけている人がいますが、必要なときだけ使うようにしましょう。擦れてかゆみの原因にもなるし、その刺激が炎症となって繰り返すことで色素沈着して黒ずみにも繋がってしまいます」

明らかにトラブルを感じている人はもちろん、私の症状はGSMなの?と疑問に思ったら、関口先生がオリジナルで考案したチェックリストで確かめてみましょう。

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・20点未満…今のところ安心。だけどGSMになる可能性がないわけではないので、日々のケアを始めましょう。

・20点~40点…中等度以上のGSMの可能性があります。3か月以上セルフケアをしても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。

・40点以上…重度のGSMの可能性があります。急いで医療機関を受診してください。

 

いかがでしたか?

女性ホルモンが、30歳前後のピーク時から1/10程度まで減少することによって起こる、さまざまなGSMの症状。閉経していなくても女性ホルモン分泌が難しくなると、GSMが起こるリスクは高まります。

【後編】は、「GSMケアで重要な、正しい洗浄&保湿のしかた・運動・栄養とは? 具体的なケア方法とおすすめのアイテム」をご紹介します。

 

 

▶つづきの【後編】はこちらから▶腟の健康・ニオイケアには、食事の影響も? 骨盤底筋が鍛えられる身近&手軽なトレーニング方法って?__▶▶▶▶▶

 

 

お話を伺った先生

女性医療クリニックLUNAグループ理事長

関口由紀先生

関口由紀先生

横浜市立大学医学部泌尿器病態学講座客員教授
女性のための情報サイト(株)フェムゾーンラボ代表
日本フェムテック協会代表理事
日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、
日本性科学会専門医、日本骨盤底医学会専門医
医学博士、経営学修士
2005年4月~ 「横浜元町女性医療クリニック・LUNA」を開設。

現在
女性医療クリニックLUNA 横浜元町(更年期以前向け)、女性医療クリニックLUNA ネクストステージ(更年期以降向け)の2つのクリニックを束ね、人生100歳時代の日本の中高年女性の骨盤底・血管・骨・筋肉の総合的な維持管理を提唱し、生涯にわたるヘルスケアを実践している。著書に『セックスにさよならは言わないで』(径書房)、性ホルモンで乗り越える男と女の更年期(産業編集センター)など多数。

 

女性医療クリニックLUNA

神奈川県横浜市中区元町1丁目32

https://www.luna-clinic.jp/

 

 

 

 

 

 

≪ビューティライター 中尾慧里さんの他の記事をチェック!≫

 

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