「今や2人に1人!女性の死活問題です」更年期にフェムゾーンをケアしないと起きてしまう「深刻な事態」とは【医師監修】
OTONA SALONE / 2024年9月27日 12時1分
閉経後に見舞われることが多い、デリケートゾーン(フェムゾーン)の乾燥によるかゆみ等の不快感、尿トラブル、性交痛、性欲低下など。その症状、GSM(Genitourinary Syndrome of Menopause)予備軍かもしれません。日本語では、閉経関連尿路性器症候群といわれる疾病。日ごろからケアすれば予防も治療もできるのに、知識や情報が定着していないため、更年期以降のQOL(生活の質)が大幅に低下してしまう女性がかなり多いそうです。
前編記事に続く【後編】では、女性医療クリニックLUNAグループ理事長の関口由紀先生にGMSの予防法、どんなセルフケアを心がければいいのか、GSMの場合の治療法などを教えていただきます。
◀この記事の【前編】を読む◀GSMは何が原因で起こる? 自分の症状がGSMだと知らず、ケア出来てない人が多いってホント?__◀◀◀◀◀
GSMケアで重要なのは、洗浄&保湿・運動・栄養です
前編に掲載した、関口先生オリジナルのチェックシートで自分がGSM、あるいは予備軍だったとしても、予防法や治療法はあります。
「GSM対策として大切なことは、正しい洗浄&保湿方法、腟を支えている骨盤底筋を鍛えること、必要な栄養をきちんと摂ることです。その中で最も大切なのが、日頃からフェムゾーンのセルフケアを習慣にすることなんです」
フェムゾーンの洗浄と保湿は、顔のケアと同じく習慣に!
「フェムゾーン専用の洗浄剤をよく泡立てて、フェムゾーン全体に泡をすべらせるようにやさしく洗ったあと、ニオイの元にもなる小陰唇のヒダ部分の垢をきちんと落とすため指で挟んで裏表をやさしく洗いましょう。ただし、腟内は洗わないこと。腟のバリア機能を担っている必要な菌まで殺してしまいます。
清潔さを保つことは基本ですが、さらに重要なのが、保湿です。女性ホルモンが低下することで腟も乾燥し(ドライヴァジャイナ)、かゆみや痛み、炎症が出てきます。腟をしっとりした状態に保つことがフェムゾーンの健康のカギ。専用アイテムで、入浴後に1日に1回でいいので、ちゃんと保湿ケアすることを習慣にしてください。こういった基本のケアは、若いころから継続すべきことですが、年を重ねて乾燥などによる症状の治療に通っている方には、1日に2~3回塗ってもらっています。
また、閉経後に乾燥がかなり気になってきたら、マッサージ(※して血行促進させるのもおすすめです。セルフケアを徹底すればGSMになりづらく、進行も抑えることができます」
※マッサージは、オイルがついた人差し指を第二関節くらいまで腟内に入れて押すようにマッサージ。痛みのあるところがないか確認したら、その後ぎゅっと 骨盤底筋で指を締めて持ち上げるで、骨盤底筋がしっかり収縮できるかチェック。そのあとは大陰唇、小陰唇もやさしくマッサージ。
編集部おすすめの洗浄&保湿アイテム
◆ LUNAPRIDE
関口先生が女性医療視点にもとづき、GSM症状緩和のために開発したシリーズ。女性ホルモン様抗酸化物質(月桃、アロエベラ、ハナビラダケエキス、乳酸菌)を独自にブレンド。年齢別ケアのラインナップがあります。
LUNAPRIDE フェムゾーンケアソープ
保湿・抗菌作用のある沖縄産月桃&アロエベラ、腟内を酸性に保つ乳酸菌を独自にブレンドして配合。弱酸性のふわふわ泡で、やさしい洗浄力を実現。
LUNAPRIDE フェムゾーンケアジェル
保湿・抗菌作用のある沖縄産月桃&アロエベラに加え、女性ホルモン様の抗酸化作用のあるハナビラダケエキスを配合。フェムゾーンを乾燥から守る。
◆ イビサビューティー
日本発フェムゾーン専用コスメのパイオニアブランドで、ドライヴァジャイナや黒ずみ、ニオイケア等にもいち早く注目。全品、低刺激かつ効果が期待できる医薬部外品。
薬用イビサソープ ※医薬部外品
ニオイや肌荒れを防ぐ有効成分、天然美容成分6種+ビタミン5種配合で、健やかな肌を保ち、うるおい・ハリ・弾力を与える。フェムゾーンのpH値に合わせた泡ソープ。
薬用イビサクリーム ※医薬部外品
保湿成分を贅沢に14種類配合。美白と抗炎症の有効成分により、気になるくすみも徹底的にケア。うるおい・ハリ・美白が1本で叶う、シリーズ1番の人気アイテム。
※各製品、定期購入価格あり。
◆ SIMPLISSE/シンプリス
美容家・起業家である山本未奈子さんがプロデュース。インナーケアやスキンケアなど女性のためのさまざまなケアアイテムが揃います。
シンプリス センシュアル フェミニン デオウォッシュ
pH6.5の「微弱酸性」の泡でベタつく汚れもすっきり落とし、植物エキスや酵母エキスなどの美容成分が潤いキープ。
シンプリス センシュアル フェミニン デュオセラム
透明感を与えるウォーターベースの美容液とハリ感に働きかけるオイルベースの美容液を使う直前にミックス。
※各製品、初回限定価格・定期購入価格あり。
腟の健康・ニオイケアには、食事の影響も
「ジャンクフードや動物性脂肪の多い食事は避け、野菜や食物繊維の量を増やすことをおススメします。腟と外陰の環境にいいとされるのは、豆腐などの大豆製品、納豆・お味噌などの発酵食品、キノコ類、なめこ・オクラなどのネバネバ食材です。また、たんぱく質もきちんと摂りましょう」
歩行習慣とトレーニングで、骨盤底筋を鍛えられます!
腟は、粘膜・粘膜下組織・筋膜・筋肉という構成になっています。粘膜と粘膜下組織、筋膜は潤いを補給し、腟を支える筋肉である骨盤底筋には筋トレでアプローチするのが有効。
「運動はGSM予防・対策としても大切です。女性ホルモン低下と運動不足で血流が悪くなり、骨盤底筋が弱ってきます。筋トレすれば筋肉が強化され、尿漏れや骨盤臓器脱の予防になるし、血流が良くなって乾燥した腟の症状改善も期待できます。背筋を伸ばし骨盤を立たせて日々しっかり歩くことも、骨盤底筋を鍛えることに繋がります。
私のクリニックでは理学療法士や専任のトレーナーがいて、マンツーマンで骨盤底リハビリテーション、体幹トレーニングを行っていますが、自宅でもトレーニングは可能です。毎日歩くこととトレーニングを続けて、骨盤底筋を鍛える習慣をつけたいですね」
クリニックの治療法でサポート
セルフケアでも改善がみられない、自分のフェムゾーンがどういう状況なのか知りたい。そう思ったらクリニックで診断してもらうのも手。
「症状によっていろいろな治療法を用意しています。女性ホルモン補充治療薬や局所専用性ホルモンオイルやクリーム、尿漏れや黒ずみ、ゆるみなどの対策にはフラクショナル炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザー、ハイフなどの医療施術も。運動療法のメニューもあるので、気になる方は相談してみてください。また、オンラインによる相談も可能です」
閉経後はGSMケアしながら楽しくポジティブに!
「これまで日本人女性はフェムゾーンを触る、フェムゾーンや性交渉に関する話をするといったことがタブー視されてきました。女性ホルモンが少なくなることで、全身の乾燥が起こり、なにもケアしないとさまざまな不調が出てきてしまうことを、女性たちにもっと知ってほしいです。顔も、腟と外陰も同じ皮膚。顔と同じレベルでケアすれば、フェムゾーンはうるおいを取り戻し、GSMのトラブルから解放されます。陰部を陽部と考えてセルフケアに取り組んでほしいです。
そして、更年期の45~55歳はリ・ボーンの時期。女性は家事・子育て・親の面倒など自分を後回しにして生きることが多くなりがちですが、更年期以降は生まれ変わったつもりで、できるだけ自分本位にハッピーに生きていきましょう。そのためにもフェムゾーンの正しい情報と知識を得て、必要なケアをぜひ継続してくださいね」
お話を伺った先生
女性医療クリニックLUNAグループ理事長
関口由紀先生
横浜市立大学医学部泌尿器病態学講座客員教授
女性のための情報サイト(株)フェムゾーンラボ代表
日本フェムテック協会代表理事
日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、
日本性科学会専門医、日本骨盤底医学会専門医
医学博士、経営学修士
2005年4月~ 「横浜元町女性医療クリニック・LUNA」を開設。
現在
女性医療クリニックLUNA 横浜元町(更年期以前向け)、女性医療クリニックLUNA ネクストステージ(更年期以降向け)の2つのクリニックを束ね、人生100歳時代の日本の中高年女性の骨盤底・血管・骨・筋肉の総合的な維持管理を提唱し、生涯にわたるヘルスケアを実践している。著書に『セックスにさよならは言わないで』(径書房)、性ホルモンで乗り越える男と女の更年期(産業編集センター)など多数。
女性医療クリニックLUNA
神奈川県横浜市中区元町1丁目32
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