【アンナよりご報告】突然の発熱、入院。肺炎の診断を受けて、抗がん剤がいったん延期になりました
OTONA SALONE / 2024年10月1日 7時33分
こんにちは、梅宮アンナです。私はステージⅢAの「浸潤性小葉がん」を治療中です。7月31日にスタートした抗がん剤「術前化学療法」のうち「AC療法」が終了したところで、アクシデントが発生しました。そのご報告です。
【独占連載「アンナの日々」#3】
思いがけない発熱、診断は肺炎。抗がん剤が延期になりました
9月25日から「術前化学療法」の2ステップめ「パクリタキセル」をスタートする予定でしたが、その直前の23日、突如として発熱に見舞われました。しかも39度台後半の超高熱。これはコロナに感染したなと思い、24日の朝に病院に連絡を取ってもらったら、すぐに発熱外来に来てくださいと言われましたが、もうだるくてだるくて、動けなくて。結局14時過ぎにたどり着きましたが、コロナもインフルエンザも陰性で。じゃあ何?と
39度8分の熱なんて、私の人生初です。咳はないものの、ひどい倦怠感、そして血圧も異常に低くて。90⁻57くらいですね、普段は110⁻80ほどの健康児ですが。病院に着くやいなやレントゲンをすぐ取って、そのあと気管支鏡での肺の検査もあって、その結果が今日30日に確定しましたが、カリニ肺炎でした。少し動くと血中酸素濃度も90%を割ってしまい、鼻に酸素を入れる「鼻カニューレ」を24時間ずーっとつけています。これがないと苦しいのです。ひどい貧血も併発しています。
主治医の説明では、カリニ肺炎(いまでは「ニューモシスチス肺炎」と呼ばれます)とは膠原病の方、私みたいに抗がん剤で免疫が低下している方、そしてHIV感染者の方に好発する病気で……「ええっ、先生、私HIVですか?」って聞いちゃったら「違います」と冷静にお返事をいただきました。先生はいつでもクールです。
このカリニ肺炎の治療薬としてバクタという薬を1日12錠飲むのですが、これがまあ、食欲が失せてしまうのです。いまはがんの治療スタート以来初の、食欲がないという状態にあり、非常にダメージを受けています。
このような流れで、私の治療計画は変更になりました。10月5日には主婦の友社のイベントにゲストでお招きいただいていましたが、今回は苦渋の決断で、中止とさせていただくご案内をお送りしたところです。このあとどういう治療になっていくかは、いまはちょっと未知です。このカリニ肺炎をいったん治療してからまた抗がん剤に戻るのかもしれないし、抗がん剤をスキップして次の手術に進むのかもしれない、まったく見えません。
泣いて泣いて、もう前に進めないかもしれないというところまで気持ちが落ち込みました
いまこうして元気を出してお話していますが、実のところはへとへとです。ちょっとの間、元気ではないアンナを許してほしい。私もまさか肺炎になるとは思っていなくて、入院して2、3日は看護師さんが入室するたびに泣いて泣いて相談していました。「私、がんではなくて合併症で死ぬのかな?」なんてことも含めて。
あまりに高い熱が出るのが心底怖かったし、すぐに気管支鏡検査の結果が出なかったのも怖かったです。これだけ高熱だと動きたくても動けなくて、動けないのと薬の副作用との両方で食欲が激減、水分も摂れなくなって。こうしていても私のエネルギーがどんどん低下していくのが自分でわかります。
ずっとそれなりにがんばって抗がん剤治療に挑んできたけれど、やっぱり体は正直だなって思いました。頑張って無理をしていた、無理して頑張らないとならない治療ですからそれはもちろん、そういうものです。そもそもダラダラとやるものじゃないし、おかげでリンパ節の転移部は小さくなったので治療そのものはプラスです。でもやっぱり、怖くなっちゃったんだよね。かといってほかの選択肢があるかというと、私の中にはない。結論、もう二度とがんになりたくないし、なっちゃいけない。また、こんな思いをする人がいてはいけないと改めて思いました。
食欲は思っていたよりはるかに私のコンディションに影響しています。一昨日は食欲が出たので一瞬元気でした。肺炎の薬、バクタの副作用で食欲がなくなった瞬間から、私はもう未来がまっくらに感じてしまって。食欲がない、食べられないことを恐れているんですね。
食べないといろいろなことが回らないし、水分摂取量も少なくなります。本当は1日に水分をペットボトルを3~4本飲まないとならないけど、動いていないから喉も乾かないんです。本当に、食べること、飲むことはすごく大事。今回はじめて「気持ち悪い」「食べられない」気持ちがわかりました。どんなに食べなよと勧められても全然いらないし、そもそも食べたいものがないんです。バナナジュースやパウチドリンクを持ってきてもらってカロリー補給をしています。咳がないだけマシなんだろうと思っています。
でも、これはあくまでも私に起きたこと、誰にでも起きるわけではない。みんな希望を見失わないで
抗がん剤でこんなにダメージを受けるだなんて、驚きとしか言いようがありません。でも、これはあくまでも私だからこうなっただけで、ダメージをまったく受けない人もいるし、同じように受ける人もいます。こればかりはやってみないと誰もわからないのです。
だから、このコメントを読んでいる方、「アンナちゃんがダメージ受けていたから私も……?」なんてビビらないでほしいのです。副作用の出方はそれぞれで、ちゃんと治ってる人もいます。それをダメだとか、つらいよとか、やめたほうがいいよみたいなことは私は言いたくない。確かにいましんどい思いをしているけれど、私は「しんどい、しんどい」と伝えるのはイヤだなって思っているのです。誰かの熱意や希望、前向きな気持ちに水を差すから。
今回、治療スケジュールが変更されました。私は登山と同じように、登頂の目標があって自分で山を選んでこの治療という山を登ってきたと思っています。そういえば、主治医の先生がいちばん最初に、「治療は登山と同じで、時に嵐がやってくることもあります。そういうときは小屋に退避して作戦を練りましょう。でもそれは予定の範囲だから決して落ち込まないで」と言っていました。まさに今回はそれです。
ただ、ショックだったんだよね、前に進めないのが。前に進みたいという気持ちだけでもダメ、体がついてこなかった。ここまでの約2か月、みなさんからの応援を勇気に替えて、ひたすら気合で頑張ってきたけど、心がぼきって折れちゃった感じでした。だけど、私は大丈夫、ちょっとお休みしたらまた前向きに私のジャーニーに乗り出します。ちょっとの間、お休みさせてくださいね。
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