酔って寝ていたら、上司が覆いかぶさってきて…。「信頼していた人に襲われた」事実が私に残した大きな傷は(後編)
OTONA SALONE / 2024年12月5日 20時1分
広告代理店のコピーライター・悦子さん(仮名:45歳)は、元同僚で同業他社で働く勇さん(仮名:47歳)と結婚して15年。14歳の女の子と9歳の男の子の母親ですが、およそ13年前に、自らの意思に反して会社の上司と性的関係を持ったことがトラウマになっているそうです。
前半では、子どもが生まれたのに全く頼りにならない夫と、ワンオペ育児に疲弊した悦子さんが、愚痴を聞いてくれる男性上司と親しくなったエピソードを紹介しました。この記事は【後編】です。
飲み会で上司と2人きりに
「近くには頼れる親も親戚もいない状態で、ワンオペ育児をこなしつつ仕事をする。仕事は生きがいなので休業はしたくないのに、心身は疲弊しきっている。そんな状態の私のために、区の支援員とコンタクトをとって訪問予約をしてくれたり、シッターを予約してくれる『頼れる兄貴的存在』の藤原さんに、いつの間にか心酔していきました」
藤原さんに異性としての興味はないものの、「本当に尊敬しかないです」「趣味もかっこいいです」「理想の男性像です」など、勘違いされかねないLINEを送っていたという悦子さん。
また、勇さんが海外赴任中は、月に数日、悦子さんの実家の母親が泊まりがけで子どもの面倒を見てくれていました。
「親子で娘をファミレスやデパートに連れ出すこともありましたが、母は主に私の息抜きのために来てくれていました。その日は母に娘を任せて、上司の藤原さんを含めた男性2人女性2人で鉄板焼屋に忘年会に行きました。1人の女性は一次会で帰ってしまい、もう1人の男性は奥様が車で迎えに来ました」
はからずも、藤原さんと2人きりになってしまった悦子さん。
「私は、藤原さんが車で家まで送ると言ってくれていたので、安心して飲んで、『勇ほんとはやくかえってこーい』『うちの上層部は、確認不足を部下のせいにする』なんて、くだを巻いていました」
そのまま泥酔した悦子さんは、藤原さんの車で帰ることに。
「今までも、何度か職場から家まで車で送ってもらったことがあったので、それほど大事になるとは思っていませんでした」
信頼していた上司が豹変し… 次ページ
信頼していた上司に襲われて
「私はかなり酔っていたので、バスタオルを敷いた後部座席に寝かせてもらって…。その時は、美味しいものを食べて上司に愚痴を言って、家には母親が娘を見てくれている。『なんていい身分なんだ』とお気楽な気分で『しあわせー』なんてつぶやいていました。でも、気がついたら海のそばで車が停車して…」
直前に、「海が大好きなんです。今度釣りに行きたいですね」と話していた悦子さんは当初、酔いを冷ましてくれているのかと感謝すらしたそうです。
「風が気持ちいいなと思って『釣り候補地ですか?』なんて呑気なことを言っていたら、『大丈夫?』と藤原さんが後部座席に乗ってきて。そのまま、覆いかぶさるように抱きしめられました。『いや、ちょっと。まずいですよ。冗談ですよね。やめときましょ…やめてください』と一瞬抵抗しましたが、力が強くて急に怖くなってしまって。逃げようとして押さえつけられた時にボックスのような硬いものの角に頭をぶつけて、『暴れたら殴られる』と本能的にフリーズしました」
シラフだったら、「飲んでもいない藤原さんは凶暴ではないはず。ちょっと強引な演出をしているだけで、もっと強く抵抗すれば拒否できるかも」と判断できたのではないかという悦子さん。
「でも、私も酔っていました。『本来、女性を襲うわけがない上司に襲われている』という異常事態が起こるなら、『人を殺すわけがない上司に殺される』ということすら、あり得るようなパニック状態で。キスをされたら『もう、生きて家に帰ることができたらいい…。どうにでもして』と、力を抜いてしまいました」
すべてが終わった後に、藤原さんは「ずっと、こうしたかった。好きになってしまって。ごめん」と謝罪の言葉を口にしたそうです。
その後も…震える日々 次ページ
「殺される」と思い込んで震える
「私は混乱と罪悪感で頭がぐちゃぐちゃで、『困ります。バレたら大変なことになります』とだけ言った気がします。藤原さんは『分かってる』と…。あとは、とにかく家に帰りたくて、『子どもが心配です。家に帰してください』とだけ言って。藤原さんは拍子抜けしたような顔をしていました。相思相愛だと思っていたみたいで、もう少しエモい展開を期待していたのに、がっかりしたような表情でした」
混乱し、家に帰るまで、「人の良い隣人も、レイプしてくるかも」「口封じに殺され行方不明者になるのでは」という不穏な妄想が頭から離れなかったという悦子さん。
「実際は普通に家に送り届けられ、『じゃあ、また』と車は走り去りました。家に入って、平和に寝ている母と娘の顔を見て涙が止まりませんでした。すぐに風呂を沸かして、中で体を洗いながら『私は、一夜の遊びを楽しんだだけ。迂闊だから襲われたわけじゃない』と言い聞かせて、自分を洗脳していました。そうしないと、深刻な鬱になるだろうと感じていたからです」
「うかつな女」と思われたくなくて… 次ページ
「うかつな女」より「軽い女」と思われたい
週明けに出勤した後は気まずさが限界点に達して、逆に明るく「もう飲みすぎて、まだダルダルですよ藤原さん」と満面の笑みで自分から話しかけてしまったという悦子さん。
「藤原さんは、許されたと思ったのか『いや、まぁたまにはいいんじゃないか。次は俺も飲みたいから電車で行こう』とヘラヘラしていました。『ガス抜きにしかならないけど愚痴ならいつでも聞くぞ』と、鷹揚な笑みを浮かべていましたが、もう、尊敬の気持ちは消えていました」
その後も、「いい肉の日だから焼き肉行くか」「サウナの通り道だから送ろうか?」など声をかけられることがあったそうですが、悦子さんは理由をつけて断っていたとのことです。
極力自然に振る舞っても挙動不審な面もあったのか、一緒に飲んだ同期女性は「あの日、何かあった? 大丈夫」と聞いてきたそう。その時点ではまだパニックが抜けていなかったという悦子さん。
「私は『楽しかったよ? 息抜きになったし、大学時代のサークルを思い出した』と強がりを言ってしまいました。うかつで気の毒で弱い女性と思われるよりは、自由奔放な一面がある軽い女、と思われたほうがマシだと思いました」
部署内でも話題になっていた 次ページ
心療内科に通いながら子育て中
部署内では、藤原さんと悦子さんが2人で帰ったこと、少し怪しい雰囲気だったことが密かに噂になっていたそうです。
「仲の良い同期女性は『送ってもらっただけかもしれないし、飲んでいるときから藤原さんが肩を触ったりセクハラっぽかった』と庇ってくれたんですが、『だとしても悦子さんも脇が甘い』と言われたそうです。彼女は親身になってくれていたので、後日つい泣きながら本当の気持ちを吐露してしまったのですが…。『コンプライアンス窓口に相談すれば何かしら対応はできるかもしれないけど…ただ、今までの言動やメール内容から、ただの不倫だって糾弾されるかも』と言われてしまいました。その通りだと思いました」
結局悦子さんは、藤原さんのハラスメントについては触れず、体調不良を理由に異動願いを提出して別の部署に移動したそうです。
「1年後に夫が海外赴任から帰ってきた頃には、私は心療内科に通いながら時短勤務をしていました。夫は、ワンオペ育児のせいだと思ったのか、積極的に子育てに関わってくれるようになりました。一人暮らしをしたこともあり、少し家事ができるようになっていて、数年後には第二子も生まれました。今は幸せなはずなんです…。時々夫への罪悪感やフラッシュバックがあり、向精神薬が手放せません」
悦子さんいわく、「力で押さえつけられて性被害を受けた女性」が、屈辱から「自分の意思で遊んだ」フリをすることは、自分以外のケースでもあるのではないかと考えているそうです。
「もちろん、ケースバイケースではありますが…。抵抗して、不可抗力で痛い経験をした私の頭は『怖い』という思いでいっぱいでした。でも、自分の無防備差にも嫌気が刺していたので、『ワンナイトなんてものともしないツワモノ』のフリをしたかったんだと思います」
勇さんに今回の件を話すことも、藤原さんを訴えることも考えたことはあるそうですが、「これ以上精神的に不安定にならないこと、子供に迷惑をかけないこと」を第一にすることにしたと話す悦子さん。
「今は、子供への性教育の大切さを痛感しています。娘と息子には
『男性は、やめてと言われたらすぐ引く。自分が訴えられないためにも』
『女性は気を許した相手にも警戒心を忘れず』
この2つを覚えておいてほしいなぁと。理想を言えば、性別に関係なく
『常に相手の気持ちを考えて思いやりを持って生きなさい』
という基本だけ伝えて、あとは本人たちに任せたいです。もし未来に、海外ドラマのように“手から電流が出る”とか、腕力差が意味をなさなくなる時代が来るなら話は別かもしれません。でも、現状では物理的な力の差がある以上、親として性別ごとにトラブルへの対処法を教える必要があると感じてしまいます」
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