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夫が失踪して人生崩壊。38歳、「自分はイケメンと結婚した勝ち組」だと思っていた彼女は(前編)

OTONA SALONE / 2024年12月9日 20時0分

高校生の時から付き合っていたという高橋涼さん(仮名)と茜さん(仮名)。

夫妻は、23歳の時に結婚しました。二人の子どもにも恵まれ、週末になると家族で買い物に出かけたり、遊びに行ったりして、幸せな毎日を送っていました。ところが、ある日突然、その幸せは終わりを告げたのです。

若い頃は一匹狼のイケメンだった夫

夫の涼さんは背の高いイケメンで、学生時代は運動もできました。仲間とつるむタイプではなく一匹狼だったといいます。茜さんは、そんな涼さんに惹かれました。

「友達は少ない人でしたが、女性にはすごくモテて、彼女も次々に変わりました。私と付き合っている時も何度か浮気していたと思いますが、気づかないふりをしていました。」

茜さんは、彼からどうしても離れることができず、浮気を知りながら結婚したと言います。2016年に結婚したふたり。その後は子供にも恵まれました。

「子どもの世話もしてくれたし、平凡ですが平和な毎日が続いていました」

ところが、2023年9月。結婚7年目のある日、涼さんは突然家を出て行ったというのです。

「4月くらいからなんか怪しいなと思っていたのですが…。まさか出て行くなんて」

 

車の中に見知らぬレシートが。不穏な予感…

茜さんが、最初に涼さんの異変に気づいたのは2022年のゴールデンウィークのことでした。

「夫は結婚してからずっと禁煙していたのですが、車の中にタバコがあったんです。タバコって、他人の影響で再開したりしますよね。さらには、ラブホテル街のすぐ近くの駐車場のレシートも出てきました。ここのラブホは私も利用したことがあるので、あっ!と気が付いたんです。」

 

駐車場のレシートは、すぐに撮影して保存したという茜さん。

独身時代からも浮気は何度もあったので、今回も気づかないふりをしようと思っていたのですが、なぜかそのことばかり考えてしまいます。しまいには体調が悪くなってきたので、夫と話をすることにしたといいます。

ところが、駐車場のレシートの写真を見せても、涼さんは

「あれはラブホテルに行ったんじゃなくて、どうしてもランチを食べたい店が近くにがあったから仕事の合間に行った」

などと言うのです。

 

駐車していた時間が長すぎることを指摘すると

「食べたら眠たくなったので、車の中で休んでいた」

と言い訳。ラブホテルに行ったという確証もないので、一応それで納得したことにしました。

 

「タバコは目の前で捨てさせました。それから1ヶ月後、またタバコを吸っていたので、『やめられないなら吸うのは構わないけど、子どもの前では吸わないでほしい』と言いました。」

 

夫の家出までカウントダウンだったのに、気づかなかった…

茜さんは、タバコの他にも「おかしい」と思うことがあったと言います。

 

「香水が嫌いだったのに、わざわざヴィトンの香水を買ってきて、『これ、いいんじゃない?』と言ってみたり、もともとは黒髪だったのに髪にメッシュを入れて、キメ顔で自撮りしたりしていました」

 

涼さんはナルシストではあったけど、自分の顔を撮影する人ではなかったので、怪しいなと思ったという茜さん。

「他愛ないことかもしれませんが、15年も一緒にいると、『何かおかしい』ということが分かるんです。」

 

その後、茜さんは、涼さんが「ランチに行って美味かった」という店に連れて行ってもらうことにしました。

「わざわざランチを食べたくて行った店なのに、店が入っているビルを間違えたんですよ。しかも前に注文したというランチを頼もうとしたら、前日までに要予約だと言われて『あれ?俺が来た時は食べられたけどな』と、とぼけていました。」

 

そのときは、やはり「おかしい」と思いつつも見逃すことにした茜さん。涼さんは子どものことも可愛がってくれたし、これまでも波風が立つようなことは起こしてきませんでしたから。

 

最後の家族旅行

ところが、2023年9月、涼さんは突然家を出て行ったのです。

「7月あたりから急に土日の仕事が増えて、帰りも遅いし、友達もいないのに2週間に一度は飲みに行くようになり、それが1週間に一度になりました。さりげなく夫に尋ねることもありましたが、のらりくらりかわされました。」

 

涼さんが家を出る1週間前のこと。一家は家族旅行に行きました。子どもの誕生日と結婚記念日を兼ねた5日間の楽しい旅行の帰路、涼さんのスマホの画面で写真を一緒に見ていたら、一通のLINEメッセージが表示されました。

「これ、誰?」と茜さん。涼さんは「後輩の男」だと説明しますが、明らかに文章の雰囲気が先輩後輩の会話ではありません。

「本当に男なの?」とさらに問い詰めると、今度は「友達の元カノだよ」という説明に変わりました。明らかに怪しい…。

 

最終的には、「飲み屋の女の子で、その子を指名しているから嫌な気持ちになるかと思って隠していた」という説明に落ち着いたといいます。「指名している女性が数人いてもなんとも思いません。でも、楽しかった旅行の思い出が一気に吹き飛びました」と茜さんは憤ります。

 

夫が消えた…突然の家出

この旅行から1週間後、一家は別の旅行に行く計画も立てていました。

ところが最初の旅行から帰ってきた翌日に、「行けなくなった」と言い出した夫。かなり前から準備していて、飛行機やホテルも予約していた朱里さんは思わず感情的になり、

「あなた、昨日も2回も嘘をついたよね。そんな人間、何をするか分からないから家に置いていけないわよ!」

と言ってしまいました。

 

その瞬間、夫はブチ切れたそうです。

 

「キャンセルしたるわ!」と怒鳴り、飛行機もホテルもキャンセルしてしまった夫。

「ほら、見ろよ!」と言わんばかりにキャンセル済みの画面を見せられて、茜さんはここまでされる理由が分からずワーっと混乱して泣いてしまったといいます。「どうしたのママ?」と子どもたちにまで心配されてしまいました。

 

そのあと数日間、モヤモヤした気持ちのまま過ごしていた茜さん。涼さんの仕事が忙しいというのは本当なのか、義母にカマをかけてみることにしました。

涼さんは家族経営の会社に勤めていて、涼さんの父が社長。涼さんの母や姉も職場にいます。

茜さんが義母に、「すごく忙しいらしいですね。涼さんも、てんてこ舞いですか」と言ったところ、なんと義母は、「あの子、本当に仕事しているんですか。女がいると思うんだけど」と言ったのだそう。

 

「えー!!…と思いました。その頃はまだ、怪しいと思いながらも、信じようという気持ちもあったので」

 

茜さんが義母と話した翌日のこと。外出先から帰宅したときに、なんとなく家の中が乱れているように感じた茜さん。子どもたちが触ったのかなと思って確認したら、どうやら違いそうです。

ピンときて、夫の下着が入っているところを確認したら、下着がなくなっていました。

「『あ、出て行ったな』と思いました。そこから別居が始まりました」

 

明日からの生活費にも困る状態に

茜さんは専業主婦なので収入がありません。給料の管理は涼さんが自分でしていたので、年収も知らないままでした。

「私が小遣いをもらって、家族カードで生活費をまかなっていました。でも、夫は、家を出て行くと、すぐに家族カードを解約しました。私に対して嫌がらせをするのは分かりますが、それでは子どもも生活できなくなってしまいます」

 

せめて出て行く前に、別居について話し合う機会があっても良かったのに…と茜さんは悶々としたといいます。

子どもはまだ幼いのですが、その日のうちに何が起こったのか理解していました。

「床に、『パパ、大好き』と書いた手紙が落ちていて、それを見た子どもは、ビリビリに破りながら大泣きしていました。その姿を見て、この子達を一生守っていこうと思いました。」

 

涼さんは、もともとはブチ切れるタイプの人ではなかったそうです。しかし、朱里さんは、「最近、ずいぶん短気になったな」と感じていました。

「子どもも何か感じていたようで、『ママは気づいていないかもしれないけど、パパは最近、ママに対して言葉がきつかったよ』と言っていました。周りから見たらそうだったんだなと思いました。」

 

涼さんが出て行った日、茜さんは涼さんに「出て行ったの?」とLINEを送りました。

すると、「ちょっと考えたい」と返信があり、週末話し合うことになったといいます。

「ファミレスで会いたい」と言う涼さんに対し、「夫婦の問題を第三者に聞こえるところで話したくない。家に来たくないなら車の中でもいいけど二人で話したい」と言った茜さん。

 

そこでまた涼さんはキレたのだそうです。

「君のそういう態度に嫌気がさした。とりあえずクレジットカードは返してください。月5万円は支払います」

と一方的に告げられてしまったといいます。

 

茜さんは、子どもが産まれるまではずっと働いていましたが、一人目を産んだ時に産休、育休を取得し、そのまま職場復帰せずに二人目も出産。再び産休、育休を取得しました。

「経済的にもなんとかやっていけそうだったし、夫とも話して、子どもが中学生になるまでは専業主婦のままでいようということになったんです。でも、このような形で突然突き放されてしまいました。月に5万円で母子3人食べていけるはずがありません」

家は、結婚当初に茜さんの両親が建ててくれたものだったので、そのまま住み続けることができました。実は、涼さんはローンの審査が通らなかったのだそうです。

 

理不尽な条件を突きつけられて

茜さんは両親に相談し、お父さんが涼さんと話してくれることになりました。

「夫は父に、もう一度元に戻りたいなら、『フルタイムで働け、子どもたちの習い事は全部辞めさせろ』、と条件を提示してきました。正直、わけが分かりませんでした。しばらく専業主婦でいるというのは、夫の希望でもあったのです。ところが、夫と私が話し合って、フルタイムで働くと決めたと言ったそうです」

 

茜さんはかつて営業職だったのですが、仕事が自分に向いていると思っていました。現役の頃は、涼さんより稼いでいたそうです。でも、子どもの世話をしながら営業をするのは難しい。アポがあったら夜遅くても行かないといけないし、土日出勤することもあります。お酒の席にも付き合わなければなりません。

 

「仮に復帰したとしても、私がやりたい営業はできないなと思いました。やるからにはしっかり成績を上げたいんです。インセンティブをもらって、安定した年収を稼ぎたい。でも、子どもがいたらそうはいきません。

話し合いの場に私が来なかったので、夫は、『これではやり直せないな』、とニヤニヤしながら言ったそうです。父は、娘婿でなければ殴っていたと言っていました」

次のページへ▶▶探偵を雇ったはいいけれど茜さんの生活は苦しく…。離婚調停でも支離滅裂なことをいう夫に翻弄されて

 

 

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