「シンママの婚活課題」は本人や子どもの気持ちでもなく、「デートする時間」【体験談】
OTONA SALONE / 2024年10月23日 20時1分
夫がオンラインゲームで知り合った女性と親密になったことから、34歳で離婚をしたDさん(40)。離婚後、元夫は2人の子を持つシンママと交際し、自分から願い出た「娘との面会」を拒否しました。
Dさんは「私の幸せはあと回しでいい」と恋愛をあきらめ、娘の幸せを最優先する日々を送るように。しかし、娘さんから言われたなにげないひと言で自身の生き方を見つめ直すことになったのです。
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【マッチングアプリに集まる「バツあり女性」たち】#4
娘の「ママも恋していいんだよ」で生き方を見つめ直した
ある日、仕事から帰宅したDさんは小学2年生になった娘から突然、「ママ、いつも楽しい?」と聞かれました。不思議に思い、「どうしてそんなことを聞くの?」とたずねると、娘さんは「だって、いつも疲れたとか、なんか楽しいことないかなとか言ってるから。大好きなママには、いっぱい笑っててほしいなあ」と泣き出しました。
「たしかにそうだったなと反省しましたね。娘を幸せにするんだと意気込んでは無理をして、自分のことをないがしろにしていました。子どもって、親が思う以上に親のことをよく見ているんですね」
心配かけてごめん。優しくしてくれてありがとう。ママも、もっと笑えるように楽しいことみつけをするね。そう答えると、娘は「うん!あ、ママも恋していいんだよ」とケラケラ笑いました」。その言葉を聞いたDさんはなんだか、許されたような気持ちになりました。
「実は実母が男にだらしなかったので、私は絶対に同じようにならない、母親は恋をしちゃいけないという気持ちが自分の中にあったんです。娘の幸せを最優先にしたかったのは本心だけど、恋愛から遠のいた理由は、それだけじゃなかったのかも……と気づかされました」
自分でも知らなかった気持ちを見つけたDさんはもう一度、誰かと生きる未来を夢見て、その夜、マッチングアプリをダウンロードしました。
>>婚活用アプリに挑戦
婚活用アプリに挑戦するも、デート時間が作れず
娘さんの気遣いによって、自分が恋愛を遠ざけていた“本当の理由”に気づいたDさん。背中を押されてマッチングアプリをダウンロードしましたが、その先で知ったのはシンママが恋をすることの難しさでした。
最初は、婚活用のマッチングアプリを利用。思っていたより、男性側はシンママであることを気にしない人が多かったそう。「でも、デートがなかなかできなくて。子どもを留守番させてデートをするのは、なんか違うかもって私は思ったから。
デートの日だけ、実家で娘を預かってもらおうか。そう考えたこともありましたが、実母とは仲がよくなく、母親に我が子を預けてデートに行くという状況を想像すると「私も男にだらしない母親になってしまうのでは……」という不安も浮かんできました」。
そこで仕事を休み、娘さんが学校に行っている昼間にマッチングアプリで出会った男性とデートをしてみましたが、モヤモヤは止まらず。「2~3人とデートしましたが、話があまりかみ合わず、つまらない時間になったので、働いてお金稼いだほうがよかったなと後悔しました。そういうことが積み重なって、婚活アプリは退会しました」
>>元夫からの連絡
元夫からの結婚報告が胸に刺さって…
婚活相手とのデートより娘との時間を優先したいと思い、婚活アプリを退会したDさん。その後、利用し始めたのは、さまざまな目的の人が集まる無料のマッチングアプリでした。「婚活アプリを登録したときから、気になってはいました。でも、無料のマッチングアプリって危険なイメージがあったので避けていたんです」
利用しようと思ったのは半年前のこと。元夫からの結婚報告が胸に刺さったからでした。その日、Dさんは自分だけずっと頑張っているような気がして、とても人恋しくなり、「1日だけ使ってみよう」と無料のマッチングアプリをダウンロードしたのです。
「ビビりながら使い始めました。身バレはしたくないのでプロフィール写真は顔じゃなくて、足。自分の中で唯一、自信があるパーツです」下心からの言葉だとはわかっているものの、アプリ内で男性からの「足、キレイですね」というメールを受けとると、うれしくなった。「その瞬間は母親じゃなく、女になれる気がしました」
Dさんにとって無料のマッチングアプリは、”ときめき補給”のような存在。「子ども優先の生活をしたいからこそ、隙間時間に気軽に使えるところがいいです。話が盛り上がった相手と恋人同士みたいなメールをするのが楽しい。乙女ゲームのような感じですね」
>>誰かにほめられたい
誰にもほめられない日常に「頑張ってるね」が欲しい
「すき間時間にタイムラインのような場所に『今日も育児がんばった!ほめて』などと書き込み、送られてきたメールにランダムに返信しています。
目についた人に適当に返信しています。下ネタを言う人もメールをしてみたら、意外と盛り上がります(笑)。基本的には1日メールをするだけ。翌日も連絡を取りたいって思えた人は、今のところいません」
ときどき「普通の婚活アプリで真剣な出会いを探すのもいいんじゃないか」と思うこともあるそう。しかし、やっぱりデート時間が作れないことへの解決策が見つからず、もう一度、婚活用アプリを積極的に利用する気にはなれません。
「友だちからは、子どもを連れてデートに行けばいいじゃんと言われましたが、私はそれもイヤなんです。父親になると決まっていない人に会わせて娘を混乱させたくないから」
Dさんは婚活用のマッチングアプリとは違って、無料のマッチングアプリは適度な息抜きになると言います。「ガチ感がないし、みんなプロフィールに本当の年齢なんて書いてないから、男性からのリアクションが少ないのって年を取ったせいかなって傷つかなくてもいい。アラフォー女性にこそ使ってほしいです(笑)」
重めの話を終始、明るく話してくれたDさん。しかし、取材終わりには心の奥の本音が漏れる場面も。「恋したい気持ちは少しあるけど、夫の不倫で結婚がトラウマになっている感じもあります。今の私はもしかしたら、どうでもいい話ができる大人の話し相手ができればそれでいいのかも。誰にも褒められない日常に「頑張ってるね」と言ってもらいたいんだと思います」
娘さんとの時間を大切にしながら、ひとりで家事と育児をこなすDさんの姿からはシンママの強さと消えない孤独感が伝わってきます。
厚生労働省が5年に1度更新している「全国ひとり親世帯等調査結果」※によると、令和3年の母子世帯数は 119.5 万世帯と、前回(平成28年度)調の123.2 万世帯より微減したものの、父子世帯数の14.9 万世帯よりもはるかに多い。
Dさんのように子どもを最優先に考える母親が24時間365日、母親でい続けなくてもいいよう、適切な支援がなされてほしいものです。
※令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果
※プライバシーに関わる部分には一部脚色を加えています
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【マッチングアプリに集まる「バツあり女性」たち】
▶アラ還こそ「タイパ重視の恋愛を」。教えてくれたの大学生の男の子でした
▶「自分のお金はもう、自分だけのために使いたい」41歳バツ2女性が思い描く未来
▶「私を溺愛する彼」がDV夫に。10年にわたる壮絶な日々の終止符は、まさかの「心中未遂」。44歳バツイチ女性がマッチングアプリを利用するまで
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