梅宮アンナ「再建するかしないかより、知ってほしいことがある」いま考えている意外な「それより先のこと」は
OTONA SALONE / 2025年1月31日 21時0分
ステージⅢAの小葉がんを治療中の梅宮アンナさん。病に前向きに向き合うその姿に、「アンナちゃんといっしょだから私も闘える」「毎日勇気をもらっています」とポジティブな賛同の声が寄せられます。アンナさんも「勇気が出た、と言われることが何よりうれしい」のだそう。
11月7日に右乳房とリンパ節の摘出を受け、11月14日に退院。12月5日には2つめの抗がん剤「パクリタキセル」での治療がスタート。全12回をすでに折り返し、8回目の投与を終えたアンナさんの元には、12月にいったんアメリカに帰った百々果さんが再び戻ってきたところ!「いまの気持ち」のメッセージです。
【独占連載「アンナの日々」#7】3
自分の体を再現する「リアルさ」は手術前よりも求めなくなっているかも
傷口の痛みがだいぶマシになり、戦う峠を越えたたので、最近は少しずつブラジャーも使い始めています。でも、まだアンダー部分がむくむんです。リンパ節を郭清した場合、本当に術後2か月は何もできないって実感しています。
こんな状態ですから、術後の人たちがノーブラで生活する理由もわかります。でも、私はおっぱいがある人なので、やっぱりノーブラというわけにはいかないんです。お仕事する人にしてみたらノーブラ出勤というのは、ちょっとないでしょう。男の人ならばパンツを履かないで会社に行くようなものですから、外へ向き合う気持ちも引き締まらない。なので私は「片方がないブラ」が存在してほしいのですが、そもそも「片方ない」ということが日本人には合わないのかな、ということも考えるようになりました。
痛みは残るけれど傷口はすっかり癒えているので、いまはようやく普通のブラをつけて、右の肩ひもを落としています。次のステップは「ないほう」のブラの中に何を入れるか。
いま気になっているのは「Dr.BREST(ドクターブレスト)」、軽くて通気性がいいのです。術前はもとの乳房を精緻に再現して、つけたまま温泉も入れるシリコン製の「つけ乳房」がとっても魅力的でしたが、術後になってみると少し気持ちが変わっています。誰もがそう思うわけではないと思いますが、私の場合はリアルさは追求しなくていいかな、と思うようになりました。
そう、日本人ならではですが、これから温泉やサウナ、お風呂で切除した胸元をどう隠すかという問題が起きます。エチケットとして周囲をびっくりさせないように傷は隠すほうがベターと聞き、それもそうかなと思いました。たとえば、首からかけて垂らし、胸元を隠す専用のタオルがあったりするのですが、私の希望するシンプルでカッコいいデザインはなかなかなくて、花柄やかわいらしいものが多いの。これも私には困った点です。
「同時再建をするのが当たり前」と思いがちだけど、手術にはリスクがあることも調べて
もし若かったら、結婚前なら、出産前なら、子どもが小さかったら、おっぱいをどうしようと迷いに迷ったのかもしれませんが、私はすでに51歳で、娘の百々果も誕生日を迎えてもう23歳。感じ方は年齢によっても違うのでしょう。
私、自由診療も乳房再建も、いろいろな治療のどれも否定しません。ただひとつ、乳房再建については思うところがあります。
いまは同時再建術(一次一期再建)が保険適用なので、みんな「再建はするのが常識だ」と捉えているように思います。それももちろんいい、なくすことが悲しいなら再建すればいいけれど、リスクもゼロではないことは調べているのかな?と感じるのです。手術後の痛みにあれだけ苦しんだ私としては。
私の場合は放射線治療があったので、同時再建はできませんと最初に言われました。もともと考えていなかったのでそれでよかったのですが、治療開始前にいろいろな先輩方にお話を聞いたら、特に胸の豊かな人が受けることが多い「横軸型腹直筋皮弁」は腹部に大きく傷が残ることもあって「再建しないほうがよかった」という声が多々出てきました。
かつては保険適用外で選びにくかった、せっかく手に入った再建という選択肢ですから、それを否定するような意見は挙がりにくいのかもしれません。でも、自分の体のことだからこそいろいろな意見を聞いてから決めてほしい。この機会にぜひお知らせしたいことです。
自分の体のリスクは自分で真剣に考えたい。予防的切除も視野に入れました
実は、私はもっと考えが先にいっています。治療が一段落して精神的にも落ち着いたら、残る左乳房も予防的切除を受けたいなと考えているの。
だって、もう、怖いんです、がんの可能性のあるものを体からひとつでも排除したい。左乳房にもがんができるかもしれないといのは耐えがたい恐怖です。転移前に切除すればリンパ郭清はないから術後の痛みもここまでではないですよね。
もうひとつ、こんなこと、事前にはわからなかったのですが、片方だけ残っているとバランスをとるのが大変なの。人間って左右対称になっていないと調子を崩すと聞いたことがあります。小指1本でも失うとまっすぐ歩けなくなるだなんて、本当かなと思っていました。でも実際、いま私は歩いていても体が勝手に右に曲がっていってしまいます。だから左も切除して対称にしたいのですが、日本はおっぱいがないのはイヤだと感じる人が多いみたい。これも議論されるようになるといいなと思います。
「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」を調べる「BRCA1/2遺伝子検査」も受けましたが、私は「-」でした。喜ぶべきことだけど、私の中では「……」で。もし「+」なら「リスク低減乳房切除術」として選ぶことができたからです。もうちょっと踏み込める「多遺伝子パネル検査」というのがあるそうで、トライしてみようかなと思っています。
私は胸が大きかったからあきらめたことがいっぱいあったの。着られない洋服もあったし、切除すると好きな水着が着られるな!と思えて。世の中の人は胸がなくなることを悲しむ中、左もいらないって人はあまりいないと思いますが、でも私はやっぱり長い長い父の闘病をずっと見てきたから「健康に生きること」を第一に考えてしまうのです。
私がいま果たしていくべき使命って何だろう。それを真剣に考えています
すでに50年生きてきました。私たちの世代は100歳まで生きるかもというけれど、きっと健康なままで100歳まで生きられるわけじゃないよね。ここまでの約半年、痛みや恐怖と戦いながらも、だんだん死んじゃうことも恐怖には思わなくなって、むしろじゅうぶん生きたなって思うようになってきました。ある意味、この病気になった私なりの意味を理解し始めたんだなと思っています。
私に起きるべきことだったんだなと思うのです。なぜ病気になったかはどうでもよくて、今後どうするかが大事なんだと思います。
みんな、何を食べたから、何をしたから病気になったって原因を探すでしょ? 私なんて「髪の毛を金髪にしていたからがんになった」とまで言われました。でも、理由はどうでもいいの、これからならないようにすればいい。
そりゃ、原因には食べ物もあったでしょう。もし大嫌いな野菜をずっと食べていたらがんにならなかったかもしれません。体にいいとされている食べ物が嫌いで、毒とされるものばかり食べてきたからね。でもママなんかもう80歳過ぎたいまもバターてんこもりでパンを食べているけれど、それでも健康そのもの、元気なんです。
だから、理由なんてない。私の場合は私に起きるべくして起きたことなのだと受け止めて、じたばたしてもしょうがない、できること、すべきことをしようと覚悟を決め続けています。
なので、私にとって、おっぱいはまさに命の代償。残る健康な左を切除するのが倫理的にどうかというのはあるけれど、できる限り自分の体は自分で守りたいので、自分の判断で対処したいのです。わざわざあの長い手術をまた受けて、長く傷の痛みに苦しむ道を選べるかなとも思うけれど、もしすでに見つからないがんが存在しているならば脇リンパ節に転移する前に取りたい。どのみち右の傷口の形成は必要です。だから、「終わり」はまだまだ先なのだなと思います。
>>>梅宮アンナ、治療前より体重が10㎏増えても「今は体力維持のほうが大事」むくみの対策にしていることは?
≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫
この記事に関連するニュース
-
梅宮アンナ、治療前より体重が10㎏増えても「今は体力維持のほうが大事」むくみの対策にしていることは?
OTONA SALONE / 2025年1月30日 21時0分
-
梅宮アンナ「更年期障害が始まりました」。ペットボトルが開けらない、靴ひもが結べない「情けなくなることも」
OTONA SALONE / 2025年1月12日 22時3分
-
梅宮アンナ「この病気になってみてわかったことがたくさんある」。じっくり考える時間が増えて意識したことは
OTONA SALONE / 2025年1月12日 22時0分
-
梅宮アンナ「病気で稼ぐのか」の辛辣コメントに返す言葉は?「私はわかってしまったから」
OTONA SALONE / 2025年1月11日 20時51分
-
梅宮アンナ、病気になってから「いっそう輝いている」理由は?「神さまが私に与えてくださった運命だと感じています」
OTONA SALONE / 2025年1月11日 20時50分
ランキング
-
1「走行中にドアをパカパカ」原付バイクを“あおり運転”した高級車が迎えた末路
日刊SPA! / 2025年1月31日 8時53分
-
2「お店からの評価はガタ落ち」20代のスナックママが伝えたい、“夜のお店”で「値切り交渉」をするべきではない3つの理由
日刊SPA! / 2025年1月31日 15時52分
-
3TKO木下、10年前のホテル連れ込みを謝罪も、“強制連行”は否定。青木歌音「内容があまりにも違いすぎ」と反論
オールアバウト / 2025年1月31日 12時25分
-
4親戚の結婚式で夫が放った“ありえない一言”に場が騒然「何も言うなとあれほど…」
女子SPA! / 2025年1月31日 8時47分
-
5自宅の防災セットに「ロングスカート」入れて! 警視庁が勧める理由とは?
オトナンサー / 2025年1月31日 16時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください