浮気夫に振り回されず「自分の人生をちゃんとしないと」。妻を目覚めさせた夫の言葉とは(後編)
OTONA SALONE / 2025年1月25日 20時31分
関東地方在住の花田光さん(仮名)とまりこさん(仮名)。夫が結婚前から100人を超える女性と浮気を繰り返していたことが発覚し、まりこさんは実家に帰りました。当時、赤ちゃんが産まれたばかりでしたが、まりこさんは毎日お母さんと話し合い、思考を整理しました。その結果まりこさんが目指したのは、夫婦の再構築ではなく自分自身の人生の再構築でした。
不倫相手は100人以上、大学の准教授もいた
夫の不倫相手は100人以上。アプリで出会った人と不倫するのですから、相手には困りません。相手の連絡先は分かっていましたが、まりこさんは彼女たちに慰謝料を請求しませんでした。
「相手の一人は大学の准教授でした。勤務先もはっきりしていたし、LINEのやり取りもかなり恥ずかしい内容で、その気になれば慰謝料を取れたと思います。
彼女には夫のLINEから、『妻です。夫と不倫していたんですね。弁護士を通じて、夫とは二度と会わないでください。弁護士から誓約書をお送りします』と、メッセージを送りました。その人は立場のある人なので困ったのでしょう。後日、私宛に彼女の弁護士から、夫とは二度と会わない、不倫のことは口外しないでほしいという書類が送られてきました。夫と別れてくれたらいいので、その書面にサインしました。
彼女を含め、他の誰にも慰謝料は請求しませんでした。弁護士に相談したのですが、あまりにも慰謝料の額が少なくて、時間とお金をかけるだけ無駄だと思いました。それよりも、夫に償ってもらったほうが良かったのです。看護大学に行って看護師になると決めた私。大学を出て看護師の資格を取れば将来役に立ちますし、払ってもらうには金額としても満足のいくものでした」
夫と別居している時、毎日ノートに将来どうしたいのか書き出して、戦略的な再構築について考えたまりこさん。最も彼女らしい決断をしたのです。
夫につきつけた「再構築の条件」 次ページ
夫につきつけた「再構築の条件」
最終的にまりこさんは再構築することにしましたが、これは夫婦関係の再構築というより自分自身の人生の再構築だったと言います。
「実家に帰って別居している時に母と毎晩話し合いました。きちんと再構築するためにどんな戦略に打って出たらいいのか考えて、思考を整理するためノートに書き出しました」
一つは、この先ずっと経済的に自立するために医療従事者になること。夫には、再構築の条件の一つとして、看護師になるため看護大学に行く費用を全部支払ってもらっています。受験する前に予備校にも行ったので、全部で600〜700万かかっており、それは女性からもらう慰謝料よりもずっと高額でした。
夫である光さんは、最初はまりこさんが看護大学に行くことに反対していましたが、強くは言えないようでした。
「予備校代、入学金、授業料など全部出してもらえると分かった日には、高みを目指してチャレンジすると思いました。チャレンジするならなるべく高い偏差値で、いい大学に行きたい、看護をちゃんと自分のキャリアにして、もう一度自分自身の再構築をするぞと思いました。なんだったら70歳とか75歳まで働くという意気込みです」
二つ目の再構築の条件は、東京の分譲マンションを手放して、まりこさんの実家の近くに戸建て住宅を買うことでした。その結果、光さんは1時間半かけて東京まで通勤することになりました。
「結構夫も腹をくくりました。『これを機に俺も人間変えるし』と言っていました。不倫発覚後、夫がうちに来た時、両親は夫に、『お前のことは99.9%信用していない、これからも信用しない』『人でなし』と、厳しい言葉を浴びせました。しかし、夫の覚悟を目の当たりにして、両親も少しずつ氷が溶けていくようでした。
義理の両親は少し違っていて、私が看護大学に通うのは『離婚する意思の表れ』だと言っていました。ちょっとカチンと来たので、『じゃあ、逆に聞きますが、息子さんが絶対に不倫しないと約束できますか』と言ったら、『できません』と言っていました。そりゃあ、約束できるわけがないですよね。未来のことなんて誰にもわからないのですから」
まりこさんは、二つの条件を飲んだ光さんのもとに戻る決心をしました。条件は飲んでくれたものの、万事がうまくいったわけではありません。その後、7ヶ月もの間、まりこさんは苦しみました。
立場が逆転? 荒れる私に突きつけられた夫からの「最後通告」 次ページ
荒れる私に突きつけられた夫からの「最後通告」
戦略的再構築というといかにもサバサバした感じがしますが、夫に購入させた新居に移っても、まりこさんの気持ちが晴れたわけではありません。
「東京の自宅に帰ってから、毎日精神的に安定しない日が続いていました。割り切っているつもりだったのにフラッシュバックして、乳飲児も抱えていたし、毎日怒ったり泣きわめいたりしていました。最初の頃は近くの保健センターの保健師さんに毎日電話で相談しました。もう産後うつで死んじゃうんじゃないかというくらいの落ち込みようで、授乳しながらずっと泣いていました。
夫には、家の購入や看護大学の費用だけではなく、さまざまなことを課しました。でも、夫はどんどんクリアしました」
当初の望み通り実家近くの戸建ての家に引っ越しても、まりこさんは荒れていました。ある日、夫の光さんは、まりこさんに最後通告を突きつけてきたそうです。
「夫は、150%俺が悪いけど、君も再構築すると決めたなら、最低限努力してもらっていい? 俺もここまでやったよ。安くないよこの家。いろんなことを犠牲にして今ここにいるけど、こんなことをあと10年20年やっていかなきゃいけないと思ったら、さすがに俺もちょっともう無理だわ。俺だって君のことをケアしたいけど、そんなにブチ切れられちゃ俺だってケアできない。俺だって人間だしと言ったのです」
それを聞いてハッとしたという、まりこさん。
「あの時、離婚することもできたのに、再構築すると決めたのは私です。夫とやり直すって決めたのは自分なんだと改めて思いました。夫は感情的になることなく、落ち着いていました。だから私も冷静に考えることができて、『私なんで今ここにいるんだろう。喧嘩するためじゃなくて再構築するためにいたんだ。離婚もしていない。その決意をしたのは私だから私の責任だ』と思いました」
再び夫と暮らすようになって、3年後 次ページ
再び夫と暮らすようになって、3年後
まりこさんは、家族や夫婦は日々の積み重ねだと言います。
「お互い思いやりあるコミュニケーションをして、1日1日を積み重ねていかないと夫婦にはなれません。再び夫と暮らすようになって3年。今は一緒に旅行にも行きますし、腹の底から笑って過ごしています。
最近は、夫のことを成熟した男性だと考えるようになりました。自分の頭で考える力があって、自分で物事を選択し、責任を持って行動できる人間として接しています。
もしも今、夫が不倫したとしても、『あなたは自分の頭で考えて、離婚とか慰謝料のことも分かった上で不倫したのだから、自分でちゃんと生きていってください、今まで有り難う、どうぞお幸せに』と言って別れます。不倫されようとされまいと、一緒に暮らしていくには、お互いそれくらいの覚悟をしておく必要があります。
夫婦と言っても赤の他人です。自分の人生に責任を持っています、大丈夫ですと言えるくらいお互い自立した者同士でなければいけません。お互いの努力のもとに家族が成り立っているから、夫婦生活を心から楽しめるのです」
「また不倫するんじゃないか」という不安に支配されない
夫と一緒に暮らしているけれど、まりこさんは、この先確実に一緒にいられるとは思っていません。
「はっきり言えるのは、不倫なんてくだらないことをする人間に付き合っている暇はないということです。もうやりません、すみません、人間変わりますなんて言っている人間(夫)が横にいるけれど、本当に変わったかどうかなんて誰にも分かりません。夫がまた不倫しているのかどうか詮索したり、不安な気持ちに支配されたりして過ごすのは無駄な時間だと思っています。
精神的にも経済的にも自立していたら、不安になんてなりません。もし私が60代だったら、別れないというのも生存戦略の一つなるかもしれません。でも、私はまだ30代。まずは自分ができることをきっちりやろうと思いました」
子どもを守っていく、まりこさんはその覚悟を新たにしました。まりこさんにとって再構築というのは、夫と再構築するという意味ではなく、自分の将来をもう一度再構築するという意味でした。
「今は、不倫しないでほしいとも思いません。40歳になっても50歳になっても私はパートナーを見つけられるし、子どもを私一人で幸せにする自信があります」
「いつ終わるかは、わからないけれど」 次ページ
一生一緒にいるというのは奇跡。いつ「終わる」かは、わからないけれど
まりこさんは、夫婦は他人同士なので一生一緒にいることの方が奇跡だと言います。
「途中で別れる方が自然だと思っています。人は一生変化し続けるもの、変数と変数が一緒にいるので、気持ちは変わるかもしれないし、大切にしているものも大切にしないものも変わっていきます。価値観が変わるんです。環境も変わっていくし、お互いスペックも変わっていくじゃないですか。
なので、途中で別れる可能性は十分あると考えています。お互い努力することもなくずっと一緒にいられるという考えは私にはありません。努力しても続かないこともあるでしょうし、うまくいかなければ別れるのはごく自然なことです」
再構築したからといって、10年後20年後も夫と一緒にいるかどうかなんて分からない。神のみぞ知るです、とまりこさんは語ります。
「将来夫に好きな人ができて、大切な人がいるから別れたいと言われたら、別れようと思います。それでも私と結婚していた方がいいなんて思いません。私も、夫とは価値観が違う、違う方向を向いていると思ったら、あなたはあなたで生きていってください、私は自分の価値観で生きていきますと言って、さっさと別れます。
今は幸せですが、いつ結婚生活が終わるか分からないというのが大前提にあります。だからこそ今の時間をしっかり楽しもうと思うんです。この家族の時間って5年後終わるかもしれないし10年後終わるかもしれません。有限だと思っているので、かなりマインドチェンジができました。
きちんと妻をやり切って、夫との時間を大切にして、終わる時が来たらスパンと終わりにしようと思います」
現在、光さんとまりこさんは、第2子を作ることを考えています。ずっと先のことは分かりませんが、自立した二人が新しい一歩を歩み出しています。
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