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急に冬が本格化する「大雪」の時期に「食べておくとよい」意外すぎる緑色の食べ物をご存じか【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】

OTONA SALONE / 2025年1月15日 21時0分

こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。

2024年は12月7日から20日が大雪でした。

1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。

 

【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】

いよいよ冬が本格化する「大雪」。そんなときにケアしたいのは「腎」

大雪のひとつ前の節気、「小雪」では山に雪が積もり始めていました。「大雪」になると雪は町にも降り始めます。だんだんと人の住んでいるところにも雪が降る時期、木の葉もすっかり散り終えました。と言いたいのですが、ここ熊本では季節が2週間ほど遅くなっている印象で、12月上旬でもまだ紅葉が楽しめていました。写真は12月の上旬の熊本城、大イチョウがたっぷりの葉をたたえて、真っ黄色で最盛期でした。

 

ご好評をいただいている再春館製薬所への通勤道の四季シリーズ、今回は畑にビニールトンネルが出現しました。トンネルは例年12月頭からちらほら出現します。畑のうねの上にかぶせると、日中は中が温室になって暖かく、また露地ならば起きる夜間の葉の放射冷却も緩和するそうです。もう少し先の季節になると「ここはこれを植えていだんたな!」と気づくことができ、それも楽しみです。

 

「腎」はなぜ寒さの影響を受けやすい?答えは「水」を扱うから

さて、大雪の頃、冬本格化の時季に気遣いたいのは「腎」の機能です。腎の機能とは、腎臓・膀胱・尿道・子宮・卵巣、男性では精巣も含めた臓腑で、「次の世代へ命をつなぐ」働きがイメージしやすい代表的な機能になります。

 

寒い季節“冬”に活躍したくなる“腎”の機能は、精(エネルギー)を貯蔵する大仕事を担っています。中医学の捉え方では「清血同源(せいけつどうげん)」なので、精を貯めることに気遣う時は肝の機能に貯まる血もケアしてあげることが重要になります。

 

腎が担う働きとして次に挙げたいのは「津液(しんえき)のめぐり」。人間の身体には、年齢にもよりますが水分が約70%含まれていると言われます。身体の水分は、巡っていると状態が良く、滞っていると不調のもとになります。自然界でイメージすると、常に流れのある清流はきれいな水であり続けますが、流れがなくなりよどんだ“水のたまり場”的なところには苔が生え始めたりします。

 

水は常に“流れがあること”でコンディションが良くなるのですが、身体の中でも同じイメージです。中医学には「陰と陽」の考え方があり、“水は陰”に属します。水に対して、対立したり制約したりしながら存在するのは“陽の火”で、これを担うのが腎の陽(=腎陽)と考えます。

 

身近なもので例えると、鍋に水(=陰)を入れても水は自由には動きません。この鍋を火(=陽)にかけると、水が水蒸気となって空気中を「自由に動き回る」ようになります。ただし、冬の水場はとても寒さを厳しく感じます。腎の機能も“水”を扱うので寒さの影響を受けやすい環境にあります。そんな腎ですので、外からの寒さに負けないように温めてあげたいですね。

 

腎を温める意外なレシピ。どちらもあまり季節を感じないけれどパワーはすごくて…?

この季節にぴったりな2つのレシピのうち、1つは意外かもしれません。「ニラたま」です。季節の印象があまりないメニューかもしれませんが、実は寒い時季におすすめです。ニラの効能は[温陽・補腎]身体を陽気で温めながら腎を補います。たまごの効能は[帰経:肺脾胃心腎][滋陰]で腎陰に働きかけてくれます。今回のニラたまには豚肉を入れているのですが、豚肉の効果は[帰経:脾胃腎][滋陰・補腎]で、腎精・腎陰を補ってくれます。ニラたまの3つの食材が、腎のコンディションに必要な腎精・腎陰・腎陽のすべてに働きかけてくれるので、寒くなったことの季節におすすめです。

 

ニラを刻み、豚肩ロース肉と炒め合わせて、しょうゆ、オイスターソース、みりんで味付けをしてお皿に取ります。いちどフライパンにごま油をひき直してから、たまごを半熟炒りたまごにして上に乗せました。

 

もう1つは「羊肉のさつまいも煮込み」です。肉じゃがをイメージした“羊肉&さつまいも”のメニューで、さつまいもの甘みが羊肉と合います。この組み合わせはお互いの良いところを引き出し合う良い相性だなと個人的に思っています。

 

羊肉の効能は[熱性][補腎・助陽]で、腎を補いながら身体を温めてくれます。牛・豚・鶏肉と比べると羊肉はそれほどポピュラーではありませんが、「少し寒さが厳しいぞ」と感じた時季にスーパーの精肉コーナーにいらっしゃいましたら選択肢に入れていただけると腎の喜びにつながります。さつまいもは[帰経:脾腎][補腎・生津]で腎精・腎陰を補います。枝豆は[益腎]で腎を補う効能があります。羊肉とさつまいもは味の相性だけでなく、効能的にも“腎”のコンディションを整え合う好相性なのでおすすめです。

 

羊肉(ラム)には塩コショウで下味をつけておきます。玉ねぎとにんにくをオリーブオイルで炒め、ラム肉の表面の色が変わるまで加熱したら酒を加えてアルコールを飛ばします。ひたひたの水を入れ塩とリンゴ酢で味を調えます。蓋をして弱火で約1時間煮込み、柔らかくなったらさつまいもと枝豆を加え、さらに30~40分ほど煮込みます。ラム肉の臭み取りに酒・リンゴ酢を使いました。リンゴ酢はまろやかな酸味なので、強い酸味が苦手な方にはおすすめです。

 

 

来春を見据えて身体に精(エネルギー)を貯める腎の機能は、津液(しんえき)のめぐりを担う水に関係する働きで冷えの影響を受けやすい特徴があります。この時季はスーパーの食材コーナーで、温性の食材、腎を補う食材を手にすると身体が喜びます。

 

 

連載中の「田野岡メソッド」が書籍になりました!

『ご自愛薬膳』2024年12月25日発売  田野岡亮太・著 1,980円(10%税込)/主婦の友社 

「身近にある旬の食べ物が、いちばんのご自愛です!」 田野岡メソッド連載で繰り返し語られるこのメッセージが、1冊の書籍にまとまりました。近所のスーパーで手に入る身近な食材を使い、更年期をはじめとする女性の不調を軽減する「薬膳」を日常化しませんか?

日本の漢方では「その症状に処方する漢方薬」が機械的に決められていますが、本来の中医学では症状と原因は人それぞれと捉えます。それに合わせた効果的な食事を「薬膳」とし、食で養生するのが基本なのです。

田野岡メソッドに触れると、スーパーの棚が「薬効の宝庫」に見えてきますよ!

から

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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