つい使いがちだけれど、女性が「やる」と言うべきでないこれだけの理由
OTONA SALONE / 2017年11月20日 11時30分
「先輩、もし良かったら、それ、私がやりましょうか?」「……え?ええ(汗)お願いできる?」
「ねえねえ、あれもうやった?」「やったやった」「はやーい」
はてさて、なんのことやら(笑)
実はこの「やる」、もともと、あまり美しくない言葉。普段気付かずに使っているあなた、できるなら女性は、使わないで済ませたい言葉なのですよ。
美しくないくせに……「やる」はとても便利
この「やる」は非常に便利な言葉で、何にでもつけられますよね。
「譲ってやる」「我慢してやる」「聞いてやる」
「水をやる」「えさをやる」「小遣いをやる」
「レポートをやる」「課題をやる」「合間にやる」
みなさんもよく使う言葉ではありませんか。
でも、単発ではよく使う言葉も、こうしてあらためてまとめて読んでみると、何だか、嫌らしい感じがすると思います。それはなぜでしょうか。
それは、この言葉が、俗語として、人目にはばかられることをする場合に使われることがあるからなのです。そして女性はあまり使いませんが、犯罪をおかすことや性交することにも使われますよね。また、刑事ドラマなどで耳にしますが、人を殺める場合にも使われます。
ですから、女性が使うことは、それこそ、はばかられるのです。年配の方の中には、この言葉を嫌う人もいますので、お客様相手の仕事をしている方は要注意です。
そもそも「やる」の意味は?
「やる」は「遣る」または「行る」と書きます。
大きく分けて意味は5つあります。
-
その場の勢い・なりゆきにまかせて他方へ行かせる
-
(身分が同等以下の者に)与える
-
同等以下の者のために労を執り、恩恵を与える意を表す、相手に不利益を与える意を表す
-
物事を行う
-
動作が完了する意を表す
広辞苑第六版より
ここで妙に気になるのが、そうです「身分が同等以下の者に」という条件ですよね。
俗語の意味では流石に「やる」を言わない女性でも、この、それこそ「やってあげる」感が出る言葉は要注意です。「それ、私がやろうか?」などと、特に後輩に使っている女性が多いようです。また丁寧にすればいいと思って、先輩に「それ、私がやりましょうか?」なんて言っていませんか?
特に、上記4の「する」という意味の「やる」は見逃しがちです。
「上から目線」感と「ずぼら」感が出てしまう「やる」
私は小学生を教えていますが、何でも「やる」と言ってしまう子が多いです。
「宿題をやる」「野球をやる」「ピアノをやる」
これらは全部他の言葉に置き換えられます。
例えば「宿題をやる」の場合、「宿題にとりかかる」「宿題をする」「宿題を済ませる」などタイミングによって言葉を使い分けられますし、野球やサッカーなどのスポーツは「する」、ピアノなどのお稽古事は「習う」と言い換えが可能です。
こうして、私の小学生講座では「やる禁止例」をしいています。
つまり「先輩、それ、私がやりましょうか?」は「先輩、それ、私が処理しましょうか?」や「先輩、それ、私が続きをしましょうか?」のように、そのシーンにより言葉を置き換えられるはずなのです。そこを面倒くさがって「やる」と言ってしまうこと自体、相手を敬っていない、言葉を敬っていない感じがにじみ出てしまうのでしょう。
冒頭の例ですと、
A「譲ってやる」「我慢してやる」「聞いてやる」……「わざわざ何かをする」の意味。
B「水をやる」「えさをやる」「小遣いをやる」……「与える」の意味。
C「レポートをやる」「課題をやる」「合間にやる」……「する」の意味。
で、AとBが「身分が同等以下の者に」の例、Cが何かを「する」のに詳しく言うのが面倒で「やる」に置き換えている例と考えることができます。
つまり、うっかり「やる」を使うことで、「上から目線」感と「ずぼら」感が出てしまうのですね。
丁寧に考えてみること
では、どうしたらいいのでしょう?
そうですね。うっかり使わないようにすればいいのです。その為には、言葉を発する前に一呼吸置くこと。そして他の言葉に丁寧に置き換えてみることです。
「さあ、午後も頑張ってやりましょう!」なんて言いたい時は、「さあ、午後も頑張ってこの作業を済ませましょう!」なのか「さあ、午後もこの勢いでこなしていきましょう!」なのか、場面場面でかなり異なると思います。
丁寧に言葉を考えること、それが「上から目線」感と「ずぼら」感の回避になります。
また、一呼吸置くことと、丁寧に言葉を考えることは、素敵な女性になる所作でもありますね。
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