ファンキー加藤「踏ん張ってやってきてよかった」応援ソングを歌いながら、応援されている。「一人」のファンと、「二人」のカミナリ親父
OTONA SALONE / 2025年2月2日 17時16分
2021年に新生「FUNKY MONKEY BΛBY’S」を再始動、2024年にはソロ活動10周年を迎えた、ファンキー加藤さん。アーティスト人生を歩む中で、いろいろな悩み、苦しみがあったといいます。そんな加藤さんの心の支えとなったのは何だったのでしょうか? 著書『未完声』の中から抜粋・編集してお届けします。
「一人に向けて曲って作るんだな」ファンの顔を見ながら思ったこと
ファンモンの曲を聴いている人に特別多いのかどうかはわからないけど、みなさんがすごく大きな悩みを抱えながら俺たちの歌を聴いて「励まされました」って言ってくれる人が本当に多い。
「希望の唄」もそうだけど、俺が書く歌には「応援ソング」が多いからなのか、握手会のごく短い時間の中で「こういう大変なことがありました」「こういうときに、この曲にすごく励まされたんです」って、一生懸命に伝えてくれる人が多い。
歌を作ってるときって、やっぱり「売れたい」とか「もっとたくさんの人に届いてほしい!」って思いも正直に言って、ある。でもファンの顔を見ると、そこのピントがグッと合う。俺の曲は、こういう人に聴かれて、何かの手助けになったり、励ましたりができたんだ……って。
本当に一人なんだな、一人に向けて曲って作るんだなって思わせてくれる、それがファン。本当にいろんなことがあった末に、今も変わらずに応援してくれるファンは、心から大切にしていきたいなと思う。
ソロになったり、ファンモンが再始動したり、いろんな節目があって、ここ数年、特に思うのはファンの人たちも自身の環境だったり、それぞれ変化をしているんだなっていうこと。
「昔は学生だったからライブに行けなかったけど、今は社会人になって来れるようになりました」
「昔はお父さんとお母さんに連れてきてもらっていました。今は自分が社会人になって、定年退職したお父さんにチケットを買ってあげて一緒に来ました」
ファンモンを聴いていた人が「定年退職した(する)」という話はいろんなところから伝わっていて、何か感慨深いものがあった。良好な親子関係をちょっとでもお手伝いできているのかなってね。ソロも10年やっていると、ファンキー加藤の楽曲についてもそういう声を聞く機会が増えてきた。踏ん張ってやってきてよかったって心から思います。
それぞれの人がいろいろあって様変わりしていく。その人生の一つの過程に、ずっとファンモンとかファンキー加藤の楽曲が存在しているんだなと思うと、俺たちもすごい励みになるし、単純にうれしい。
ファンモンが再始動したとき、多かったのは「小学校のころに聴いてました」「中学校のころ聴いてました」って声。当時の彼らはライブもなかなか行けなかっただろうし、ブログとかSNSなどのコメントも残せなかったはず。だから、俺の見える範囲内に「ファンモンを聴いてる子供たち」は見えにくかった。
だけど、再始動したら「子供のころに聴いてました」って人が大人になって目の前に現れてくる。思いがけない形で可視化されて、「わっ、そんな小さなころから聴いてくれてたんだね」と、ただただ驚くばかり。
「本気でガツンと」めっちゃ叱ってくれる「二人のカミナリ親父」とは?
ファンモンが売れて、全国の大きな会場でライブをさせてもらったり、メディアに出たりしているうちに、ちょっとだけ天狗になるというか、肩で風切って歩いちゃうようなところも、正直あったとは思う。
だけど、そんな俺たちの手綱をとってくれたのが、ウチの事務所(イドエンターテインメント)の尾辻重信社長だった。社長は怖い!(笑)。俺にとっては厳しい親父のような存在だったので、完全に天狗になってしまうのを止めてくれていたんだ。所属アーティストがちょっと売れて生意気になってくると、めっちゃ𠮟ってくれる(笑)。
俺たちが売れた当初はファンモンが事務所の柱だったので、普通はそうなるとアーティストに対して周りのスタッフや、何だったら事務所の社長ですら物が言えなくなってしまうなんてこともあるらしい。そのせいで良くない評判が広まってしまうパターンがあるし、そういうアーティストも見てきた。
でも、ウチにはそれはないなあ。俺が何回かやらかしてしまったときも、本気でガツンと𠮟ってくれた。さすがに殴られたことなんかはないけど、鉄拳制裁されそうな雰囲気を感じさせるんだよね。バシッと𠮟られて、襟(えり)を正す。やっぱり、ちゃんとやらなきゃなって。
だから社長がいなかったら、俺たちはもっとやばかったかもしれない。もっと早々に潰れたり、存在ごと消えていたかも……(笑)。
ただ、天狗になって自信に満ち溢れた態度が、ライブでプラスになったりする場合もある。ここがなかなか難しいところでね。ステージ上で「カリスマ」として君臨する瞬間にも、過度な自信の力が間違いなくあったりするから。
だって、ステージ上は非日常な場でもあるわけで、それはある種、プロレスなんかと共通する部分だけど、俺らと変わらない「一般人」っぽい人がそこにいたとしても、我々はそこから何を見て、何を受け取ればいいんだっていうところはある。ある意味、狂気な部分だったり、人とは違ういびつな感性が、ステージやリングという場では輝きを放つものだったりするから。
でも、ファンモンはそういうスタイルでもない。やっぱり何かをやらかしたりするたびに、おっかない社長がちゃんと怒ってくれる。今となってはありがたく思うし、実はウチの親父もそういうタイプで、鉄拳制裁を辞さない昭和の男だった(笑)。
中学生のとき、八王子のヤンキー文化に染まって友達はボンタンを穿(は)いたり、髪を染めたりしていたけど、俺はそういう外れ方はしなかった。家でそういう「改造ズボン」が見つかったら、速攻で破いてゲンコツっていう親父だったから、もう怖くって(笑)。
だから、俺は二人のカミナリ親父にだいぶ道を正してもらいながら、生きてきたなって思う。実家にいたときも、社会に出てからの世界にもカミナリ親父がいるってことに、今でも感謝している。ちゃんと怒ってくれてありがとうございます、って。
★ここまでは、ファンキー加藤さんの心の支えになっている存在についてお届けしました。【前編】では、ファンキー加藤さんが応援ソングに託す想いを中心にご紹介しています。
■BOOK: 2200円(税込み)/徳間書店
■著者略歴:ファンキー加藤
1978年12月18日 東京都八王子市生まれ。2004年1月、地元八王子にてFUNKY MONKEY BABYSを結成。リーダーを務める。2006年1月 「そのまんま東へ」でメジャーデビュー。国民的大人気アーティストの仲間入りをするも2013年6月、人気絶頂の中、同グループを解散し、結成から約10年間の活動に幕を閉じた。60万件の申し込みが殺到した解散ライブには2日間で超満員10万人を動員した。2014年2月12日、ファンキー加藤としてシングル『My VOICE』でソロデビュー(オリコンシングル週間ランキングは初登場3位)。俳優としても映画「サブイボマスク」(2016年6月公開)にて初主演。東日本大震災から10年となる2021年3月11日、TBS系「音楽の日」でのFUNKY MONKEY BABYS一夜限りの復活をきっかけに。2024年、ソロデビュー10周年を迎え、2月にソロ約4年ぶりの新曲「優しい光」をデジタルシングルでリリース。初のベストアルバム『My BEST』の発売と合わせ全国ツアー開催を発表した。
≪オトナサローネ編集部 佐々木めぐみさんの他の記事をチェック!≫
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ファンキー加藤が、応援ソングに込めたものとは?「がんばれ」と背中を押すだけが応援じゃない
OTONA SALONE / 2025年2月2日 17時15分
-
鈴木実貴子ズが語る、「排泄」として生み出した強烈な楽曲、大人になることへの渇望
Rolling Stone Japan / 2025年1月27日 19時0分
-
《ふざけんな!》『ザ・ノンフィクション』クズ芸人のその後、坊主頭で出家も1日で脱走 相方が明かした「鉄拳の真意」と現在
NEWSポストセブン / 2025年1月27日 10時59分
-
昭和の伝説フィンガー5…ボーカルが語る秘話 ヒットでつかんだ「六本木のビル一棟」相当の大金 全額をアメリカ留学に投じた
まいどなニュース / 2025年1月21日 6時55分
-
ドレーやスヌープも認める実力派、Thurzが語るケンドリック・ラマーとの共演、西海岸の新たな黄金期
Rolling Stone Japan / 2025年1月20日 17時30分
ランキング
-
1こんな所までモザイク処理が…!Googleストリートビュー、意外なプライバシー保護に爆笑「うちもやられた」「面白い」
まいどなニュース / 2025年2月3日 7時20分
-
2《昭和生まれのお菓子ランキング》ベビースター抑えた1位は昭和39年発のメガセラー商品
週刊女性PRIME / 2025年2月3日 21時0分
-
3タイに移住した36歳男性が明かす、“食費だけで10万円近い”リアルな生活費「屋台飯はあまり食べなくなった」
日刊SPA! / 2025年2月3日 15時53分
-
4新型車続々、2025年スポーツカー人気復活の兆し プレリュードやシビックなどの注目モデル公開
東洋経済オンライン / 2025年2月3日 13時30分
-
5朝まで起きない「ぐっすりストレッチ」基本の3つ 眠るタイミングに向けて深部体温を下げる方法
東洋経済オンライン / 2025年2月3日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください