家族を犠牲にしてまで大切にしたいものって、なんだろう。激務で「イクメン」を挫折、妻ともレスになった男性が決意したことは…(後編)
OTONA SALONE / 2025年1月3日 20時1分
ライターの山下あつおみが、激務の会社に転職したことにより夫婦関係の危機に直面したトシヤさんの苦悩や、赤裸々な本音、そこから見えてくる“男性の育児・仕事両立の難しさ”について、じっくりお話を伺います。後編です。
今後の生き方を考えることに。夫婦の再構築への道
トシヤさんがまず取り組んだのは、自分の働き方を大きく変えて残業を減らすことではなく、妻の家事・育児の負担を最小限にする方法を探ることでした。もともと妻はフルタイム勤務から時短勤務に切り替えているものの、3歳児の子育ては想像以上に大変です。夜中に子どもが起きたときの対応や通院・幼稚園準備といった、日々細かく時間を取られる作業が積み重なり、奥さまの疲労度は高まる一方でした。
「仕事自体は今が一番踏ん張りどきなので、正直なところ業務量を大幅に減らすのは難しいんです。だからこそ私がしっかり稼いで、妻がやらなくていいことは外注したり、サービスを利用できるものは利用するようにしたいと思いました」
トシヤさんはそう語り、まずは家事代行サービスの利用を検討し始めました。掃除や洗濯、食事の作り置きをプロに任せることで、奥さまが少しでもゆっくり休める時間を捻出することが狙いです。加えて、自治体のファミリーサポート制度など、子育てをサポートしてくれる仕組みを積極的に活用できないか、情報を集めています。さらに、両家の実家とも連携を図り、もし可能なら「孫に会う目的」で定期的に家に招待しつつ、子どもを預かってもらう日を増やせないか相談しているそうです。
「自分が直接関われればベストかもしれませんが、現状は厳しい。だからこそ、金銭的余裕があるうちに家事・育児のアウトソーシングを取り入れて、妻の心身の負担を減らすことが急務だと感じました。もちろん、自分もできる範囲では子どもの送迎や家事をやるつもりです」
妻の負担を下げれば、そのぶん夫婦でゆっくり会話する時間や、寝る前のスキンシップに割ける時間が生まれるかもしれない――そんな期待が、トシヤさんの胸にはあります。一方で、「継続的なサービスが見つからなかったり、費用面や実家との都合で計画通りにいかない可能性もある」と、厳しい現実も理解しています。
「今のまま何も変えなければ、本当に“もう無理”って言われてしまうのが目に見えてる。仕事は頑張りたいですけれど、妻や子どもを犠牲にしてまで成し遂げたいことって何だろうって考えると、ないですよ。やっぱり家族を大事にしつつ自分のキャリアも作っていくしかないんですよね。まだまだ理想には遠いですが、妻の負担を減らす取り組みの積み重ねが、夫婦の関係を少しでも改善してくれると信じています」
理想のイクメンにはなれなくても、少しずつ前進していきたい――。そんな思いが、夫婦の溝に悩む長谷川さんを支えているのです。
「イクメンブーム」とその現実 次ページ
イクメンブームのその後
“イクメンブーム”の波に乗って、子育てと仕事をスマートに両立する男性像がもてはやされる一方、現実の壁は高く、トシヤさんのように挫折感を味わう男性は少なくありません。しかも、それが夫婦の溝になり、さらにはレスという形で夫婦の距離を広げてしまう問題は非常に深刻です。なぜなら、これは単なる“性欲の問題”ではなく、夫婦が同じビジョンを持ち、同じ方向を向いていないことが原因で深刻化していくケースが多いと感じるからです。
トシヤさん夫妻はいまだにレスではあるものの、家庭に少しゆとりができたことでスキンシップは増えているそうです。
「今は“レス”という言葉にとらわれず、夫婦としての絆をどう深めていけるかを考えています。焦らず、少しずつでも前に進めればいいと思っています」
家庭の役割分担、仕事への姿勢、育児へのコミット……。いずれも夫婦がお互いにすり合わせを続けないと、すぐにすれ違いが生まれてしまうのです。夫婦の悩みを自分一人で抱えこまず、パートナーと向き合い、時には専門家の力を借りることも選択肢の一つであり、より良い関係を築き直すきっかけになるかもしれません。
今回は“イクメン挫折”から始まったトシヤさんのリアルインタビューでした。
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