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「鍵を開けて入ってくる人がいる」「敵を追い出す!」と玄関に座り続ける義母。知っておいて!「妄想」も認知症の症状のひとつなんです

OTONA SALONE / 2024年10月10日 11時15分

こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。

 

2年前、我が家の近所(高齢者専用住宅)に越してきた義母。当初は新しい住まいを気に入り楽しそうに過ごしていましたが、すぐに認知症の症状が進行し始めます。

 

【アラフィフライターの介護体験記】#4

 

▶前回の記事を読む▶▶ 義母の家で付着する「白い粉」の謎。「まさかお風呂入ってないんじゃない?ちょっと臭う」。入浴拒否は認知症の初期症状かも

 

▶▶「監視カメラで見られてる!」加速する義母の妄想、認知症の症状だった!

「監視カメラで見られてる!」一気に加速する義母の妄想

田舎で暮らしていた頃は、「温泉好き」だったお義母さん。新しい住まいでも、最初は「お風呂場が綺麗でいいわね~」とうれしそうに言っていましたが、徐々に入浴や洗髪を拒否し、「お風呂は毎日入ってる」と嘘をつくように。その後、夫が時間をかけてお義母さんの“ホンネ”に迫ったところ、「お風呂に入らなかった理由」が分かってきました。

 

【義母がお風呂に入らなかった理由】

1.シャワーの使い方、お風呂の沸かし方が分からなくなった

2.浴室の雰囲気が怖かった(特に壁の色) 

3.浴室に監視カメラが付いていると思っていた

3.については、24時間コールセンターにつながる「通報装置」を「監視カメラ」だと思い込み、「だってお風呂に入ってる様子を見られてるんでしょ。そんなの恥ずかしいじゃない!」と言って、激しく拒否。

 

さらに入浴以外にも「監視カメラで見られてる!」と、部屋の中央に置いてあったテーブルを隅の方へ移動させ(ここなら映らないという判断)、日中もカーテンを閉め、家の中でも落ち着かないようになりました。

 

恐らく、お義母さんにとって生まれて初めて目にする「通報装置」たるものは、“恐怖の物体”だったに違いありません。幾度となく「これは監視カメラじゃないよ」と伝えても、一度植え付けられた「負の記憶」が消えることはなく……。

 

ところが後日、お義母さんから元気な声で連絡がありました。

義母:「(マンションの)1階でお会いした方が親切でねぇ、『何か困ってることはありますか?』って言うから、カメラのことを聞いてみたの。そうしたら、『静かにしていれば、カメラに映らないから大丈夫!』って教えてくれたのよ。だから、できるだけ音を立てないように気をつけてるの」

夫:「……」

 

この“1階でお会いした方”については、その後も特定することができず、実際にそんな会話があったことすら、いまだに謎のまま。そしてこれ以降、お義母さんは音に対して敏感になり、「くれぐれも、部屋の中では静かにして!」とお願いされるようになりました。

 

「敵を追い出す!」という新たな目標で前向きに?

 

ある日、頼まれていた食品などを届けようと義母宅のドアを開けると、玄関にお義母さんが座りこんでいます。思わず大きい声が出そうになるのを抑え、「なぜここにいるんですか?」と聞くと、こんな答えが!

 

▶▶「私が見張っているの」訪問するたびに玄関に座っている義母に困惑

義母:「今ドアの辺りに誰かいたでしょ? さっき鍵を開けられそうになったから、ここで“番”してたのよ」

私:「い、いやっ……誰もいませんよ。それよりお義母さん、お茶にしましょう~(汗)」

 

と、突然の言葉に動揺しつつ、買ってきたお菓子で「釣り」、何とか玄関から中に入ってもらいました。しかし翌日、再び夫と訪れた際も、お義母さんはまったく同じ場所に座っています。

 

夫:「どうしたの? 中に入ったら?」

義母:「ほら、鍵を開けて入ってくる人がいるかもしれないでしょ。だから、見張ってるの。ここなら、すぐ追い出せるしね」

 

「敵の存在(幻)」によって、昨日よりも生き生きしているお義母さん。しかも「追い出せる」って、めちゃめちゃ頼もしい(笑)。と、一瞬ほっこりしたものの、すぐに「このままじゃマズイよね」と焦り始める夫と私。

 

認知症の代表的な症状の一つである「妄想」。次の日、かかりつけ医にこの状況を伝えると、「環境の変化などによる不安や孤独感が、今回のような『妄想』を引き起こした可能性がある」との話がありました。引き続き処方された薬を服用するとともに「昼間はできるだけ家の中にこもらず、外で活動するように」と、デイサービスの利用を勧められます。

 

さっそくケアマネージャーに相談したところ、家の近くにある機能訓練型デイサービス(歩行訓練、体操、マッサージ、脳トレなどを行う)を紹介され、まずは見学することになりました。

 

▶▶次のページ 「お年寄りが行くところよ」とデイサービス通いを拒否。そして突然、義母がキレた!「お帰りください、出口はあちらです!」と追い出される私。どうやって外に連れ出せばいいの?

 

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≪ライター 小林真由美さんの他の記事をチェック!≫

 

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