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「老いは誰にでも平等に訪れる」頂点に上り詰めた道長、衰えはじめる彼の力。愛する人がいるから生きられる!?【NHK大河『光る君へ』#42】

OTONA SALONE / 2024年11月4日 15時30分

*TOP画像/まひろ(吉高由里子) 道長(柄本佑) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

平安の女たち、平安の男たちを描いた、大河ドラマ『光る君へ』の第42話が11月3日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。

「世の歪」を正すために戦ってきた道長だが、いつの間にか多くの人からにくまれる存在に

道長(柄本佑)はまひろ(吉高由里子)と結んだ「よりよき世の中のために上から政を改める」という約束を胸に政権争いに加わり、勝ち抜いてきました。兄たちは病でこの世をはやくに旅立ち、ライバルの伊周(三浦翔平)は自ら起こした事件で弱まり、この世を去っていった中で、道長は実権者として確固たる基盤を築き上げました。

 

まひろとあの約束を交わした頃の道長は権力には無関心で、他人を蹴落とすこととも、他人の心を傷つけることとも無縁の青年でした。そんな彼も権力争いで揉まれる中で、多くの人を傷つけ、うらみをかう存在に。

 

顕信(百瀬朔)は蔵人頭への出世を実の父親である道長に阻まれて出家し、明子(瀧内公美)は悲しみのあまり寝込むことに。

 

明子(瀧内公美) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

俊賢(本田大輔) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

明子が兄の俊賢(本田大輔)に比叡山にいる息子への思いを話すシーンは切ないものでした。比叡山は寒いだろうが身一つで行って凍えていないだろうかと、明子は心配を口にしています。顕信に暖かい衣をたくさん届けてやってほしいというのが、今の彼女が兄に唯一託せる望みです。

 

三条天皇(木村達成)と娍子(朝倉あき)も道長に心をかき乱されました。三条天皇には娍子(朝倉あき)を皇后に迎え入れたいという思いがあるものの、彼は道長の娘である妍子(倉沢杏菜)を皇后にすることが定められています。三条天皇は道長がかつて行ったように一帝二后を提案しますが、道長はきっぱりと断ります。

 

三条天皇(木村達成) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

さらに、道長は中宮・妍子の内裏参入と娍子の立后の儀の日をぶつけることを企てます。このことを知った三条天皇は昼と夜にそれぞれ開催することにしましたが、娍子の立后の儀には公卿たちが道長を気遣ってほとんど集まらない事態になりました。空席が目立つ宴会の席はなんともさみしく見えます。

 

娍子(朝倉あき) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

実資(秋山竜次) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

娍子の立后の儀に公卿たちが参加せずみじめな思いをした娍子、道長により自身の思いを阻まれてばかりの三条天皇は道長を心底憎んでいるはずです。

 

そうした中で、道長についての怪文書が内裏に出まわります。道長の病を喜ぶ者のリストが出まわったのです。

 

道綱(上地雄輔) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

怪文書 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

道綱(上地雄輔)が全力で否定しているように怪文書の内容は事実とは異なるものの、彼に並々ならぬうらみを抱いている人が存在することは確かです。

病で倒れた道長。道長とまひろの「川辺の誓い」とは

まひろは道長が病に伏せていると百舌彦(本多力)から聞き、道長が休息している宇治にかけつけました。まひろはぐったりとしている道長を目にします。

 

道長(柄本佑) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

道長(柄本佑) まひろ(吉高由里子) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

まひろの誘いで、ふたりは川辺を歩くことに。道長とまひろはお互いに現在の心境を口にします。

 

まひろ(吉高由里子) 道長(柄本佑) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

「早めに終わってしまった方が楽だという お前の言葉が 分かった」

「今は死ねぬと 仰せでしたのに」

「誰のことも信じれぬ」「己のことも」

「もう よろしいのです」「私との約束は お忘れくださいませ」

「お前との約束を忘れれば 俺の命は終わる」

[中略]

「私も もう終えてもいいと思っておりました」

 

権力争いで疲れ果て、身体の調子も悪い道長は死を考えるように。一方、まひろも娘の賢子(南沙良)が成長し、光る君の物語も終わり、彰子(見上愛)も強くたくましくなったため、人生をそろそろ終えてもよいと思っているところでした。まひろはかつて口にしていたように「私は私らしく自分の生まれてきた意味を探してまいります」(13話)という言葉を現実のものとしていたのです。

 

まひろは道長に「この川で 2人流されてみません?」と提案しますが、彼の返事は「俺より先に死んではならぬ」というものでした。

 

まひろ(吉高由里子) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

道長(柄本佑) 大河ドラマ「光る君へ」 42話(11月3日放送)より(C)NHK

 

まひろは「ならば…道長様も生きてくださいませ」「道長様が 生きておられれば 私も生きられます」と応えます。

 

川辺でのふたりの姿は晩年を感じさせるもので、若さが衰え、かつてのようなキラキラとした輝きには靄(もや)がかかっています。自分たちの夢を実現するために精一杯生き、この世界の苦しみも悲しみも味わいつくし、死と向き合うステージに到着したからです。

 

この世界は厳しく、残酷ですが、それでも前を向いて生きていけるのも愛する人の存在があるからなのかもしれません。まひろと道長は身体の距離は離れていても、出会ったあの日から心は赤い糸で結ばれており、お互いを感じながら生きてきたのです。

 

 

▶つづきの【後編】では、道長の体調不良が描かれていた42話。平安時代の人々はどのような病いに悩まされていたのでしょうか? 平安貴族ならではの「病気」についてお届けします。__▶▶▶▶▶

 

 

 

 

 

≪アメリカ文学研究/ライター 西田梨紗さんの他の記事をチェック!≫

 

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