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東大生になってはじめての同窓会。「男の子なら大学進学、女の子なら不要」同級生の会話がジェンダー論で学んだ偏見そのものだった

OTONA SALONE / 2025年1月24日 11時6分

35歳から受験勉強を始め、38歳で東京大学に合格しました。現在2年生。4月から経済学部に進学します。

 

この連載では東大生や東大教授の素晴らしい部分を述べることが多いが、今回は自分のことを少し書きたいと思う。

 

◀この記事の【前編】を読む◀◀◀こちらから◀◀◀

 

▶学びが少ない親の子どもは将来の可能性が狭まる!?

学びが少ない親が、ジェンダーバイアスを持っているかも。子どものチャンスが奪われる?

「男の子には大学に行ってほしいけど、女の子は別にいいかな。お金もかかるし」

 

そう言った彼女の選択は娘の可能性を奪うかもしれない。

 

「どうせ大学に行っても、就職してすぐに結婚して退職するんだったら、行かせなくてもいい」

そうかもしれない。彼女がそう思っているのなら、娘も自分の将来をそう予想し、高い確率でそれが実現されるかもしれない。

 

でも、大学に行くことで素晴らしい仲間やプログラムと邂逅し、やりたいことが見つかるかもしれない。なんとなく、やりたいこともなく、ただの惰性で大学に行っても自分の将来を大きく変更するような出来事が起こる可能性がある。

 

彼女の家庭では男の子だったら当然のように与えられる機会を、女の子であるだけで奪われるのだ。

 

彼女は親としても友人としても優しい人間だ。きっと倫理観も備わっているだろう。でも、学びが少なければ、家族に不条理を強いてしまう。

 

東大の「ジェンダー論」の授業や推奨書籍で紹介されるバイアスが自分の周りに残存していると知り、自分の中で問題意識が強まるのを感じた。

 

▶田舎に残るルッキズム

「A子さんが可愛かった。今日会いたかった」と別の女性たちの前で言う違和感

ジェンダーバイアスだけでなく、ルッキズムも強く残る。

 

ルッキズムについてはその射程が不明瞭であることから、個人的な使用を避けている。無論、他者の容姿を悪くいうことは許されないが、SNSで「ルッキズムだ」と批判の道具として用いる人たちは、容姿で評価すること、つまり「美しい」と声に出して言うことも悪とみなしていないだろうか。

 

容姿は遺伝だけでなく本人の努力と内面によっても形成される。運動能力や勉強も遺伝的な賢さと本人の努力、環境の影響を強く受ける。

 

美しい人が自分の能力を評価される機会を恣意的に奪われることは公平ではない。

 

さて、そんなことは言いつつも不必要に容姿で評価することには嫌悪感を抱く。

 

小学校の同窓会に参加する一部の男性が「A子さんが可愛かった。今日会いたかった」などと何度も言っていた。

参加している女性の前でそこにいない女性の名前を出して「可愛かった」と言うのは、目の前の女性に「可愛くなかった」と言うのと同義ではないか。異性を顔だけで判断して恋愛するのは彼の自由だが、同窓会で集まってわざわざ別の女性に言うことなのだろうか。

 

ぼくは初めて、「ルッキズムじゃん」と言いそうになった。

 

小学生の頃のぼくは、勉強ができるとか足が速いとか話をしていて楽しい人が好きだった。厳密には「好き」という感覚が芽生えておらず、各クラスに一人ずつくらい運動会でマイムマイムを踊りたい女の子がいた。

 

そういう感覚とははるかにかけ離れた男性たちのルッキズム。当時好きだった女の子がどんな大人になったのか知りたいという欲求は理解できる。しかし、それを執拗に述べることは同窓会では許容されない。

 

同窓会でそういう不用意な発言をするのは大抵男性で、女性は「あの人かっこよかったよね」などと執拗に述べない。過去の男性などどうでもいいのかもしれない。

 

ぼくだって、東大で学びを深めていなかったらジェンダーバイアスにもルッキズムにも気づかなかったかもしれない。そう思うから、学びの重要性を感じる。それは本だけでは得られない、周囲に多様な経験を持つ仲間がいるからこその学びだ。

 

学びが人を豊かにし、機会を提供し、偏見をなくすと信じている。

 

 

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