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「ハゲたらカツラ」あなたなら被りますか?「アピアランスケア助成金」も。抗がん剤、脱毛症「ヘアロス」の選択肢【医療用ウィッグ】

OTONA SALONE / 2024年11月19日 7時30分

私は24年3月「多発型円形脱毛症」を発症しました。いわゆる、円形脱毛症や先天性乏毛症、抗がん剤など薬剤性による脱毛など、さまざまな理由で髪や体毛が抜けてしまう「ヘアロス」患者です。

▶▶【閲覧注意】40代、「多発型円形脱毛症」のリアル写真はこちら

 

「多発型円形脱毛症」の私が、脱毛による「アピアランスケア(外見の変化をカバーするケア)」のために選択肢のひとつ、ウィッグについてお伝えします。脱毛症だけでなく、がん治療前の方もチェックしてみてください。

 

ヘアロス #14

脱毛に「医療用ウィッグ」という選択肢

医療用ウィッグとは、抗がん剤治療中の方や脱毛症など、様々な原因で脱毛した方向けのウィッグです。

 

2024年に改訂された日本皮膚科学会「円形脱毛症診療ガイドライン」。「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では、かつらの使用は「推奨度B:行うようすすめる」だったものが、「円形脱毛症診療ガイドライン2024」では「推奨度1:強い推奨」に引き上げされました※。

 

ウィッグ(かつら)は円形脱毛症の病勢に悪影響はなく、紫外線や外傷防御の点で推奨されています。また、「エビデンスレベルは高いとはいえないが、かつらは円形脱毛症患者のQOLを改善させる効果があると考えられる」※とされています。

 

 

>>「医療用ウィッグ」の選び方は?

「医療用ウィッグ」の選び方

「医療用ウィッグ」には、人毛100%、人毛と人工毛のMIX、人工毛など種類があります。

 

選ぶポイントは、自然な見た目、耐久性、扱いやすさ、着用感、そして価格

 

〈人毛100%〉

人毛100%の医療用ウィッグは、見た目がナチュラル。カラーやパーマだけでなく、ブリーチもできます。熱に強いため、ヘアアイロンも使用可能。1〜2年使用できます。ただ、流通している人毛100%ウィッグの多くは10万円〜30万円と高額。

 

〈人工毛〉

人工毛は合成繊維でできたウィッグで、安価なのが魅力です。ただ、人工毛独特のテカリやツヤがあり、あきらかにウィッグだとわかるものも多いのでネットで買うと商品を見てがっかりすることも。また、静電気に弱く、毛先からチリチリになり、数ヶ月で消耗してしまうなどデメリットがあります。ただし、人工毛でも高品質な素材を採用して、このデメリットを解消したメーカーのものもあります。

 

〈人毛と人工毛のMIX〉

人毛と人工毛のミックスは、人毛と人工毛を混合して作られたウィッグで、それぞれのいいとこどりをしたもの。スタイリングの持ちがよく、お手入れもしやすいですが、お値段は高め。

 

 

抗がん剤治療による脱毛で医療用ウィッグを使用する場合でも、使用期間は約1年半。耐久性、扱いやすさは重要ポイントです納得のいくものに出会えず、ウィッグを数個買ったというがんサバイバーの方は多くいます。

 

ウィッグであることが”ばれる”のが不安という方もいると思いますが、「人工頭皮に手植え」というものもあり、つむじや分けめが自然な仕上がりです。

頭頂部は人工頭皮に手植え 〈写真提供〉SUMIKIL

髪型もショートヘアやボブ、ロングなどヘアスタイルも種類が選べ、フルウィッグだけでなく、部分ウィッグもあります。ちなみに、更年期による薄毛が気になる方にも部分ウィッグはおすすめです。髪色や毛量、長さをフルオーダーできるところもあります。

人毛100%の丸みのあるショートウィッグ43,780円(税込) 〈写真提供〉SUMIKIL

 

▶「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」で乳がんに。ウィッグ着用経験によりみずからウィッグ開発をした野中さんの記事

 

 

オフィスカジュアルではない職場の場合、やはり医療用帽子(ケア帽子)の着用は難しいの現状です。その点、医療用ウィッグならスーツにも問題ありません

 

 

ここでネックになるのが医療用ウィッグの価格の高さ。ブランドや店舗、種類や品質などによってさまざまですが40万する高額なものも。「海外ではかつらが医療用具として健康保険の対象となっている国もある」※のに、日本ではまだまだです。

 

医療用ウィッグは、健康保険や医療費控除の対象外。ただし、医療用ウィッグの助成金を導入している自治体もあります。とはいえ、これも「がんの治療に伴う脱毛によりウィッグが必要な人」が対象です。

 

 

 

>>医療用ウィッグ購入、助成金がもらえるの!?

アピアランスケア助成事業

例えば東京都品川区の場合、「アピアランスケア助成事業」というものがあり、がんの治療中などの方の支援として、ウィッグ(かつら)や胸部補正具の購入・レンタルなどにかかった実費の一部を助成しています。

 

「がんと診断され現在治療中か、がんの治療に伴う脱毛や乳房の切除などによりウィッグや胸部補正具を必要とする」「申請時、品川区に住民登録がある」など対象条件がありますが、助成額は上限30,000円(消費税含む)。

 

助成額なども自治体によりさまざまです。がん治療中の方は、ご自身の自治体で助成があるか調べてみてください。

 

 

一方、円形脱毛症で「脱毛によりウィッグが必要」でも助成の対象にはならないのが現状です。「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン」でも「本邦においても病的脱毛症に対してのかつらは,医療法上認知されるべきであろう」※とありますが、病的脱毛症に適用されることを強く望みます。

 

 

※日本皮膚科学会

〈写真提供〉

 

≪オトナサローネ編集部 木村美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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