看護師の職を捨てて48歳でフランス移住。言葉が通じず、知人もいない小さな町で始めたら「人生が変わった」こととは
OTONA SALONE / 2025年2月6日 11時0分
日々が飛ぶように過ぎていくなか、自分のあり方に漠然と迷う40代50代。まるでトンネルのように横たわる五里霧中ですが、そんななか「ほんのちょっとしたトライ」で自分のあり方を捉えなおすには、「最初の一歩」に何をしてみればいいのでしょうか。
ライター野添ちかこがオトナサローネ読者にインタビューを行い、リアルな女性の人生をお届けする本シリーズ。今回は、日本での安定した職を捨てて48歳で渡仏した女性の体験談をご紹介します。
◾️ミドリさん
フランス在住、50歳。2年前に結婚し、44歳のフランス人の夫と2人暮らし。神奈川県・横浜生まれの横浜育ち。
【私を変える小さなトライ#15】前編
48歳のとき、言葉を全く話せない状態でフランスへ移住
こんにちは。ミドリです。2年前に結婚して、フランスに移住しました。場所はワインで有名なボルドーから車で1時間くらいの小さな町。フランス語をまったく話せない状態でフランス行きを決めた私ですが、散歩の最中に「あること」を始めました。そうしたら地域の人から声をかけてもらえるようになったんですよ。
日本では看護師の仕事をしていました。看護師のライセンスは日本だけの資格ですので、フランスで看護師として働くことはできません。だから、仕事をやめてフランスに来たことは、私のなかでは大きな決断でした。フランスでも看護師は人手不足ですので、いざ仕事をするとなれば歓迎されるとは思いますが、もし本当にやるならば、もう一度、学校に通ってゼロからやり直さなければいけないんです。
配偶者ビザはなんとか取れたので、フランスで仕事をスタートすることはできるのですが、いまはまだ語学力が追いついていなくて、目下フランス語の勉強中。夫は交換留学で日本に来ていたのでカタコトの日本語は話せますが、2人のときはもっぱら英語で会話をしています。
夫が勤めるフランスの会社は1年のうちに長期休暇が5週間、さらにクリスマス休暇が2週間。残業をすれば2カ月に1回、振替休暇もとれるので、バケーションをゆっくり楽しむことができます。私は30代前半でアメリカに語学留学をしていたこともあるので、異文化で生活することに抵抗はなくて、むしろ日本にいるときのほうが窮屈さを感じていました。そういった意味ではフランスのほうが性に合っていると思います。
ガーデニング用のグローブをはめて散歩に出かける理由とは
そんな私が日課にしているのが散歩です。もともとランニングが好きで、フランスに来てから週末はランニングをしていました。家から1kmも離れていないところにワイナリーがあったり、森があったり、周辺は自然も多くて、とてもきれいなところです。
家の近くを歩いて動物に出合い、雨上がりの虹に心熱くなる毎日……。でも、その道にカンやビン、ペットボトルなど、結構ゴミが落ちているんです。
車も多くないし、自転車専用道路もあるので、自転車で颯爽と走るのも最高に気持ちがいい。でも、やっぱりゴミが気になる。
清掃は数カ月に1度しかありません。「日本にいたら、こんなにゴミは多くないのにな〜」と気になってしまって……。といいつつ、「自分でゴミを拾うのは恥ずかしい」「ゴミ拾いしたいけれど、どうしよう?」「この汚さは納得がいかないな」と悶々としていました。だって、せっかく走って爽快な気分になっても、ゴミを見たらテンションが下がってしまうでしょ?
夫にも言ってみましたが、「こっちの人は誰もそんなこと気にしないよ」と言われてしまいました。そんなとき「日本から外国に行った野球選手やサッカー選手がロッカールームを清掃した」とか、「サポーターがサッカーのスタジアムをきれいにして帰る」というニュースを見て、「私もやってみようかな」と思い立ったんです。
日本なら100円ショップに行けばゴミ拾い用のトングもすぐに入手できるけれど、家の近くの店にトングはない。でも、ガーデニング用のグローブがあったので「これは使える」と! グローブをはめて、ビニール袋をもってお散歩をし始めたら、30リットルのビニール袋がすぐいっぱいになりました。
そうして、散歩道は日に日にきれいになっていったのです。
本編では、言葉もうまく通じないフランスに移住したミドリさんが、「街のゴミ拾い」という形で小さなトライを始めたお話をお届けしました。街の人はどう思ったのでしょう?
▶「ボルドーの街で自主的に始めたゴミ拾いで、街の人と仲良くなれた。『後悔のない人生を歩みたい』看護師時代の経験から強く思う彼女の小さな挑戦」では、近隣住民のリアクションや、これからのミドリさんのさらなる目標についてお届けします。
≪ヘルスケアライター 野添ちかこさんの他の記事をチェック!≫
この記事に関連するニュース
-
ボルドーの街で自主的に始めたゴミ拾いで、街の人と仲良くなれた。「後悔のない人生を歩みたい」看護師時代の経験から強く思う彼女の小さな挑戦
OTONA SALONE / 2025年2月6日 11時1分
-
めまいと呼吸困難で緊急搬送された48歳女性「これも更年期障害なの?」安定剤を処方され、2ヶ月休職することになったけれど
OTONA SALONE / 2025年2月2日 11時0分
-
【画像ギャラリー】小さなトライ15
OTONA SALONE / 2025年1月22日 20時47分
-
50歳で素晴らしい仲間と出会い「WEB雑誌」を作ることに!人生の後半戦でのチャレンジで、夢を取り戻した私は
OTONA SALONE / 2025年1月12日 11時1分
-
「私、やればできるんだ」一度は挫折したけれど、50歳を過ぎてから人生の宝物を見つけた。新しいコミュニティで仲間と生きがいに出会うまで
OTONA SALONE / 2025年1月12日 11時0分
ランキング
-
1維新が医療費4兆円削減、社会保険料は6万円引き下げ提案 新年度予算案賛成の条件に
産経ニュース / 2025年2月7日 20時1分
-
2ネトフリに実力派俳優が出演する理由は「お金」だけではない…テレビドラマに起きている深刻な幼稚化
プレジデントオンライン / 2025年2月8日 7時15分
-
3高額療養費の「自己負担の上限引き上げ」見直しへ…政府・与党、がん患者らに反発広がり
読売新聞 / 2025年2月8日 5時0分
-
4突然、骨折したかと思うほどの激痛が走った…贅沢とは無縁の48歳男性に痛風を発症させた"危険な好物"
プレジデントオンライン / 2025年2月8日 7時15分
-
5「ごはん抜き生活」は逆に糖尿病リスク大…「最初は野菜から」より効果的な血糖値を上げない"食べ方"の大正解
プレジデントオンライン / 2025年2月7日 18時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください