まひろと周明が再会。20年の時を経て周明が伝えてくれた「大切なこと」とは【NHK大河『光る君へ』#46】
OTONA SALONE / 2024年12月2日 22時30分
*TOP画像/まひろ(吉高由里子) 周明(松下洸平) 大河ドラマ「光る君へ」 46話(12月1日放送)より(C)NHK
平安の女たち、平安の男たちを描いた、大河ドラマ『光る君へ』の第46話が12月1日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。
必死に生きてきたまひろと周明。異国情緒あふれる大宰府で再会
まひろ(吉高由里子)は大宰府を歩いていると、周明(松下洸平)の姿を20年ぶりに見かけました。周明はまひろのことも、過去に自分が彼女に対して行ったことも心に留めていたようです。
かつてのあの日、陶器を割り、その破片をまひろの首にあてて、「左大臣に 文を書け」と脅したことをまひろに謝ります。
まひろは「もう20年もの年月が流れたのよ」「苦しかったのでしょ」と、当時の彼の心に寄り添いつつも、過去の出来事として水に流したよう。まひろは周明に対して怒りの感情はなく、再び出会えたことを喜んでいます。
まひろにとって周明は心の内を打ち明けられる人。道長に対する現在の思いも明らかに
周明はまひろのことはなんでもお見通しのよう。また、まひろにとっても周明は心の内を打ち明けられる稀少な存在です。
周明はまひろにとって道長(柄本佑)が大切な存在であることをわずかな会話から察し、まひろは道長への思いを彼に打ち明けました。
「あの人は 私に書くことを与えてくれたの。書いたものが大勢の人に読まれる喜びを与えてくれた。私が私であることの意味を与えてくれたのよ。」
まひろにとって道長は私が私であることの意味を与えてくれた人でした。まひろが社会の中で自分の役割を見つけ出せたのも、周明の「お前の物語は 人を動かしたのか?」という問いに頷けるのも道長の存在があるからこそ。この時代、女性が自らが存在する意味を感じられる一般的な方法は、妻や母になることのように思います。しかし、まひろは当時のイデオロギーを超えて、それ以外の方法で“私であることの意味”を感じ、才能を開花できました。まひろは道長の妻にこそなれませんでしたが、道長の妻とは異なるかたちで、自らの存在する意味を世にくっきりと残せたのです。
まひろは自分の望み通りこの世での自身の役割をまっとうし、道長もまひろの望んだとおり偉くなりましたが、だからこそ抱える心のくるしみも周明に話しています。
「偉くなって 世を変えてとあの人に言ったのは 私なのに 本当に偉くなってしまったら…むなしくなってしまったの そういうことを思う己も嫌になって都を出ようと思ったの」
思い返してみると、まひろが道長に別れを告げたとき、「これ以上手に入らぬお方のそばにいる意味は 何なのでございましょう」と胸の内を言葉にしていました。フラれたのは道長のように見えるシーンはこれまでにいくつかありましたが、そんな単純な話ではなく、まひろの心も道長を誰よりも求めているのです。道長とは心がつながりあっていても、社会制度の枠組みの中では一緒になれない現実を知っているからこそ自ら身を引き、都から離れるという切ない決断をしたのだと思います。
道長はまひろと別れたあとで出家をし、まひろは都に居場所がないからと旅に出ており、ふたりはすれ違った状態です。ふたりがこの世で再び手を取り合う日が訪れるのだろうか。
周明がまひろに「帰ってきたら、話したかった」こととは?
周明は松浦に行って思いを果たしたら大宰府に戻ってくるようにとまひろに伝えました。書くことは都でなくてもできることをまひろに教え、帰ってきたら話したいことがあると伝えた周明。彼がまひろに伝えたかったことは何であるのか想像の域を出ませんが、一緒に大宰府で暮らすことを提案したかったのかと勘ぐる視聴者は筆者だけではないはずです。
周明は「まだ命はあるんだ」「これから違う生き方だってできる」と、まひろの背中を押しますが、彼の命は危機にさらされてしまいます。まひろに付き添って船越の津に向かう途中、まひろらは刀伊と呼ばれる異人の襲撃に遭いました。周明はまひろを守りながら必死に逃げますが、転んだまひろに手を差し伸べているときに矢が命中してしまったのです。
周明の容体は来週以降にならなければ分かりませんが、厳しい状態にあるような気がします。
史実において、平安時代も後半になると政における貴族の影響力はしだいにうすれてゆき、武士が社会において力をもちはじめるようになります。本作は貴族政治のみならず、武士の時代の訪れのきざしも描かれていますが、こうしたところにも人間社会の無常が読み取れます。移り変わる世の中で人間は儚くも、むなしい存在といえるのかもしれません。
【後編】では、作品の背景を深掘り解説することで、ますますストーリーの理解とおもしさが深まる雑学とお届け。▶▶今回は平安時代における移動手段である「牛車」で「丸わかり」になってしまうアレについてです。
≪アメリカ文学研究/ライター 西田梨紗さんの他の記事をチェック!≫
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
愛しきまひろを残してこの世を去った周明。辛くても、人生が続く限り生きていかなければならない【NHK大河『光る君へ』#47】
OTONA SALONE / 2024年12月9日 21時30分
-
「光る君へ」周明(松下洸平)、ラスト1分で衝撃展開 まひろ(吉高由里子)への“最後の言葉”にも注目集まる「やっと再会できたのに」「立ち直れない」
モデルプレス / 2024年12月1日 20時46分
-
【光る君へ 第46話】大宰府で周明(松下洸平)と再会 双寿丸(伊藤健太郎)も発見する
モデルプレス / 2024年12月1日 15時22分
-
『光る君へ』第46回 “まひろ”吉高由里子、“周明”松下洸平から失踪の真実を告げられる
クランクイン! / 2024年12月1日 6時30分
-
【光る君へ第46回あらすじ】周明(松下洸平)が真実を明かす
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月24日 21時45分
ランキング
-
1縮まない・伸びない「ニット」おうち洗いの"正解" 意外とやっている「NG行為」で寿命を縮める例も
東洋経済オンライン / 2024年12月12日 8時50分
-
2カレーライス物価「370円」超えに庶民は悲鳴…値上げラッシュ再燃でエンゲル係数“爆騰”迫る
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月12日 9時26分
-
3「ゴミ新人には、ニコニコしながら放置が正解」「下位2割は捨ててもいい」 漫画が描く、過激な上司の“指導論”にネット騒然
まいどなニュース / 2024年12月11日 20時0分
-
4Q. レンジは危険? マイクロ波の影響が心配です【管理栄養士が回答】
オールアバウト / 2024年12月11日 20時45分
-
5「がんばらなくていい」には要注意。元自衛官が「仕事は攻めた方が楽に働ける」と語るワケ
日刊SPA! / 2024年12月12日 8時48分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください