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パチスロ依存で借金三昧の夫が消えた!「失踪中で、離婚さえできない」工場勤務で食いつなぎながら、サロン主宰の「夢を叶えた原動力」とは

OTONA SALONE / 2024年10月5日 19時0分

過去1年のギャンブル依存が疑われる人(18~74歳)の割合は1.7%という、厚生労働省の調査結果(2023年度実態調査の報告書 速報)があります。前回、20年度の調査結果の1,6%とほぼ同水準で、年代別にみると40代2.4%、30代2.1%の順に多い結果に。

 

最もよくお⾦を使ったギャンブルの種類は、パチンコ・パチスロが最多で、ギャンブル依存が疑われる人の過去1年以内の賭け⾦は、平均で1か⽉に約5.8万円(中央値は4.5万円)だそうです。

 

ギャンブル依存症は、

  • ギャンブルにのめり込む
  • 興奮を求めて掛金が増えていく
  • ギャンブルを減らそう、やめようとしてもうまくいかない
  • ギャンブルをしないと落ち着かない
  • 負けたお金をギャンブルで取り返そうとする
  • ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする

といった症状が特徴的です。

街の駅前には遊興施設が並び、パートナーや家族が休日にパチンコやパチスロに興じるという家庭は一定数存在するようです。そして思った以上に、ギャンブル依存の危険性は身近にあるのかもしれません。

 

本日ご紹介する女性も、パートナーのギャンブル依存に苦しまされたおひとりです。

 

■カオリさん(仮名・57歳)

東京にて手づくりお菓子教室を主宰。「お店で買ったケーキかと思った」「スイーツ嫌いの旦那がこれだと食べる」「お菓子作りは苦手だったけど、このレシピなら失敗なしで作れる」など喜びの声が飛び交う、キャンセル待ちの大人気教室です。

 

天職だと思った仕事、出張の多さから結婚を機に退職

千葉生まれのカオリさん。短大を出てから営業事務として就職します。その頃の日本はバブル時代。ボーナスは海外旅行やスキーで消えるなど毎日楽しく遊び歩く日々を送る中で、30歳のときに同じ会社の年下男性と結婚します。
「一生遊んでいるだろうと思われていたので、結婚したと言ったときは周りに驚かれました」と言います。

 

取引先からも可愛がられ、天職だと思うくらい楽しくしていた営業事務の仕事でしたが、結婚後すぐ取引先に半年間の出向を言い渡され、退職を決意しました。小さい頃からお菓子が好きだったこともあり、自宅でお菓子教室を始めます。

 

 

借金とパチスロ依存が発覚した夫が失踪

昼間はお菓子教室を開催し、夫の帰りを待つ日々。何の不満もない日々が流れますが、ある日、夫に変な電話がかかってきます。何度要件を聞いても「本人に伝えるので」といって取りいってくれません。でも1日1〜2回かかってくる電話にカオリさんは「おかしい」と思い、夫を追及します。

 

なんと電話は借金取りからで、その額350万円。
怒ったカオリさんは夫の両親を呼び出します。

 

「夫の両親が謝ってきて、借金を肩代わりしてくれました。お義母さんからは『お金を肩代わりするからいいでしょ』と言われたんですが、そんな問題じゃない、甘いなと思いました。
さらにそのときに夫が失踪したんです。夫の両親が興信所に依頼して2日後に見つかったけど大変でした」
とカオリさんから衝撃発言が飛び出します。

 

実は夫は結婚前からパチスロ依存。借金はすべてパチスロで作ったものでした。
そんな過去や借金の存在を知らずにいたカオリさんは、夫から電話がかかってきて「あと1万円あったら出るんだけど」と言われたらすぐにパチンコ屋にお金を持っていってしまっていたんだとか。
夫にとってパチスロの存在は大きいものだったようで、「一緒にパチスロに行くのが夢」と言われていたそうです。

「私自身、賭け事NGの家で育ったこともあって一緒に行くことはありませんでした。もし一緒に行っていたら止めることもできたかな、と当時は思うこともありました。けれど、私のなかでいい印象がない娯楽だったので、もしも当時に戻れたとしても一緒には行かなかったでしょうね」
とカオリさんは振り返ります。

 

しばらくは平和に過ごしていたある日、共通の友達から電話がかかってきました。
「旦那さんからお金を貸してと言われて…大した金額じゃないし貸すのはいいのだけど、カオリちゃんが知らないのはいけないと思うから」と言われ、2回目の借金が発覚します。

 

 

3回目の借金と別居開始

2回目の借金問題が落ち着いたある日、夫の会社の上司から、夫が出勤していないと電話がかかってきました。毎日お弁当を作って朝送り出しているのに何が起こった?と思って夫を問い詰めると、会社に行かずにパチスロに通っていたと言われ、3回目の借金が発覚。

それでも「この人は私がいないとダメなんだ」と思っていたカオリさん。
とはいえ、このままでいいとは思えなったので、頭を冷やしてもらうために夫の両親に連絡をし、夫を実家に帰らせました。

 

実はそのとき、カオリさんのお父さんは脳梗塞で手術を終えたばかり。カオリさんは父親に心配をかけたくないため離婚を決意することはできず、実家に帰ることもできませんでした。

疲れきったカオリさんは一番仲の良い親戚に相談します。
「カオリの幸せを考えなさい」と言われ、「自分の幸せを一番に考えたときに別れるしかないと思った」と離婚を決めました。

そのタイミングでお菓子教室をやめて、商社に正社員として再就職をします。
ところがすぐに怒鳴る本部長のパワハラと、同僚の女性からのセクハラに悩まされます。同性からのセクハラは誰にも相談できず、3ヶ月で退職することになりました。

 

「お菓子でやっていこう。趣味じゃなくて、きちんと学ぶんだ!」と決意し、42歳から製菓の専門スクールで学び始めます。
しかし、夫は借金返済中のため家計は火の車。そこで工場の夜勤バイトを始めました。

 

 

昼はスクール夜は工場バイト、そして2つの事件

忙しい毎日の中で2つの事件が起こります。

ひとつめは、同じスクールで学んでいた知人が不動産の詐欺事件で逮捕されたのです。スクールの中で唯一おしゃべりをしたり、メールのやり取りをしたりしていたカオリさんは警察に事情聴取に呼ばれます。検察側からは裁判の証人尋問にも出る必要があると言われます。
海外旅行が好きだったカオリさんはお金を持っていると。その人に狙われていたのではないかと何度も警察から話を聞かれますが、けっきょく真相は分かりませんでした。

 

そしてもう一つの事件。
そろそろ離婚の話を進めようと思って電話をしたところ、夫が再び失踪したことが分かりました。夫の実家も連絡がつかないと大騒ぎ。パチスロ中毒になっていた夫は会社にも行かなくなり、休職していたことも聞かされます。

 

その間カオリさんは工場バイトを続けることに限界を感じ、自宅で細々とお菓子教室を再開して生計を立てていました。
「早く出てきて離婚に応じろ!」そう思いながら夫の実家にときどき電話をするも、帰ってきたという返事は来ず、2年間、音信不通の日々が続きました。

 

とうとう夫の母親から帰ってきたと電話が来ます。やっと見つかった夫と離婚の話し合い。「会ったとき、人相が変わっていて最初気づかなかったの。10年も一緒に暮らしていたのに」とカオリさんは語ります。
夫との離婚話自体はスムーズに進んだものの、慰謝料で揉めます。取るもの取らなきゃ!とカオリさんは思い、会社に積み立てていた金額の半分をもらいました。

 

 

本記事では、夫のギャンブル中毒と借金に苦しめらながらも、ようやく離婚にこぎつけられたカオリさんのこれまでをお届けしました。

▶続きの【後編】では、お菓子教室で生計をたてたいカオリさん。離婚後、夫とのトラブルとはまた違う苦難がいくつも押し寄せます。__◀◀◀◀

 

 

取材・文/今井佐和子

 

≪主婦の友社 OTONA SALONE編集部さんの他の記事をチェック!≫

 

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