夫が長年に渡る不倫。それでも「離婚しない選択」をした妻。「家庭を再構築する」したい女性に伝えたい、幸せになる方法【不倫カウンセラーの体験談】
OTONA SALONE / 2024年11月11日 21時1分
不倫解決カウンセラーの河村陽子さん。夫の文夫さん(仮名)は7年間もの間、会社の部下と不倫を続けていました。時には、「大切なもの」を壊そうとしている夫のことが許せなくて、河村さんは包丁を振り回して怒ったこともあったそうです。しかし、一生分の試算表を作った結果、陽子さんは離婚しない決断をしました。
◀この記事の【前編】を読む◀9歳年下の夫が単身赴任先で不倫。若い不倫相手とも切れず、離婚もせず…で、7年も続いた不倫に苦しめられることに。 __◀◀◀◀◀
【サレ妻の手帳#4】後編
7年にも及ぶ不倫
河村さんは、よく友人に「陽子らしくない選択をした」と言われたため、不可解に思いました。
「私は夫が欲しかったわけではなく、大切なものを守りたいから離婚しなかったんです。結婚生活を続ける決断はしましたが、夫が相手の女性と別れたわけではありません。二人の関係はずっと続いていました。
7年の間、当然相手の女性との性交渉もあるわけで、辛いと思うこともありました。ニヤニヤしながらLINEをされた日には怒り心頭でした。でも、離婚しないと決めた以上、受け入れざるを得ない現実で、良くも悪くも慣れていきました。
だんだん慣れてきて、『こいつは不倫している男なんだ』と受け入れると、朝帰りされても『冗談じゃねえ!パンツにシミをつけてくるなよ。なんでこれを私が洗わないといけないの!』という気分になっていきました。」
相手の女性が自殺未遂
不倫しながら結婚生活を続ける夫との生活にも慣れたのですが、ある日、相手の女性が自殺未遂しました。
「夫がすごく慌てて、『今からちょっと行ってくる!』と言うので、『どこへ行くの?』と聞いたら、女性がビルの3階から飛び降りて意識不明の重体になっていると。
女性のお姉さんから夫の携帯にメールがあって、『危篤状態です。こういう姿になってすごくかわいそうなんですが、あなたはどう感じますか。率直な気持ちを教えてください』と書かれていたそうです。
普通、妹が危篤の時にそんなメールができますか。私は、それは嘘だと思っています。いずれにせよ、この頃を境に夫の不倫は終わりました。」
その後、陽子さんは、テレビを見ていて「不倫カウンセラー」という仕事があることを知りました。「この仕事をやるしかない!」と思い、カウンセラーになりました。
必要なのは思考の整理
陽子さんは離婚しない選択をしましたが、迷いがなかったわけではありません。九州にいた頃からあれこれ迷っては占いを頼り、総額100万円以上かけたそうです。
「いろんな占い師の話を聞きましたが、答えが出せないままでした。なぜかというと、当時の私は思考の整理ができていなかったのです。
不倫されたら、弁護士や行政書士のところに行く人もいます。でも、彼らはカウンセラーではないので法律でできることしかしてくれません。心理カウンセラーは、心を落ち着かせましょうとか言うでしょう。
でも、悩んでいる時に必要なのはそういうことではありません。未来をどう組み立てていくのか思考を整理することが大事なんです。
離婚すると決めているなら弁護士のところに行けばいい。でも、何をどうすればいいのか分からないという人もいます。離婚したいけど経済的な不安があるという人もいますし、再構築したいけど夫に無視されているとか経済DVをされているという人もいます。それらの問題を解決して、ベストな方法を導き出すのが私の仕事です。
良妻賢母になれとか夫が気分よく過ごせる家庭にしたらいいと言うカウンセラーもいるそうですが、それは甘い。私は良妻賢母でしたが裏切られました。夫の不倫で傷ついているのに、一生懸命機嫌を取るというのは違うと思います。
思考の整理をしながら当事者自身で考え、決断できるようになってもらわなければいけません。自分の幸せに責任を持つことが大事です。」
思考の整理の第一歩
不倫されてパニックになっている時に、冷静に自己分析するのは難しいものです。まず何をすればいいのでしょうか。
「短期、中期、長期の目標を立ててください。どうしたいのか分かっていないと、そのために何をしたらいいのか見えてこないからです。逆に、『どうしたくないか』ということも併せてピックアップします。例えば、離婚したくないなら離婚を回避するための対策を立てておかなければならないのです。
恐怖におののきながら、未来の設定などできるはずがありません。ですから、それを先に潰しておかなければなりません。人は、何かが起きた時、対策が分からないと不安になります。全てにおいて対策を立てておきましょう。」
何をしたいのか分かったところで、願いを叶えるためには、どのような対策をしたらいいのでしょうか。
「日本の法律では、不倫の証拠があれば向こうからは離婚できません。役所に行って、離婚届不受理の申し出の準備をしておくといいでしょう。私のように周りを固めておくのもおすすめです。義理の両親や兄弟と仲良くなっておくのです。それができて、初めて未来に気持ちが行きます。
夫と話をしたいという相談もあります。話をする方法を教えたとしても、今日、明日、すぐにできるわけではありません。自分に自信が持てなかったりビビっていたりするからです。だいたい皆さん、半年くらい経ってから私の言ったことを実践できるようになり、どんどん前に進んでいきます。」
スモールステップからスタート
早期解決を急ぐあまり先走りたくなるものですが、陽子さんは、3か月ごとに目標を達成する「小さなステップアップ」を積み重ねるようにアドバイスしています。
「今、セックスレスに悩んでいるのなら、3か月後に毎週のようにセックスできる可能性は低いでしょう。いきなり達成率100%を目指すのではなく、まず50%に設定します。50%のスモールステップ形式だと、人は動きやすいのです。
短期目標が3か月後、中期が半年から1年くらい、長期が3年です。自分の目標を設定しましょう。
目標は人それぞれですが、経済的なことは心の余裕につながるから貯金も必要です。別れるのであれば、少なくとも子どもに迷惑をかけないでおきましょう。離婚だけでも子どもに迷惑がかかるので、これ以上迷惑をかけないことが親の責任だと思います。それができるなら別れてもいいと言っています。
暴力や借金が原因で別れたいという方には、離婚を提案しています。それでも別れたくないというのであれば、それはその人の選択です。その場合、それに耐えうる自分にならないといけません。稼げる、お金を生み出す力を身につけないと一家総崩れになってしまうでしょう。
どの道に進むにも覚悟が必要です。覚悟がないのに中途半端に進むから、あっちに行ったほうがいいんじゃないかとか、こっちに行ったほうがいいんじゃないかとかフラフラしてしまうのです。いろんなカウンセラーの意見を聞きすぎて、迷子になってしまう人も結構います。
まずは、どうすれば納得できる未来を作れるのか、ご自身で考えてみてください。」
「夫と話がしたい」という悩みへの処方箋
夫の不倫がきっかけだったのに、すっかり夫婦仲が冷えてしまって会話がなくなったという人もいます。その場合はどうすればいいのでしょうか。
「男性によっていろんなパターンがありますが、女性は、自分の気持ちを夫と共有したいというわけの分からない欲望があるんです。自分の気持ちを言ったら夫が分かってくれると思っているんです。でも、それは間違いです。
かつて付き合っていた時は、男性がこっちを向いてくれていて、分かろうとしてくれているから話を聞いてくれるのです。でも、今の夫は背中を向けている、なんなら耳栓もしていることを分かってください。その人に何を言っても聞く耳を持っていません。
聞いてくれないという前提で、夫にどういう質問をしたら興味を持ってもらえるのか考えましょう。」
二者選択話法を駆使する
陽子さんは、生活必需品ではないものの営業をしていたので、クライアントに最初に価値観を植え付けて、購買意欲を上げて購入してもらっていました。
「これは不倫している男性にも通用する方法で、まず彼らに興味を持ってもらうことがファーストステップです。
注意や興味を持ってもらえるような日常の作戦を取るのですが、何も答えないような夫には、クローズドクエスチョン、二者選択話法で対処します。
例えば、『今日のご飯、何がいい?』と言っても絶対に答えないので、『肉と魚、どちらがいい?』と聞きます。すると、肉とか魚とか答えが返ってきます。答えやすいんです。調理法も焼くとか煮るとか、蒸すとか、どれがいいか尋ねます。いったん口を開かせたらこっちのもんです。
口を開かせたところから興味や比較へと発展します。営業話術は八段階ありますが、私は、注意、想像、比較、行動、満足という五段階にして夫婦問題解決に落とし込みました。
この方法を使えるようになるには時間がかかります。クライアントには、具体的にどのようにしたら会話ができるようになるか伝えています。」
メリットを考えて一生後悔しない選択を
陽子さんは、「何を選ぶにしても、選ぶ自分に誇りを持たないといけない」と言います。
「そのためには、何を我慢するかではなく、メリットを考えます。
私の場合、夫に不倫されて、月に12万円しか生活費をもらえなかったので、お給料日が来ても既に赤字でした。毎月20万くらい赤字になりました。
そんな生活しか選べない自分が情けなかったのですが、試算表を作って思いました。私が営業をして20万稼いだら20万プラスにはなります。生活は楽になるでしょう。でも、時間を犠牲にしてお金を生み出しても、体力と気力をものすごく削がれます。
そう考えたら、夫がくれる12万円は、ものすごく有り難いのだと思いました。夫にとっても、私に子どもを育ててもらえるのはメリットです。お互い一緒にいることで得られるメリットがありました。
人は死ぬ方向に向かって生きています。最後に、『私の人生、なんだったの?』と思うのは嫌なんです。再構築するにせよ離婚するにせよ、自分にとってどんなメリットがあるのかよく考えて、最良の選択をしましょう。」
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