「不倫はしょせん、まやかし」0才児がいるのに、不倫相手の元に逃げた借金まみれの夫。「土日のスーパーに行くのが辛かった」残された妻の悲哀
OTONA SALONE / 2024年10月9日 16時30分
今井ひとみさんは、北海道で夫婦問題を専門に扱う行政書士。ご自身の離婚経験、シングルマザーの経験をもとにした相談が信頼を集め、不倫カウンセラーとしても活動しています。いわば、夫婦関係や不倫のいざこざを整理するプロといえるでしょう。
本記事では、そんな今井さんご自身の結婚と離婚について聞きました。
20歳の時に職場で出会った同い年の俊さん(仮名)と恋に落ちました。授かり婚をしたのは、それから間も無くのこと。振り返っても、「訳も分からず子どもが結婚した感じだった」と言います。
ガス代が払えず、ガスを止められた
ひとみさんが若くして結婚したのには訳がありました。俊さんの子どもを妊娠したのです。
「いわゆるデキ婚です。21歳の時に子どもが生まれたので働くことができず、彼の収入に頼らざるを得ませんでした。給料から生活費をもらわないと生活できなかったのですが、お金がなくて、電気代やガス代も払えませんでした。
『家にお金を入れてください』と言っても、一向にお金が入ってこなくて、ついにガスを止められてしまいました。赤ちゃんのミルクを作ることもできず、困り果てました。」
実は、俊さんには多額の借金があったのです。税金の支払いの督促状が届くなど、次から次へと借金があることが分かってきました。
「出産前から怪しいなと思うことは時々ありましたが、トドメはガスを止められたことでした。幸い義両親がすごくいい方で、少しは経済的に援助してくれたし、ご飯を持ってきてくれたりして、協力してやっていきましょうという感じでした。」
しかし、夫婦なので毎日同じ部屋で暮らしていかなければなりません。ひとみさんは、仕事を終えて帰宅した俊さんを、「借金はいくらあるの?」「今月の給料はどうなっているの?」と質問攻めにしました。
「俊さんは不動産関係の仕事をしていたのですが、お客さんからもらっていないお金、売掛金がありました。一旦、売掛金を自分で立て替えて、後でお客さんからそれを回収していました。
回収したお金を生活費に充ててくれたら良かったのですが、彼は回収したお金を飲み代に使ってしまったのです。
私は、そんなこと全く知らないので、毎日、毎日聞くわけです。
疲れて帰ってきたのに、やれ今月の支払いがどうとかガス代がどうとか言われて、さぞかし嫌だっただろうと思います。でも、私も0歳児を抱えて必死でした。聞かないわけにはいきません。
毎日私に問い詰められるので、だんだん重荷になってきたのでしょう。俊さんは不倫に走りました。」
帰ってこなくなった夫
やがて俊さんは、取引先の4歳年上のシングルマザーの女性と親しくなり、その人の家に通うようになりました。
「帰ってこないことはしょっちゅうありました。不倫の典型的な兆候です。友達のところに泊まりに行くとか飲みに行くとか、飲んでそのまま車の中で寝てしまったからそのまま会社に行ったとか、あれこれ言い訳しては帰ってきませんでした。
これは不倫している男性によくあることですが、最初は軽いところから始まります。月に一度だったのが二週に一度になり、週に一度になり、週に二度になっていきます。いくらなんでも女がいるんだろうなと想像がつきますよね。車で寝泊まりしているなんておかしいじゃないですか。
その辺りから女の影を感じて、夜中にゴソゴソ証拠を探していたら、二人で撮ったプリクラが出てきて不倫を確信しました。
私は、夫が帰ってこないという異常事態なのに何も感じなくなってきました。感覚がどんどん麻痺していくようでした。俊さんは、ご丁寧に住民票を彼女のところに移動して、別居して出て行きました。
住民票は離婚しなくても移せるんです。住民票を取った時に女性の住所が分かって、女性のところに行きました。」
女性と夫が暮らす家に突撃
毎日お金のことを尋ねられる苦しさから逃れて、女性のところで暮らすようになった俊さん。そこに行けば、何もかも忘れることができたのでしょう。
しかし、離婚問題も借金問題も解決しなければ前に進めません。
「俊さんは車のローンを滞納していました。私が保証人になっていたのですが、代わりに払ったりせず放っておいたので、義両親のところにローン会社から連絡が行ったのです。幸いなことに、義理の両親は協力的でした。
多分、その時は女性にお金を使っていたのでしょう。同棲しているから生活費も入れていたでしょうし、あっちもこっちも回らなくなっていたと思います。
私は、義両親から居場所を突き止めてほしい、探していると伝えてほしいと言われました。住民票から住所を突き止め、多分ここにいるのではないかと話したら、突撃してほしいと言われて実行したのです。」
ひとみさんは、二人が暮らす家に予告なく訪問しました。
「俊さんが出てきて顔を見たとたん、分かっていたこととはいえカッとしました。
『あんた何やってんだ!お義父さんとお義母さん困っているんだよ!』と言ったことは覚えていますが、頭にきていたので何を話したのかあまり思い出せません。
その後、女性に会ったら、『私は、この人と生活していきます』と言われました。悔しいというよりも、わけが分からない感じでした。
あれから20年経ち、不倫のカウンセリングをするようになってから「心の勉強」をしたんです。すると、当時の私の態度が悪かったからそうなったんだな…と思うようになりました。
あの頃は人の心理についての知識がないので、ただ『意味が分からない! わけが分からない!』と思っていました。
サレ妻さんはみんなそうだと思いますが、不倫されていることが現実かどうか分からない、なぜこうなったのか分からないという状態に陥ってしまうんですよね。」
あの人たちは次元が違う
その後、ひとみさんは離婚に向けて動き出しました。俊さんに戻ってきてほしいとは思わなかったと言います。
「戻ってきてほしいなんて全く思いませんでした。どちらかというと、借金まみれの夫を引き取っていただいたという感覚でした。」
この日を境にひとみさんは、養育費の額を決めるなど本格的な離婚協議に入りました。
「別れたいというより、もう女性のところに住んでしまっていて、月に2回ほど洋服など必要な物を取りにくる程度。そんな日が2ヶ月ほど続いていました。
俊さんは私と別れたくてしょうがなかったので、私が『離婚したい』と言ったらすんなり承諾してくれました。
女性と暮らすのにお金が必要だったせいか、家にお金は一切入れてくれませんでした。
その頃、私は職場復帰していて、経済的にはそれでやっていけました。実の両親は車で4、5時間ほどかかるところに住んでいたので頼ることはできず、子どもは保育園に預けました。その分、両親は経済的には助けてくれました。
離婚成立後。相手の女性と話した時、次元が違うところにいるんだなと思いました。
彼女はシングルマザー。同じく“シンママ”になった私に向かって、『俊さんと一緒に借金を返していこうと思います。養育費もちゃんと払います』と言いました。
二人が離婚後に知り合って、たまたまそういう人を好きになったというなら、『勝手にどうぞ』と思います。ですが、わざわざ不倫してまで、借金まぎれの男性を選んだのかどうしても理解できません。
二人は別の次元にいるんだ、すごく低いところにいるんだな…と気づいて、一気に興醒めしました。」
ひとみさんは、不倫する人は不倫脳になってしまうと言います。
「頭の中はお花畑。相手しか見えない視界不良が起きています。
不倫あるあるですが、この人が運命の相手だと思い込んでしまって現実的な問題が頭に入ってきません。
逆境なので運命を感じやすくなり、もう二人は悲劇のヒロイン。戦争をしている隣の国の王子様とお姫様のようになってしまいます。私たちは結ばれてはいけない運命の元に生まれてきたけど、心から愛し合っているよね、みたいな感じになるのが不倫だと思うんです。
でも、結局二人は乗り越えられません。しょせんまやかしなので、その後に破綻します。
俊さんも相手の女性と再婚して子どもができたそうですが、数年後に風の噂で離婚したと聞きました。
女性は最終的には父親の違う二人の子どもを抱えてシングルマザーになってしまいました。それは運命でもなんでもなくて、因果です。不倫の結末、略奪愛の結末は因果応報。自分のところに返ってきます。
不倫して幸せになるというのは成り立ちません。世の原理原則として、人を傷つけて、人を踏み台にした上で幸せになるというのは成り立ちません。
カウンセリングをすると、皆さん、仕返ししてやろうと思うのですが、『あなたは仕返しする必要はない』、と伝えています。因果が起きている訳ですから、あなたを苦しめた、傷つけた二人は、人生のどこかで責任を取るべきだとご説明しているんです」
“シンママ”になってから、スーパーに行けなかった
離婚そのものよりも、シングルマザーになってからの生活が苦しかったと語るひとみさん。
「当時の私は、『どうしてシングルマザーになったんだろう、どうして私一人で子どもを育てているんだろう、どうして実家も遠いんだろう』と、変えようがないことを自問してばかりでした。
スーパーに行くのもすごく辛くて、最初は行けませんでした。
土日のスーパーってお父さんとお母さんと子どもが揃って買い物しているでしょう。そういうのも全然見ることができませんでした。
『あの人にも旦那がいる、この人にも旦那がいる、なんで私はこんなに不幸なんだろう、なんで私はこんなに過酷な状況に置かれたんだろう』と思うと苦痛でした。
でも、振り返ると、それは他責です。私は何も悪くない、なんでこんなふうになったんだろうと思って過ごしていて、あの頃は暗黒の時代でした。
カウンセリングをする時、皆さんにはそんなふうに過ごしてほしくないと思っています。
他人のせいにしてはいけないのです。
事故とかもそうですが、ぶつけられて足が折れても、実際に加害者がリハビリしてくれるのかといったらしてくれませんよね。自分が立ち上がらなければいけません。いくら自分が悪くなかったとしても、そうしなければダメなんです。何でもかんでも他者のせいにして、私は悪くないと思って生きていっても、幸せにはなれません。あいつらはひどかった、あいつらは最低だと思ったところで、自分に何かいいことがあるわけではありません。
そう思えるまでに私は10年かかりました。でも、皆さんは10年もかける必要ありません。できるだけショートカットして進んでいただきたいと思います。」
【後編】では、離婚後の暮らしについて聞きました。不倫カウンセラー・行政書士として、不倫の法的に有効な証拠を押さえる秘訣も伝授してもらいます。
・養育費を確保するために作成しておくといい「公正証書」とは?
・裁判で勝つための「証拠」として使えるもの・使えないもの
・不倫をしている人のスマホ以外から、「証拠画像」をおさえる方法
・不倫現場の証拠をおさえるための「探偵」の効率的な頼み方
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