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「このまま低身長だったらどうしよう」「エッチなものを見た履歴が!」思春期のわが子と、どうやって向き合ったらいい!?【わが家の場合】

OTONA SALONE / 2024年10月8日 11時0分

静岡県三島市在住のライター神田未和です。看護師・助産師としてキャリアをスタートし、グローバルヘルスの世界で働いてきました。夫の闘病生活を機に取材ライターに転身し、女性のライフステージに応じた健康支援活動や啓発をライフワークとして執筆しています。

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オトナサローネ世代には、思春期のお子さんがいるご家庭も少なくありません。

思春期の子育てはそれまでの育児とは違った意味で、難しいと言われています。多感な年齢の子どもと「性の話」をすることは、さらに難しいと感じる親御さんが多いようです。ある調査(※1)では、「性教育に自信はありますか?」の問いに「自信がない/あまり自信がない」と回答した保護者は83.5%にものぼりました。

 

母親を対象とした「2021年全国おうち性教育実態調査(※2)」では、子どもの性に関することを相談する相手として最も多く挙げられたのが「配偶者70.4%」で、「友人や職場の同僚23.1%」、「自分の親21.9%」が続き、「誰もいない」と回答した女性は13.7%でした。デリケートな話題なので、相談できる相手も限られ、ウェブ上には一般的な情報はあっても、1人1人に合った情報ではなく、実体験を共有できる口コミが少ないのが現状です。

そこで、思春期の子どもをもつ親御さんのリアルな悩みや、その対応策についての体験談を共有するシリーズが始まりました。誰かの体験談をきくことで、自分では気づかなかった点に気づき、気心の知れた友達と話した後のように心がふっと軽くなり、「わが家の思春期」対応の糸口が見つかるかもしれません。

 

インタビューを受けてくださったのは、ある地方都市に住む、夫婦共働きで、中学3年生と中学1年生の男の子の育児に奮闘中のYさん(43歳)。親子仲は良好です。

 

【思春期こども #1 発達の遅れ&性の目覚め 編】前編

ダメだと分かっていてもついつい比べてしまう、発達の遅れの悩み

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思春期には、「第二次性徴」とよばれる身体の変化が起こります。身長が伸びたり、体毛が濃くなったり、男の子では声変わりする、女の子なら乳房が膨らんでくるなどの変化です。この変化とともに性への興味や好奇心も強くなっていきます。この第二次性徴の個人差に悩む親御さんも少なくないようです。

Yさんもそのうちの一人でした。

 

―――お子さんが、第二次性徴期の自分の体の変化を受け入れる過程で、戸惑ったことはありますか?

息子が中2の頃、体の発達が周りと比べて遅く、声変わりもせず体毛も生えなくて、周りと比べてはいけないと思いつつも比べてしまい悩みました。いろいろ調べても、いつ成長が止まるかとか、何が正常なのかもわからないし、病院に行くべきかどうか悩みました。

息子は矯正をしていたのですが、通っていた歯科医院の医師から「中2になったら成長は終わり」って言われたんです。それがすごいショックで……。歯科医師で思春期の専門ではなかったですけど、お医者さんが言うんですもん、すっかり信じていました。

でも、息子の同級生のお母さんに、私と同じように、息子さんの成長が遅いことを心配していた方がいて、その人は専門の病院に行ったそうなんです。すると医師から、「下の毛が生えた時点で成長は止まる」と言われたそうで。それを聞いて、うちの子はまだ生えていなかったのでちょっと安心しましたね。

結局、息子は中1の頃、130センチ後半だった身長が、中2の終わりから一気に伸びて167センチになり、ほっとしました。

 

 

―――どのようにお子さんに声かけて、寄り添っていたのでしょうか?

「必ず父ちゃん母ちゃんの背は抜けるし、必ず強くなる」って伝えていました。何の根拠もないんですけど、柔道を一生懸命やっていたので、そこに重ねる感じで。

中2の修学旅行の出発前、お風呂の時間の心配をしていたようだったので、「どうなの、 恥ずかしい?」って聞いてみたんです。そしたら、「ちょっと恥ずかしいけど、そこまで見てくるやつもいねーし」と答えていました。

私は、「多分みんな生えているから、ちょっと嫌と思うかもしれないけど、そこは自信を持って、堂々と隠さずに行けー!」って送り出しました。結果、うまく対応できたみたいです。

小学校5、6年生のときは、発達が早い方が、「あいつ生えてるんだよ」と言われてしまうので、すでに生えている子は隠していたようですが、中学生になると逆転して、「あいつ生えてない」って言われるから隠すようになるみたいです。その時代を彼はうまく乗り越えたんでしょうね。

周りでは、脱毛も流行っていたので、「生えなくてよかったじゃん」って言ったことがあるんですが、息子は「1度は生えてみたい!」って言っていましたね(笑)。

 

 

思春期は、医学的には「第二次性徴の発現の始まりから成長の終わりまで」と定義されます。世界的に、おおむね10歳から19歳頃までの時期を指しますが、個人差が大きく、性差や栄養状態なども影響することから、期間を特定するのは難しいです。

体の中に変化が始まる仕組みがあって、ある時、その仕組みが働き出します。脳の「視床下部」と「下垂体」がその働きをしています。最終的には、脳の下垂体から分泌されるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)が分泌され、精巣から男性ホルモン、卵巣から女性ホルモンが出されます。ホルモンは、血液によってからだの各部分に運ばれ、二次性徴が発現し、大人の体へ変化します。

 

Yさんやその息子さんのように、明るく前向きに友人と接することができれば良いですが、そうでない場合は、かなり精神的な負担が大きくなるかもしれません。

ホルモンの問題は内分泌系疾患に分類されます。には、『成長について心配なことがあれば、早めにかかりつけの小児科医師あるいは小児内分泌専門医に相談することをお勧めします』と書かれています。に、全国の専門医のリストが掲載されていますので、参考にしてみてください。困った時に相談できる場所を知っておくと、いざというときに役に立つかも知れません。

 

プライベートを尊重するからこそ踏み込みにくい「性の目覚め」への対応

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 ―――昔と異なり、性的な情報にSNSやネットを通じて簡単にアクセスできるようになった現代ですが、性の興味に関することなどをどのように見守っていますか?

自分の頃と比べて、今の子のほうがさまざまなことを学んでいると思うので、わが家は余計なことは言わないスタンスです。ネットには間違った情報もあるだろうから、違うことは違うって言ってあげたいけど、私も親に1から10まで教わった訳でもないし、夫とは「自分で経験しながら学んでいくことも大事だよね」と話しています。
ただ、息子には、「赤ちゃんだけは気をつけるようにしなさいよ」と念をおしています。ここが最終地点と思うので。相手を傷つけ、お互いに傷ついてしまうことを心配しています。まだ早いかなと思うけど、すぐそこだとも思っています。

 

 

 ―――その念押しは、お子さんが何歳の頃から始めたのですか?

中1の夏休みに、携帯にエッチなものを見た履歴が残っていたんです。その時に「見たでしょ」とは言わず、「コンドームしないでエッチをすると妊娠や性病になることもあるよ」って伝えました。大雑把ですけど。

夫と息子はすごく仲良くて、コミュニケーションがよくとれているので、任せているところは大きいです。
例えば、夫が見ていた洋画で、エッチなシーンが出てきたとき、息子は下半身が反応したことを隠そうとしました。それに気付いた夫が、「それはふつうの反応だよ、恥ずかしくないんだよ、大人になったなー」って伝えていました。
彼はそれを聞いて誇らしく思えたはず。隠してどっかに行かせず、すかさず正しい知識を伝えるための機会へ転換した夫の対応はすごいな、私にはできなかったなと思いました。
息子のプライバシーもあるから、踏み込めないこともあるけど、自分の子を守るために、言える親でいたいですね。性って恥ずかしいと思うかもしれないけど、人間として生まれ持った当たり前のものですから。

 

 

思春期には、体と心の両面が子どもから大人へと大きく成長します。不安定な時期ゆえに子どもが抱える不安や戸惑いは大きく、前向きな気持ちを持てるようなサポートが大切になります。茶化したりせず、毅然とした態度で話すことはとても重要です。

Yさんは夫と連携しながら、予期せぬ妊娠を防ぐことを第一に、経験から学んでもらうアプローチをとっていました。携帯の履歴などから性の目覚めを感じたときに、さりげなく話を切り出したり、映画やテレビドラマでそういうシーンが流れたときの息子さんの反応に「ふつうのことだから大丈夫」と安心させる対応は、息子さんも恥ずかしがらずに済みますし、参考にしたいアプローチです。

 

思春期のお子さんとのコミュニケーションが難しく感じることは、決して珍しいことではありません。Yさんご夫婦は、普段からお子さんと良好なコミュニケーションを築いており、その上で、お子さんを尊重しつつ、『自分と子どもは別の存在』といういい距離感が保たれていると感じました。インタビュー中に何度も口にされた『彼のプライベートもあるし』と言う言葉が、とても印象的でした。

 

 

▶つづきの【後編】では、令和の思春期こどもの事情あれこれとして、子どもの「脱毛」についてお届けします。今の小・中・高校生は、脱毛している子が多いというウワサを耳にしますが、本当なのでしょうか⁉ __▶▶▶▶▶

 

 

【参考資料】

 

 

 

≪ライター 神田未和さんの他の記事をチェック!≫

 

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