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私にフレイルなんて関係ないでしょと思っていたけれど…「50歳からのフレイルアクション」で知る「しみじみとヤバい事実」

OTONA SALONE / 2025年1月31日 14時1分

「ちょっとまって、私たちもう『フレイル』のリスクがあるの????」。そんな声が出てしまったのは、1月30日にツムラが開催した『50歳からのフレイルアクション』。東京都健康長寿医療センター センター長 秋下雅弘先生によると「リスクがあるとまで言うと語弊がありますが」とのことですが、実際は?

 

フレイルは対策すれば予防できるし、健康な状態にも戻れるのだけれども……

「健康寿命の延伸」という言葉をよく聞きます。これ、単に寿命を伸ばすことではなく、「健康な老後」を迎えるために言われているもの。

 

「健康寿命に至るまでのQOLと、その一要素である『ウェルビーイング』、心身ともに満ち足りた状態が求められています。フレイルとは健康寿命、ウェルビーイングを損ねる状態なのです」(秋下先生)

 

科学的には加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態を言うのだそう。案外とこういう定義は知りませんでした。

 

「『フレイル』は要介護状態に至る前の段階として位置づけられますが、実は『適切な対策』で健康な状態に戻ることも可能な状態。なので、しっかり対策をたて健康な状態に戻せるものは戻したいのです」(秋下先生)

 

実はこのフレイル、単なる「体が動かしにくい」状態にとどまらず、いろいろな要素が複雑に絡み合っているのだそう。

①身体的問題/疲れやすい、転びやすい

②精神・心理的問題/うつ、認知機能低下、不眠

③社会的問題/閉じこもり、社会的孤立、孤食

この3つが知恵の輪のように絡み、相互に関係することで引き起こされると言います。

令和元年国民生活基礎調査より作成

「政府は2040年までに健康寿命を3年引き上げることを目標にしています。フレイルの先にあるのが要介護状態。令和元年の調査からも、女性はフレイルの比率が大きいのですが、予兆はその前、中年期にすでに始まっています。『ロコモ』が先に出てくるのですが、そのためリスクが高まった老年期ではなく、中年期、もしかして子どものころから体を作っていく『ライフコースアプローチ』が必要です」(秋下先生)

 

私たちの筋肉、もう「何もしなければ10年で8%ずつ低下する」コースに乗ってるだなんて!

40代後半以降の皆さんはうすうす気づいていると思うのですが、すでに私たちはすべてを「維持できない」状態にあります。具体的には……「そのまま何もしなければあらゆることが低下していく」「低下を止めてプラマイゼロにするのが精いっぱい」「ゼロからプラスに転じる向上はよほどのことがないと望めない」。物忘れだって、体力だって、視力だって、何でもです。

 

骨密度の低下の話は私も過去たくさん書いてきたのですが、じつは50代からは筋肉量の低下も顕著になるのだそう。なんとこれ以降は10年で8%ずつ低下すると秋山先生。ということは、仮に100歳まで生きたら40%低下!!!! にわかに「いま私は大丈夫かな」と不安になってきましたが、筋力が低下すると握力も低下するため、簡単なチェックが今すぐできるといいます。

 

「ペットボトルの蓋が開けられるかの『ペットボトルチェック』です。一般的な『側腹つまみ』で開けられなかったら要注意です。このほかにも厚労省の『基本チェックリスト』や、5項目のセルフチェックを考案しています」(秋下先生)

 

【より簡単にセルフチェックできる方法/1つでも該当するとフレイルの可能性あり】

J-CHS基準をもとに、より身近な事例へ一部表現を変更(監修医師:秋下雅弘先生)

 

よかった、やってみたらさすがにペットボトルチェックはクリアしました。また、5項目のセルフチェックはちょっと「厳しめ」に作ってあるため、これらに該当することがあったとしても「ただちにフレイル予備軍というわけではない」そうです。

 

でも、ひっかかるということはノーリスクではないということですよね。少なくとも30年後のリスクは現在よりは明らかに上がるわけですから、どうすれば……?予防策はあるのでしょうか。

 

秋下先生によれば、以下の3つを重視することから!なのだそう。

 

■栄養

朝昼晩バランスよく食べる。

筋肉を作るたんぱく質と、骨の発育に大事なビタミンDをとる。

口の中を清潔に保ち、定期的に歯科を受診する

 

■運動

ウォーキングや水泳などの有酸素運動。

筋力トレーニングのようなレジスタンス運動。

体調や体力にあった運動を継続する。

 

■社会参加

休日は外出して体のリズムを整える。

趣味や習い事の楽しみをつくる。

人のとのつながりを持ち、脳に刺激を与える。

 

うーん、栄養はビタミンDが足りないと最近よく言われています。それを加味しても「栄養」「社会参加」はなんとかできるような気がします。でも、私の場合は「運動」が……。まずは何から始めたらいいのでしょうか? ウォーキングは結構できている人もいるというお話でした。

 

「他に比較すればウォーキングはできている割合が高いというだけで、できていない人のほうがはるかに多いのです。それ以前に、女性の場合は若いころからの運動習慣を持たない人が多いため、まずは何でもいいから体を定期的に動かすことが重要です。駅までの早歩きでもいい、できれば息が軽く上がるようなことを日常の習慣の中に一つでも多く組み込んでいってください」(秋下先生)

 

なるほど、わかりました。壮大な目標を持って挫折するよりも、できることを着実にできるようにしていくのが重要ということですね。ちなみにまで、なぜツムラがこのアクションを起こしているのでしょうか?

 

「『国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会』2017年提言には『高齢者のフレイルについて漢方製剤等は必要不可欠』と記載があります。まずはフレイルチェックを行い、続いてそれに基づいた対策を行うのが重要なのです」(秋下先生)

 

ありがとうございました!できることから着実に進めていきます。

 

*記事中図版はすべてツムラ作成

 

つづき>>>山口もえ「47歳、疲れが取れないと感じることも増えてきました」そんなときの意外な「ご自愛ワザ」とは?

お話/秋下雅弘先生

東京都健康長寿医療センター センター長。1960年鳥取県生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部老年病学教室助手、ハーバード大学研究員、杏林大学医学部助手、東京大学大学院医学系研究科教授などを経て現職。高齢者への適切な薬物使用について研究し、学会・講演会・新聞・雑誌などで注意を喚起している。日本老年医学会で「高齢者に対して特に慎重な投与を擁する薬物リスト」を含む薬物療法のガイドラインを中心になって作成。ほかに、老年病の性差、性ホルモンに関する研究。

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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