41歳男性「オンラインゲームが僕のすべてになっていた」案外多い、夫婦仲の崩壊のきっかけ 【レスに至ったまさかの原因】
OTONA SALONE / 2024年10月27日 21時0分
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。
つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。
今回は 神戸市在住の岡田さん(仮名)は、41歳の金融会社勤務の男性です。39歳の妻(専業主婦)と3歳の息子と暮らす彼は、結婚年4目にして深刻なレスに悩んでいます。社会課題として男性側の視点から執筆を続けるライター・山下あつおみが、彼の苦悩や葛藤、そして選んだ解決法についてインタビューしました。
【無子社会を考える#20】前編
オンラインゲームが関心を奪った日々
岡田さんが直面したレスの原因は、一般的に考えられる仕事のストレスや疲労、パートナーとの関係性の問題ではなく、非常に意外なものでした。それは、趣味であるオンラインゲームに没頭しすぎたことで、妻との親密な時間が失われてしまったことに起因していたのです。
「気づいたら、妻との時間がすっかり減っていました」
このように岡田さんは語り始めました。オンラインゲームを始めた当初は軽い気持ちで始めたものの、すぐにその魅力に引き込まれていったそうです。。
「最初は友人に誘われて一緒にやってみよう、という軽い感じでした。仕事が終わった後の息抜きみたいなものですね。ですが、次第にゲーム内の進行やランキング、毎日のログインボーナスなどが気になり始めて、いつのまにか夜遅くまでゲーム画面の前で過ごすことが増えました」
ゲーム内での競争や進行状況が気になり始めると、次第に日常生活にも影響が出てきました。岡田さんは、仕事が終わるとすぐにゲームの世界に没頭するようになったのです。
「いつしか帰宅しても、ほとんど妻に話しかけることなくスマホの電源を入れていました。気づいたときには会話が減って、ついにほとんど話さなくなってしまったんです」
ゲームにハマった岡田さんはいつしかゲームの世界で生きる時間が長くなったといいます。
その影響は、妻との性的な関係にも現れました。最初は気づかなかったものの、夜の営みの頻度が極端に減少し、ついには1年以上も肉体関係のない状態が続くようになっていたそうです。
「正直、最初は自分が問題を抱えていることに気づきませんでした。妻も疲れているんだろうとか、仕事が忙しいから仕方ないとか、都合よく自分に言い聞かせていました。ところがある日、妻から『最近、私たち全然一緒の時間を過ごしてないよね』とそれとなく言われたとき、初めて事の重大さに気づきました」
いつの間にかレスが深刻化
岡田さんがレスの現実に気づいたとき、すでに夫婦関係はぎこちないものになっていました。
「もちろんゲームが原因なことはわかっていました。でも、自分が想像した以上にゲームに依存していたんです。夫婦間の日常会話やふれあいが減っていたことは気づいていましたが、それでも行動を変えることができませんでした。いつしか自分が原因で妻との距離を広げてしまったんだと思います」
岡田さんは、オンラインゲームの楽しさに夢中になるあまり、現実の夫婦関係が壊れていくことを自覚しながらもなかなか止められなかったと振り返ります。
「ゲーム内での達成感やつながりがあまりに強くて、現実での人間関係に対する関心が薄れていたんだと思います。ゲームはリセットができて、何度でも挑戦できる。でも、夫婦関係はそうじゃない。そこに気づくまでに、ずいぶん時間がかかってしまいました」
さらに話を聞いてみると、ゲーム依存から抜け出せない原因があったようです。
「そもそも自分が働いて稼ぎを得ている、という傲慢さがありました。だから家でゲームをしても許される、そう思っていたんです。でもそれって昭和の価値観ですよね。そのことを指摘してくれたのも実はゲームを誘ってくれた友人だったんです」
岡田さんは、友人との会話の中で、自分が抱えていた潜在的な問題に気づかされました。働いてお金を稼ぐという「役割」を果たしているから、家では好きなことをしても許されるという考え方が、妻との関係にどれほど悪影響を与えているのかを全く理解していなかったのです。
「友人は『それ、家事や育児をしてる奥さんに失礼じゃないか?』って言ってくれたんです。その一言でハッと目が覚めて、自分がどれだけ一方的な考え方をしていたかに気づきました。お互いに役割を果たしているんだから、対等であるべきなのに、僕は家でずいぶんと楽をして、妻にすべてを押し付けていたんだと…」
この気づきが岡田さんにとって転機となりました。ゲーム依存から抜け出し、妻との関係を見直すきっかけになったのです。
ゲーム依存から抜け出すための決意
岡田さんは、友人の指摘を受けて自分の行動を見直すことを決意します。
「ゲームが悪いわけじゃない。問題は、自分がそれに依存してしまったこと。だから、まずは自分が変わらなければならないと痛感し、変わろうと決意しました」
岡田さんは、ゲームのプレイ時間を減らし、妻と過ごす時間を意識的に増やすよう努めました。
「最初は妻との会話もぎこちなくて、どうしたらいいのかわからなかったです。お互いにどこか距離ができてしまっていて、簡単に元通りに戻れるような感じではありませんでした。でも、焦らず少しずつ歩み寄ろうと決めました」
岡田さんはまず、ゲームを完全にやめるのではなく、徐々に時間を減らすところから始めました。彼にとってゲームは、日々のストレスを発散する重要な手段だったため、無理にやめようとすると、逆にストレスが増してしまうと考えたのです。
そこで、岡田さんは計画的にゲームのプレイ時間を短くすることを妻と約束し、夜の時間を妻との会話や家族の時間に充てるようにしました。
「ゲームの代わりに、週末は妻と一緒にご飯を作ったり、息子と遊ぶ時間を意識的に増やすようにしました。小さなことですが、少しずつ関係が戻っていくのを感じました。妻も最初は戸惑っていたけど、次第に笑顔が増えてきて、話をする時間も自然に長くなりました」
▶この記事のつづき【後編】では、 ゲーム依存を脱して夫婦関係の再構築をしようとする岡田さんですが、果たして元通りの夫婦関係に戻ることはできるのでしょうか?…についてお届けします。__▶▶▶▶▶
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