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「まじですか、合格したんですか」半分落ちる難関資格に塾なし合格した「普通の主婦」が手に入れた「違う世界」

OTONA SALONE / 2024年10月10日 20時1分

日々が飛ぶように過ぎていく中、自分のあり方に漠然と迷う40代50代。まるでトンネルのように横たわる五里霧中ですが、そんな中「ほんのちょっとしたトライ」で自分のあり方を捉えなおすには、「最初の一歩」に何をしてみればいいのでしょうか。体験談をご紹介します。

前編記事『49歳、私の好きなことは「ワイン」。独学で「ワインエキスパート」1発合格を果たした勉強法とは』に続く後編です。

 

アイさん
東京都在住、49歳、ワインショップの販売員。夫、中3と小5の子どもとの4人暮らし。ワインエキスパートの資格を取得し、好きな仕事に生かしている。

【私を変える小さなトライ#7】後編

2次試験対策でワインスクールの単発講座に通い、試験前にはワインを飲みまくる

ワインエキスパートの試験は1年に1回だけ。1次試験は7月から8月、2次試験は10月に実施されます。「受からなかったら、またこんな生活があと1年も続くんだ。絶対に受からないと」と、背水の陣で臨みました。ただただ、「来年もこの勉強をしたくない」っていう思いだけで(笑)。

 

実は勉強を始めてすぐに、インターネットで募集を見つけたワインショップでの接客の仕事をスタートしました。同じ職場でもう一人、ワインエキスパートを受ける人がいて、「私だけ落ちたら格好悪いな」というのもあって、絶対受かりたい、って。2次試験対策は、自分一人で対策するのは難しいので、ワインスクールの単発講座を申し込みました。2次試験の前は毎日、主要6品種のワインを飲みまくりました。

 

今働いている職場では、ソムリエやワインエキスパートの資格をもっていれば、社員は給料に反映されますし、アルバイトも時給がアップします。だから、挑戦する人は多いんですが、大半は落ちる狭き門です。そんなことで、受かったときは本当に嬉しかった。家族から「すごいね」と褒められたし、ママ友からも「この年でもできるんだね。励みになる」と周囲からの見る目が変わりました。自分自身も、大きな自信がつきました。

 

もし、これから独学で勉強するという人がいたら、参考書を何冊も買って、安心するんじゃなくて、自分が覚えやすい、効率のよい方法で1冊の本をしっかりとやることをおすすめします。勉強って、「ノートに書いて、マーカーを引いて終わり」じゃなくて、どれだけ知識が頭の中に入っているかが大事ですよね。 私は子どもの勉強でも、同じようにアドバイスしています。

 

ワインって楽しくて、おいしいんです。もっともっと詳しくなりたい

現在、ワインショップで1日8時間、週3回、接客の仕事をしています。好きなことを仕事にできて、日々すっごく楽しいんです。お店にはギフトをお探しのお客様がいらっしゃるので、お客様のご要望をお聞きして、ぴったりの1本をご紹介しています。これからもいろいろなワインを飲んで、もっともっと詳しくなって、お客様から信頼をいただけたらいいですね。

 

みなさん、「濃い赤が好き」とか「まろやかな白が好き」とか、ワインにもいろいろ好みをお持ちだと思いますが、店員に要望を伝えれば、好みに近いものを探してくれます。ワインバーやワインショップというと、敷居が高いとか、高額なものを売りつけられるんじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

ぜひご自分のお気に入りのワインバーやワインショップを探して、お気に入りのワインを見つけてほしいと思います。ワインって、楽しいし、おいしいんです。皆さんにもその楽しさを知ってほしいなって思っています。

 

「オレンジワイン」の産地、イタリアのフリウリ州にも行ってみたい

資格は取りましたが、ワイン界を10段階で見たら、私のレベルはまだ3くらい。お料理とのペアリングも課題の一つですね。たとえば、マーボー豆腐など脂っこい中華料理だったら、脂を流すさっぱりめの白やオレンジワイン、ロゼなどを提案します。こんなふうに料理の国籍の枠を越えて、さまざまな料理に合わせて、お客様にご提案できるようになりたいです。

 

20年くらい前までは私はフランスのボルドー地区のワインが好きだったんですが、最近はブルゴーニュ地区の赤の「ピノ・ノワール」という品種に魅かれています。フルボディではなくミディアムボディで、香りが強く、余韻が長くて、しみじみとした旨みがあるワインです。造り手さんによっても全然違っています。ワインの世界は奥深いので、もっと詳しくなりたいなと思っています。

 

今、行ってみたい場所は、北はオーストリア、東はスロヴェニアと国境を接する、イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州の「フリウリ地方」。オレンジワインがおいしいところです。オレンジワインというのは、白ワイン用のブドウを赤ワインのように果皮や種と一緒に漬け込んで造られるオレンジ色をしたワインのことです。

 

つい2年前に「自分には何もないな」と思っていた私がいまこうして好きなことを仕事にできるだなんて、アドバイスをくれた元上司にはどれだけ御礼を言っても足りないくらいに幸せです。知りたいこと、やりたいこと、行ってみたいところもたくさん増えて、未来に向けて夢が広がり続けています。

 

前編記事>>>「私には何もないな」と思っていたけれど。49歳が「ワインエキスパート」資格に挑むまでの紆余曲折

 

 

【編集部より】

白髪染めをやめた。矯正を始めた。ドライヤーを買い替えた。骨密度検査をした。習字を始めた。寝る前にストレッチを続けている。資格を再取得した。ママ友と温泉旅行に行った。2㎏やせた。子どもとオンライン英会話を続けている。断捨離した。終活してる。離婚を決意した……

あなたの「小さなトライとその気づき」もぜひ教えてください。こちらから

 

≪ヘルスケアライター 野添ちかこさんの他の記事をチェック!≫

 

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