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「あんな怖い顔初めて見た」認知症になった義母の冷たく他人行儀な態度に困惑。さらに私を限界に追い込んだ「夫のひと言」

OTONA SALONE / 2024年10月25日 11時15分

こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。

 

2年前、我が家の近所(高齢者専用住宅)に越してきた義母。当初は新しい生活を楽しんでいましたが、しばらくすると認知症が進行し、「監視カメラで見られてる!」「鍵を開けて入ってくる人がいる」など、「妄想」のような症状が見られるようになりました。

 

【アラフィフライターの介護体験記】#5

 

▶前回の記事を読む▶▶ 「鍵を開けて入ってくる人がいる」「敵を追い出す!」と玄関に座り続ける義母。知っておいて!「妄想」も認知症の症状のひとつなんです

 

まるで誰かが「憑依」してる? 突然、丁寧語で話し始めた義母

医師より「引きこもり」の対策として提案され、一度は見学に行ったデイサービスを、「だって“お年寄り”が行くところでしょ!」と拒否するお義母さん。一方、夫と私は引きこもり生活が長引き、「妄想」が酷くなることを避けたい一心で、別のデイサービスへ見学に行こうと誘ったのですが……。

 

最終的には「もう、うるさい!! デイサービスなんて行かない!!」とお義母さんは怒りをあらわにし、「お帰りください、出口はあちらです!」と、私を玄関へと押し出したのです。

 

驚いたのは、お義母さんの「顔」。確かにこれまでも、怒ったりイライラしたりする表情を幾度となく目にしてきましたが、今回はまるで誰かが「憑依」したように感じるほど、まったくの別人に見えました。

 

他人に話すかのような丁寧語にも衝撃を受け、「もしかして、誰だか分からなくなったのかも」と不安な気持ちも押し寄せます。しかし、玄関へと押し出された私は戻ることもできず、義母宅にいる夫を残し、私だけ仕方なくそのまま帰路に……。

 

先に家に帰って一息つくと、突然「悲しい」という感情に押しつぶされそうになりました。どうやら私は、予想以上にショックを受けていたようです。(あんなに怖い顔のお義母さん、初めて見た。デイサービスが相当イヤだったんだ。しばらくデイサービスの話はなしにしよう。でも、謝るならデイサービスの話題を出さないのは不自然だよね。いや、謝るのも違うか……)と、あらゆる思いが駆け巡り、頭が混乱した状態に。

 

しばらくすると、やや疲れた様子で夫が帰宅。お義母さんも感情的になっていたので、「疲れたり落ち込んだりしているのでは?」と思いながら状況を聞くと、意外な言葉が待っていました。

 

「もう、ムリ!! 限界!!」止まらぬ愚痴とイライラで介護ストレスMAXか?

 

「『2人ともデイサービスに行け行け、本当にしつこい!!』ってずっと文句を言ってたけど、少ししたら田舎の友だちと楽しそうに電話してたよ。終わる気配がないから、『帰るよ』ってメモを渡したら “しっし”(帰れ、帰れ)ってされた(汗)」とのこと。

 

「とりあえずは落ち着いたようだし、まぁ良かったよ」と、ホッとした様子の夫の話を聞いた途端、私は心の中に強い“モヤモヤ”を感じます。そのモヤモヤは、次第に怒りの感情へと変化し、お義母さんが認知症であることも忘れかけ、「もしかして私だけストレス感じてる?」という気持ちでいっぱいになりました。

 

「せっかく良さそうなデイサービスを見つけたのに、何で怒られなきゃいけないの?」「何で帰れ!!って、追い出されるの?」「楽しそうに電話してるって、嘘でしょ?」と、愚痴は一向に止まらず……。

 

次の瞬間、ついに感情をコントロールできなくなった私は「もう、ムリ!! 限界!!」とけっこうな大声で叫んでいました。

 

▶▶次のページ 「もう無理、限界」と思った私を救ってくれた。「祖母の介護を全うした亡き父の教え」とは?

 

≪ライター 小林真由美さんの他の記事をチェック!≫

 

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