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「急に冬がきて身体がついて行かない」いま食べておくと肺を潤す、意外な海の食べ物とは【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】

OTONA SALONE / 2024年12月18日 20時40分

こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。

2024年は11月7日から21日の間が立冬。暦の上では冬の始まりです。

1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。

 

【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】

通勤道では、にんじんが収穫を待っています!

立冬の頃には木枯らしが吹き、木の葉が落ちます。初雪の知らせが聞こえてくることもあります。この頃から冷たい時雨が降ったり止んだりを繰り返して、ひと雨ごとに冬へと近づいていきます。

 

寒い季節から暑い季節へ移り変わる時季の春は雨が降るたびに三寒四温で少しずつ温かくなりますが、秋から冬への季節の移り変わりでもまた時雨という“雨”が気温の変化に関係するようです。

 

雨が降ると「今日は天気が悪い」と言いますが、古代中国の考え方では、「普段離れて存在している天と地が雨を介してつながる」とも捉えています。空から降ってくる雨は、天と地をつなげる“架け橋”。そう考えると、雨の日も悪くないな…と感じたりもします。

 

おなじみの通勤道シリーズ、今回はにんじん畑です。青々と茂ったにんじん畑は、12月に入ると掘り起こしが始まります。

 

再春館製薬所は熊本県の益城町に位置しますが、お隣の菊陽町は九州でも有数のにんじん産地。掘りたてのにんじんは橙色の発色がとても鮮やかで、「元気に育ったんだな!」と見た目から感じられます。

 

暦の上では冬ですが……今年は秋が短かったですね!

11月半ばまで半袖の日もあったのに、暦の上で冬になった途端、冬らしい天候の日がぐんと増えました。夏仕様の身体が寒さに慣れるための準備期間が秋だとすると、突然冬らしくなってしまったので、身体の冬準備もまだ整っていない…と解釈することもできます。

 

季節が移り変わるにつれて、おなかで活躍する五臓六腑も変化します。暦通りの季節の移り変わりであれば、夏には「心」の機能が頑張り、秋には澄んだ空気を好む「肺」の機能が活躍します。夏から秋、秋から冬への季節の移り変わりの時季は“変化”を得意とする消化作用の「脾」の機能が頑張る…と役割交代をしながら季節に馴染んでいきます。

 

今年は「なかなか秋が来ないな…」と、気温が高くて汗をかく日が長く続いたので、心の機能はオーバーワークがずっと続く状態だった…と考えられます。

 

変化の季節(=土用)に次の季節の準備を買って出る「脾」の機能も、秋土用が過ぎても暑さが続いていたので、「いつ働いたら良いんだろう…」と感じていたと思われますし、突然冬が到来したので「準備の期間がない…」と感じていたかもしれません。

 

今年の紅葉は11月末あたりが見頃で、例年よりも2週間ほど遅かったと言われています。紅葉が鮮やかになる頃の澄んだ空気を好む「肺」の機能ですが、例年よりも2週間ほど長く澄んだ空気を待ち続け、しかもすぐに冬が到来してしまったので、例年以上に肺の機能のコンディションには気遣ってあげることが大切かと思われます。

 

“天人合一”…自然界で起きていることは身体の中でも起きていること、ですので五臓は少しストレスがかかっているかもしれません。それぞれのコンディションをケアすることに意識を向けたいですね。

 

今年は特別に「脾」と「肺」両方をケアして温める。えび、ホタテが大活躍

去年はりんごが不作だったように記憶していますが、今年はあまり栗を見かけませんでした。どうやら今年は栗が不作だったようですね。農作物には表年(=豊作)と裏年(=不作)があるので、表年の農作物をスーパーの“おすすめの旬の野菜”コーナーで知りながら身体のバランスに気遣いたいですね。

 

冬は身体を温かくすることからケアを始めたいのですが、今年は秋が短かったので肺・脾の機能もコンディションがあまり整っていないと考えられます。整わないまま冬を迎えてしまっているので「肺・脾の機能のケア」も身体を温めるのと同様に意識したいですね。

スーパーの野菜売り場で一番目につく場所にあることが多い“おすすめの旬の野菜”コーナーから季節を感じることができますが、熊本にいると通勤道のまわりにある畑からも季節の移り変わりを感じることができます。11月半ばにはかぼちゃもだいぶ大きくなっていました。12月になりましたのでもう収穫されているかもしれませんね。

鈴なりの枝豆も11月半ばには黄色く色づいていました。緑色の時に収穫すれば枝豆、鈴なりの状態で枯れるまで畑に放置しておくと大豆になります。枝豆は消化作用の脾・胃の機能に働きかけます。寒くなり始めたので温かいスープをおすすめします。

長ねぎ、生姜、にんにくのさっぱりしたスープに帆立と枝豆の水餃子を浮かべました。豚ひき肉にベビー帆立と粗みじん切りの枝豆、すりおろし生姜を合せ、よく練ってタネを作ります。餃子の皮にタネ(大さじ2)を乗せ、ベビー帆立1つ、枝豆2粒を合せて包みます。皮の中の枝豆の緑色が透けて、見た目もかわいく仕上がります。

もうひとつ、寒くなり始めたら“えび”をおすすめします。えびは温性の性質ですので、身体を温める働きが期待できます。ボウルで豚ひき肉、豆腐、はんぺん、粗く刻んだえびを練り合わせて塩胡椒で味付けしてから団子状に丸めます。細く切ったシュウマイの皮を肉団子にまぶて蒸したら完成です。はんぺんには、脾と肺の機能を健やかにする山芋が使われているものもあるのでおすすめです。

 

だいぶ寒さも増してきましたね。次から冬の話をしますね。

 

 

連載中の「田野岡メソッド」が書籍になりました!

『ご自愛薬膳』2024年12月25日発売・予約受付中  田野岡亮太・著 1,980円(10%税込)/主婦の友社 

「身近にある旬の食べ物が、いちばんのご自愛です!」 田野岡メソッド連載で繰り返し語られるこのメッセージが、1冊の書籍にまとまりました。近所のスーパーで手に入る身近な食材を使い、更年期をはじめとする女性の不調を軽減する「薬膳」を日常化しませんか?

日本の漢方では「その症状に処方する漢方薬」が機械的に決められていますが、本来の中医学では症状と原因は人それぞれと捉えます。それに合わせた効果的な食事を「薬膳」とし、食で養生するのが基本なのです。

田野岡メソッドに触れると、スーパーの棚が「薬効の宝庫」に見えてきますよ!

から

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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